アート&サイエンスコース
2015.10.24.Sat
本日の午前、国の天然記念物・イタセンパラの人工繁殖を行っている寝屋川市にある水生生物センター(旧、大阪府内水面水産試験場)で、サポートスタッフ講習会(今年度2回目)が開催され、参加してきました。
この時期、イタセンパラをはじめ秋に産卵する秋産卵型のタナゴ類はオスは婚姻色がつき、メスは産卵管を伸ばし、個体として成熟している証拠を見せています。そのような個体を集め、水を張ったバット内で採卵し、さらに放精させ受精させました(精子が泳いで受精できる時間は約7分間で、これは比較的長めだそうです)。
講師は近畿大学大学院修士課程を経て同センターに勤務する小田優花さんで、大学でもタナゴ属の人工繁殖を専門に研究されてきたエキスパートで、発生過程を追ったホルマリン漬け標本もご自身で作られて持参されました。
人工繁殖の操作を目の当たりにして、勝手は掴めました。しかし、自然界ではこのプロセスを淡水産二枚貝を一対の魚が選び、メスが出水管に産卵管を差し込んで産卵し、オスが入水管に向けて放精し、貝類の中で受精が起こるのだそうです。受精卵から発生した胚は貝の中で越冬し、その間、貝類は自分が呼吸やエサを補食するために水を吸い込んでは吐き出します。そうして絶えず新鮮な水が交換される生息場所を見つけ、タナゴ属の魚類は貝類と運命を共にする生き方を選んで今日に至る訳です。
自然が持つ仕組みの驚異を実感すると伴に、その謎を解き明かしていった先人の知恵にも感心しました。それを僅か数時間で、圧縮された形で体験させて戴きました。それも大阪府の公共機関が主催した活動ですので、受講も無料です。ルネサンス大阪高校の「環境保全クラブ」がイタセンネット加盟団体なので顧問の私が代表で今日、素晴らしい体験をさせて戴きました!
イタセンパラは環境省から許可を受けた研究機関の所内でないと扱えませんが、カネヒラは所外へ持ち出し可能なので今回、受精卵を大阪校・理科室へ持ち帰りました。小田研究員によると、3日間程度で孵化し、2週間後には"ウジ虫運動"と呼ばれる盛んに動く時期があり、以降春先(5月頃)までの一定期間(諸説あり)を4℃という低温期に晒しておく必要があるそうです。理科室にはプラナリア繁殖用にペルチェ素子で冷却する飼育庫がありますので、そこで越冬させる計画です。これでまた、理科室にいる生き物のメンバーが増えました! (ただし、カネヒラはタナゴ類の中でも仔魚浮上まで持ち込むのは難関だそうです)
ルネサンス大阪高校スーパーサイエンスコース(SSC)では、地元の公共機関から技術提供を受け、高校の教育研究へ組み込む努力を行い、さらに生徒への教育の一環として英語サイトから海外へ向けて発信していく新しい高校教育のモデルを創出していきます。なお、初期発生段階の動画記録は、SSCのリポジトリ(電子書庫)に収録してありますから、ご参照下さい。
画像・左は、淀川の後背地にある水生生物センターの池、画像・右は、小田優花講師の講義と実演の様子。サムネイルは、大阪校の理科室へお持ち帰りさせて戴いたカネヒラの受精卵です(天然記念物のイタセンパラの卵は実際、細長い形状でした)。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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