通信制高校ルネサンス高等学校

少し戻るだけ / 犬塚名誉校長ブログ

ルネサンス高等学校

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 それほどこまめに見るわけではありませんが,朝,時間があれば「新聞を開く」のがクセになっています。今朝,気に入った記事を見つけました。

――「主人公が死んでも,あまり後退せずにやり直せるように心がけてきた」という。世界的人気ゲームソフトの「ドラゴンクエスト」。今年はシリーズ第一作の発売から30年。シナリオとゲームデザインを担当してきた堀井雄二さんが最近のインタビューでそんなことを語っていた。

  せっかく続けてきたのにたった一回の「悲劇」で振り出しに戻るようなことはしない。つまずいた場所から,ほどなく再スタートを切る。「ドラクエ」の人気はやり直しの易しさ=優しさかもしれない。(中日新聞「中日春秋」)

これを読んだとき,ぼくがすぐに「ルネ高の生徒たちの笑顔」を思い浮かべたのは,言うまでもない。

 ゲームには全く興味がないけど,「新の機種を早く手に入れたいために徹夜で並ぶ人たち」をニュースで見たことがある。その「ドラクエ」の人気の秘密の一つは「やり直しの易しさ=優しさ」にあるという指摘に,高校教育における「ルネ高の存在意義」と重なったのです。

 あとは,ぼくのワンパターンの連想。そのとき浮かんだのが小田和正の「ダイジョウブ」の2番の歌詞――

 ♪自信なくさないで,少し戻るだけ/君をなくさないで,きっと大丈夫。時は流れている,たえまなく/出会ってきたことすべてを,思い出におきかえて/今を生きるために。明日につながるあの広い空に/高く高く心解き放つんだ。忘れないで/君のその笑顔は,いつだってみんなを幸せにしている。

 「中日春秋」氏はこのあと,「オリンピック委員会が,リオデジャネイロ五輪に〈難民五輪選手チーム〉を参加させると決めた」のを取り上げ,「国旗も国歌もない。そのユニホームは希望。シューズは不屈。ゼッケンは平和への願いであろう。応援したいチームがもう一つできた」で締めくくっていたが,じつは,このことにもつながるぼくの思い出があるのです。

それは中学で教師をしていた頃の,15年ほど前ことです。教室になじめない3年生の元気な生徒たちが来る場所がありました。ぼくのいる理科準備室です。その年は10人をこえ,自分たちを「理科準組」と呼んでいました。そして体育大会では,理科準チームとしてクラス対抗の種目に出場したのです。

これにはぼくもビックリでした。「出たい」という彼らの強い願いと,それを認めた校長をはじめとする先生たちの度量の大きさ――今の中学校にその空気は残っているだろうか。

明日,明後日と福岡・広島での卒業式です。自分をなくさないで,笑顔で歩いて行ってくださいね。(2016.3.6)

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*写真は3月7日の福岡会場での卒業式後の記念撮影の様子。

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