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「英語教育」研究会へ参加して想ったこと(2017年08月27日)

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「英語教育」研究会へ参加して想ったこと(2017年08月27日)

「英語教育」研究会へ参加して想ったこと(2017年08月27日)

教育デザイン室長の竹内です。今日(27日)午後、新大阪で開催されたNEW TREASURE研究会へ「潜入」してきました。元々、大学進学対策の通信添削から静岡県で事業が始まった(株)Z会(Zは、増進の意)の主催で、研究会の名称も同社が刊行する検定外教科書及び関連教材のシリーズ名に由来します。

ブランドが確立した理由は、同シリーズが私立の中高一貫校や公立進学校で採択されているそうで、題材の選定から語彙や解説などコンテンツが難関校の大学受験に有利なためだろうと思われます。そのため会合へ集った聴衆はほぼ全員、進学校の英語科教員(中高)であると主催者側から聞かされました。私は理科、もう一人、社会科(歴史)の教員と若干の異分子が混じっていた模様です(ちなみに参加資格に制限はありませんでした)。

基調講演は、香里ヌヴェール学院(学校法人・聖母女学院)の石川一郎学院長で『2020年の大学入試問題』など斬新な著書を刊行され、私には大変、切れ味の鋭いトークに聞こえました。東京・臨海副都心に開校したかえつ有明中・高の教育改革(帰国生の受け入れ、critical thinking スキル重視など)で実績をあげられ、大阪へ活動拠点を移されていました。ご本人に聞くと、石川先生ご自身も帰国生(幼少期に)だったとのことです。

基調講演では、冒頭から私自身も実感している「英語と日本語とでは、描ける世界が異なる」事実を実感させるワークがありました。挙手によると、この違いを肯定した聴衆と否定した聴衆は概ね半々。これは、英語圏で生活したことがあるか否か(あるいは、それに匹敵する分だけ英語に浸った経験があるか)を反映するのではないかと、私は感じました(石川先生、ご自身はコメントを控えました)。外国語を学ぶことを通じて、副次的に脳機能を活性化させる効用があると脳科学の専門家(苫米地英人氏澤口俊之氏など)から指摘されています。

分科会は2会場が用意され、4つのケーススタディーから2つを選びました。事例の報告内容に加え、近隣の聴衆との意見交換を通じて私が実感したのは、わざわざ英語という旬の素材を学校の授業という枠の中に押し込めて加工して素材の鮮度や価値を貶めているという感触です。英語教員から返ってくる反応は、「それが求められているから仕方ない」との呟きが見え隠れしているようです。そのために今、高大接続と入学選抜が一体化した改革が求められているのだから、基盤工事に脆弱さを見た思いがします。

その中では、大阪府屈指の進学校・北野高校のOB であり最近、英語科教員に就任した若宮功先生の事例報告には、授業の問題点を見つけ、それに対して改善していくアップデートの手法に、常に前進していく意気込みを感じました。先生はブラジル人とのミックス世代ですが、国内で100%英語教育を受けたバックグラウンドをお持ちです。しかし、母方のポルトガル語は使えるそうですので、第二外国語習得の土壌は既に耕されていたのかも知れません(第二言語習得回路ができると、多言語化が容易だと言われます)。

私は自分の仕事や留学の都合からわが子をバイリンガルにした経歴の持ち主ですが、見ていて感じるのは外国語を学校の「教科」として触れるか、リアルに使われる「言語」として触れるかの違いは、言語習得のレベルを問わず「基礎工事」として決定的な違いを生む気がします。改めて、石川先生と若宮先生の中に、自分と同じ素因(私自身は移民経験者)を感じました。このことは、やはり日本に特有の「教科」ましてや「受験」として第二言語に触れる学習環境が果たして好ましいのか改めて疑問を感じた次第です。

つまり「第二言語習得」という「フォーマット」を脳の中に早い時期に作ってあげることが、その後の使える外国語習得に至るか否かの分水嶺だと改めて実感しました。そして、単なる「教科」としての英語科なら果たして次世代を担う日本人に必要なのか疑問を感じています(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・左:石川一郎・学院長(21世紀型教育機構理事)の基調講演(左下のはめ込み図は、 国連が掲げる人類の存続に係るグローバルゴールズ)、同・中大阪府立北野高校・若宮功先生の事例報告(母校の教壇での授業風景)、同・右:Z会提供の教材(NEW TREASURE、Stage5)及び教育SNSサービス(Edomodo

付記:生物学的には人類はアフリカで誕生し、世界各地へ散らばって住んだ。何代にもわたり、その土地で異なる言語と文化を築いた。それが、単一種としてのヒトの進化、グレートジャーニー(和製英語;正式な英語表記は、human journey)だと私は考える。その後、航空機や通信網の発達で別れた人類の子孫が再会する時、それが現代である。すなわち人類が再び会うことになる時代が来ることには、歴史的な必然性があった。日本の英語教育界に、この壮大な人類の夢とロマンを認識し、それを受け止める世界観が果たしてあるのだろうか?それを欠くとしたら、現代人として備えておきべき知性と教養の乏しさに、祖先に対して申し訳なく想う。

各言語で否定時に「N(ヌ、エヌ)」の音が共通して使われている。英語の「ノウ」、フランス語の「ノン」、ドイツ語の「ナイン」、ロシア語の「ニェット」、そして日本語の「(で)ナイ」。これは、人類誕生と初期の言語が一元的であったことを裏付けていると、私は考えている。人類の壮大な生き様を反映した言語学習が、教室の中だけとか受験のためだとか、余りにもチンケだと私は憂う。どうかこの文を読んだ諸君は、人類が辿ってきた道を想い描き、今を生きる感動を忘れないでいて欲しい。このような想いを外国語学習の立脚点にして欲しいものだと、人類進化の旅の途中で通りがかりの一生物学徒(biologist)として切に願いたい(竹内記)。

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