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大学教育「新時代」の幕開けを実感(2017年05月16日)

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大学教育「新時代」の幕開けを実感(2017年05月16日)

大学教育「新時代」の幕開けを実感(2017年05月16日)

今日、京都学園大学の「独自入試説明会」へ行ってきました。冒頭で篠原総一学長から「新しい大学の創造をめざして」と題するご挨拶があり、続いて入学センター長の乳原(うはら)孝教授(人文学部 歴史文化学科)から入試制度の説明が続きました。最後に質疑応答の時間があり、2020年度に予定されている工学部設置に関して、予定されている学科内容の照会がありました。

大きな変更点の骨子は、学校法人・京都学園の理事長に来年度、日本電産(株)創業者であり、代表取締役会長兼社長の永守重信氏が就任し、私財の100億円を投じ、世界へ伍する大学への成長を目指すという一大構想です。伝達されたのは、日本電産のお家芸であるモータの駆動系と制御系を専門とする工学部を新設することで、現行4学部10学科が5学部12学科になること。さらに、太秦(うずまさ)と亀岡にある2つのキャンパス間で、心理学科を太秦(本部)へ移転させるプランです。

フラッグシップとなる工学部は、永守氏の15年来の夢であった工科大学を創立することの具現化であり、世界ランキング入りを目指す拠点となる一方、既存の学部学科も「教育モデル」構想と称し、学生一人ひとりを「卒業時の姿から今、学ぶべきこと」を想定(これは "backcasting" と呼ばれる手法)した個人ごとの教育プログラムを開発するとしています。具体的には、日本電産が率先して卒業生を雇用するだけでなく、全日空や行政体など協力が得られる組織のニーズに合致させた被雇用力(employability)を満たした即戦力のある人材を育成する方向でカリキュラムをデザインするそうです。

京都学園(法人)と永守重信氏(個人)が合意に至った原因は、最高学府で専門性の高い学問を修めてきたはずの学生が社会に出て即戦力として機能しない現実を雇用者として長年、見てきたからだと伝えられます。しかも、その不満は日本電産1社に留まらず、日本の企業人の多くが日本の大学に対して厳しい目を向けているという背景がありました。日本の経済力が衰退した一因ではないか・・という議論も、どうやら財界の関係者の間で交わされてきたような雲行きです。

これは、偏に大学に留まりません。早晩、大学へ卒業生を送り込む側の高校にしても「対岸の火事」で済まされる問題ではありますまい。当スーパーサイエンスコースが通信制一条校の地位を活かし、いち早く実社会ニーズに沿う「探究学習」をフルタイムで実現していることは、大学改革と伴走した試行であると自負するものです。

技術の進歩が著しい今、大学で学んだ内容の賞味期限は、とりわけ理工系では既に10年を切っていると推定されます。成人の学び直し(updates)や海外留学生の教育訓練という潜在ニーズに対し、日本の大学人は長過ぎた春を決め込んできた事実は否定できないだろうと思います。いよいよ企業人がアップストリーム側の大学人に物申す時代の転機が訪れたものと歓迎します(文責:教育デザイン室長・竹内 準一

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画像・左:京都新聞号外記事「新生・京都学園大学は、世界に伍する大学へ」(2017年4月14日)、同・中:基本合意調印式で握手する田辺親男・理事長と永守重信・会長/社長(2017年3月30日)、同・右:2018『京都学園大学』大学案内。※画像は説明会当日、配布された京都新聞号外を撮影したものです。また、学校案内の表紙に嵌め込んだ画像は、上映されたビデオを竹内がスクリーン上から撮影したコマです。

付記:大学の名称も変更になる可能性があり、将来、入学難易度の高い大学に変貌することも関係者の間で予期されている模様です。これだけ密度の濃い教育改革が実現すれば、あり得ると実感しました。ちなみに筆者(竹内)は2000年、都庁を退職し、英国の大学院博士課程へ入学し、遺伝子増幅・解析技術を習得してきました。PCR法やシークェンス技術が実用化したのは私が大学を卒業してからのことであり、当時、日本の国内には成人(mature student)向けの大学院教育など全く環境整備されてなかったからです。今後、大学は新卒者だけでなく社会人再教育の場としても機能すべきですし、それと共役して「高校課程の学びがどうあるべきなのか」の論点(例えば、汎用性の高い「学び方を学ぶ」など)も自ずと明確化していくことでしょう。

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