干した池の底でイシガイ採り(水成粘土も入手)(2017年02月19日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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干した池の底でイシガイ採り(水成粘土も入手)(2017年02月19日)

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干した池の底でイシガイ採り(水成粘土も入手)(2017年02月19日)

干した池の底でイシガイ採り(水成粘土も入手)(2017年02月19日)

昨日、寝屋川市の水生生物センター敷地内の池を干し、淡水産二枚貝を泥の中へ入って採集し、個体群を調査する実習にスーパーサイエンスコースの岩田祐樹君(2年生)と参加しました。岩田君は島根県松江市の高校の部活で宍道湖ヘドロ電池を研究してきた経歴があり、今はルネサンス大阪高校で淀川の十三(じゅうそう)干潟で採取したヘドロ電池(微生物電池)の研究を続けています。併せて「環境保全クラブ」活動の一環で、センターが設けたサポートスタッフ制度(市民ボランティア)に基づく"実践的な学びの場"に参画しました。

サポートスタッフ要員は概して高齢者層が多いのですが、若手メンバーの1人が社会人を経て大学院へ戻るので、大学生など若手を引き連れて来てくれると期待しています。サポートスタッフの活動は休日のみならず平日の場合もあります。その場合、通信制高校が社会的な認知を受け、しかも教育研究活動で評価されていくと「高校生が平日に校外活動する」行為に違和感が消失すると期待しています(平日に活動した先例として、小学生への指導補助視察ツアーへの参加)。中央教育審議会の答申を受けて文科省は「社会に開かれた学校像」を描いており、社会との連携という意味で大阪校は先鞭をつけてきました(8年前にサポートスタッフ制度が発足していたことによる恩恵が大ですが)。

池はタナゴ類の保全用の人工的に造成したビオトープ池の一つで、イシガイはタナゴ類の産卵母貝となります。一方、海のような潮流のない淡水域ではイシガイの幼生は宿主魚類のヒレやエラに一時的に寄生して栄養摂取して底泥への定着生活へ移行します。そのため池にはイシガイのためにヨシノボリも放流してあるそうです(整理すると、イシガイはタナゴ類の産卵のため、ヨシノボリはイシガイ類の繁殖のため、という片利共生関係となっています;参考資料)。

当日はウェダー(胴長靴)を着用し、二の腕辺りまでガードされるゴム手袋も貸与されました。完全防備のようですが、夢中になると顔に泥が跳ねたり、着衣を汚したりしました。浅い岸辺では既に干上がった砂地には二枚貝の這い跡(生活痕)が観察されましたが、池の中央部分ほど泥深く手探りで泥を掛け分けると、指先にコツンと当たる感触があり、それがイシガイでした。泥の表層付近の空間に懸垂した状態で生活している印象でした。

午後、水洗いしたイシガイの水を拭い、デジタル・ノギスで殻長を計測し、貝殻の両面に個体識別用の番号をピグメント・マーカで記入する作業でした。マーキングされた貝は再放流され来年、再捕獲して殻長を計測すれば成長度を測定できるだけでなく、イシガイ個体群の動態も把握できるわけという算段です。タナゴ類の保全に必須なイシガイの野外調査という貴重な体験ができました。研究施設構内の池でさえ多大な労力なのだから、遠方の河川や池沼だったら遥かに過酷な環境での作業となることでしょう。研究者らはご苦労なことです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

❏ フィールド調査に参加した岩田祐樹くんの所感

ビオトープ池は水が抜いてありましたが、底泥が粘土を多く含むためか非常に足を取られやすく、移動するのもやっとでした。また、イシガイの記録や個体ナンバー付けは延々と続くので、そちらも予想以上に疲れました。僕はどちらも楽しめましたが、「イシガイの研究は大変だな」というのが素直な感想です。今回は、普段あまり知る機会のない水生生物研究の一面を経験することができました。貴重な体験でした。講師の近藤美麻さん、水生生物センターの皆さん、ありがとうございました。

イシガイ探しの後、ビオトープ池の粘土質な底泥を少し頂きました。頂いた泥を用いてヘドロ電池を作成し、粘土含有量が少ないヘドロ電池と比較することで、粘土鉱物が電池の性質に及ぼす影響を調べようと考えています。

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画像・左:水をポンプで抜いた池で泥に入ってイシガイ捕獲作業(中央が作業中の岩田君) 同・中:岸辺付近の砂質混じりの底泥上に這い回りの生活痕を残すイシガイ(矢印)及び番号をマーキング後に再放流するイシガイ個体群(ハメコミ画像) 同・右:フィールドワークで奮闘した岩田君

付記:人工的に造成した水辺環境で、無給餌のまま保全された池に堆積した水成粘土です。陸上の土壌環境のように造岩鉱物の風化(生物学的な要因を含む)で生じた粘土より遥かに粒度が均質で、まるで「漉し餡」のような外観を呈していました。また、陸上のように粘土粒子の表面が酸化鉄でコーティングされている様子もなく時折、池干しするためか硫酸還元も進んでないため硫化物による凝結構造も見られませんでした。雨天時に表面流出で周辺の土壌から洗い出された粘土鉱物が流入し、再懸濁と沈降を繰り返してソーティングされた堆積環境が想定されます。天然資源としての鉱床粘土や工芸素材としての原料粘土も購入できますが、自然条件下で形成された粘土なので、我々の実験系でのサブ標準粘土(地名に由来する「木屋粘土」と仮称)として実験材料として用いていく予定です。

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