アート&サイエンスコース
2015.01.28.Wed
1月6日掲載の干上がった狭山池(水口教頭が投稿)へ行ってきました。大きな溜池を干した底土にはミジンコの耐久卵が見つかることがあるからです。今のところ期待していたミジンコの発生は確認できていません。しかし、その代わり思い掛けない生き物と遭遇しましたので、そのご報告をしましょう。
糸状性細菌と、細長い細菌をスパゲッティをくわえて食べるような、特別な形状の口をもった原生動物(単細胞動物)です。糸状性細菌は下水処理場の活性汚泥中で異常増殖し、バルキングという固液分離障害を引き起こす犯人で恐れられています。が、この原生動物がホワイトナイト(白馬の騎士)のごとく現れて、糸状性細菌を食べて駆除してしまうことがあるのです。
私は下水処理場で水質検査していた経歴もありますが、現場で遭遇した経験はありませんでした。そして、そのような生き物の故郷がどこにあって、どこから下水処理場へ流れ着いてくるのか知りませんでした。しかし、もともと彼らがどこに住んでいたのかを知った気がします。狭山池でも底土を採取したのは流入河川の流れ込み点に近い場所でした。そこで河川から流れてきた糸状性細菌が池の底で干上がってしまっていたのだろうと推察されます。
耐久卵や胞子、シストのような特殊な休眠細胞を除外すれば、たいていの生き物は水が干上がると死んでしまいます。今回の糸状性細菌も原生動物も、特殊な休眠細胞を作る生活環が知られていません。それでも生物が絶滅しないよう、ある程度の乾燥に耐え、水が注がれると蘇生する不思議な自然界の仕組み(クリプトビオシス)があるらしいのです。
土壌細菌が生産するある種の糖(トレハロース)が関与している可能性はありますが、クリプトビオシスの詳細は、まだ解っていません。スーパーサイエンスコースの研究テーマの一つにしたいと考えています。このブログ記事をご覧になった方で、興味を持たれた方は共同で研究をしましょう。是非、ご連絡下さい。高校生レベルの研究は平易ですが、その分、生命現象の本質的な謎に迫ることができる可能性も期待できます。
連絡先:スーパーサイエンスコース担当、竹内 準一、jtakeuchi(at)r-ac.jp ※(at) を@に
【解説】
染色した顕微鏡写真で、赤く染まってウィンナーみたく連鎖しているのが糸状性細菌(グラム陰性)です。連鎖細胞の外側には見えませんが中空で筒状の鞘があり、細胞は鞘の中に収まっています。青く見える細菌は、実験室でゾウリムシを飼育している藁の煮汁に発生した枯草菌(グラム陽性)で、納豆菌の仲間です。ゾウリムシの餌になりますが、枯草菌以外の赤く染まる陰性細菌も発生しているのが解かります。油浸100倍対物レンズが光学顕微鏡の限界です。
難しそうに聞こえますが、顕微鏡写真の撮影はレイマー顕微鏡(大阪市)の撮影装置をノートPCと繋いでワンタッチです。今回、新年度からスーパーサイエンスコースの通学生として加わる中3生に顕微鏡写真の撮影をお願いしてみました。ほら、やさしい証拠でしょ。
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ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
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を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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