アート&サイエンスコース
2016.03.02.Wed
スーパーサイエンスコースでは、大学及び社会での「研究」及び「実務」に従事する際の基礎となるべき「体験学習の場」を提供しています。通信制高校の「通学コース」という教育デザインの自由度の高さを最大に活用し、今後の学校教育のあり方を先取りする活動の具体化を進めています。淡水魚保全のメッカ、大阪にある市民ネットワーク「イタセンネット」に高等学校として初めて加盟したルネサンス大阪高校の「環境保全クラブ」の野外活動への参画も、その一環です。
国の天然記念物、イタセンパラ(タナゴの一種)は淡水産二枚貝の中に産卵する繁殖様式を持っています。そこで、卵が二枚貝の中に産み付けられてから以降は野外活動もシーズン・オフです。昨年の10月、水生生物センターで行われたサポートスタッフ講習会でタナゴの一種、成熟したカネヒラ個体を用いた人工受精を経験し、受精卵を理科室へ持ち帰りました。受精卵の変化を温度管理した条件で飼育・観察を継続してきました。
室内観察の結果、低温(4~5℃)に晒される期間(1~2ヶ月間)を与えると受精卵の発生が加速する感触を掴みました。一般に、生物は季節変化を積算温度で感じ取り、再び春が巡ってくることを察知するスイッチになっている模様です。当初は卵黄(エネルギー源)が長持ちさせようと低温下に置いたところ、逆に発生が加速し出したので生命の不思議さを実感しました。
先日、僅かに卵黄を抱え、まだクネクネした運動を仔魚の状態から稚魚の状態に変わった個体を発見したので早速、用意してあった水槽へ移しました。卵黄というエネルギー源がない以上、自前で餌を摂らなければ生命が維持できないからです。こうして卵が仔魚を経て、一人前(?)の個体が餌を摂って排泄する独立した生活を営み始めるのです。そのためアンモニアの硝酸への酸化を促す下水の活性汚泥から馴化させて作った「硝化ペレット」も用意(後述)しました。
以上は理科室で行われた実験観察の一コマですが、これは水産増殖へのいざないであり、下水道が蓄積してきた水質浄化技術の応用です。高校教育の本来の役目として、大学及び実社会へ出るための動機づけを付与していく教育を提供中です。
次期学習指導要領改訂の方向性が、文部科学省から一般向けにアナウンスされています。「環境保全クラブ」が一足早く市民ネットワークに参画したことで、ルネサンス大阪高校が地域社会に繋がった「コミュニティ・スクール」としての体制を整えるスタートを切っています。また、学習内容が将来の進学・就職後の社会参画に直結する高校教育への対応も進めています。さらに、グローバル化への対応もネイティブ英語話者や海外の教育研究機関との交流(後述)を準備し、日本の教育シーンが激変する端境期にあって体制を整えつつある旨、教育デザイン室長としてご報告しておきます。
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付記:「環境保全クラブ」部長でもある社会人高校生の信宮純さんからは水槽を寄贈して戴いただけでなく、自宅で飼育しているメダカの受精卵を分譲して戴きました。それも併せて飼育観察中です。
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画像・左:カネヒラの稚魚(最終段階の仔魚、水槽で泳ぐ稚魚)、画像・中:メダカの受精卵と稚魚
画像・右:低温保管庫(ペルチェ素子冷却型)内で発生プロセスを管理中の様子
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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