アート&サイエンスコース
2016.04.13.Wed
オープン・エンドの問い(open-ended questions)があります。以前、ベトナム人留学生が知っていて驚いたことがあります。東南アジアでも、急速に学校教育が変貌を遂げていたからです。欧米への留学経験のある帰国人材が、母国へ新しい教育方策の一つ、PBL(Project-based Learning)を移植しているからです。学習者が主体となる(learner-centered)教育方策で、日本の文科省の目指す次なるステージでも課題は学習者が「自らの手で見い出す」ことを大前提としています。
研究課題は日々の生活の中で簡単に見つかるものです。問いを見つけることから、真の学びはスタートします。今日、理科室で水槽を覗いていた河脇凌くん(2年)が目ざとく発見しました。水槽に同じ種類の虫の死骸が浮いていたからです。正確には3割くらいの個体は、まだ生きていました。体表が水を弾く様子から、陸上の生活に適応した微小な昆虫の仲間であることは確かです。体表が疎水性(撥水性)なのは、濡れても大丈夫なだけでなく、体内の水分を失わないためでもあります。最近、気候が良くなり換気を兼ねて、理科室の窓を開けていた間に外から侵入してきた模様です。
なぜ、「飛んで火に入る夏の虫」ならぬ「飛んで水に入る春の虫」なのでしょうか? 春の陽気で卵から孵った幼虫が羽化して(羽は見当たらないが)、風に乗って分布域を拡大したのだろうと推測できます。春風に舞うのはロマンチックな花弁だけでなく、花粉や虫(無翅型で)も飛ぶようです。
凌くんは無論、デジタルネイティブ世代です。情報端末を上手に使って、「1ミリ_昆虫」たったこれだけのキーワードで Google にアクセスし、「画像」を選択して、良く似た画像を見つけ出しました。直ぐに害虫「アブラムシ」の仲間だと結論づけました。アブラムシは、触覚の付き方と腹に1対の突起がある点で、種類を越えて共通していたからです。驚きました。初めて見る虫の発見から正体を突き止めるまで、アッと言う間の出来事でした。 予備知識はゼロです。
現代は、こうして正解のない問いを立て、初心者でも正解に近づいていくことが可能です。ネット情報と検索エンジンが、学びの質を大きく変えようとしています。発問者と助言者は、未知の問題を解決していく手掛かりとなるボランティア役です。今日は該当する学習者が1名のスタンドアローンでしたが、今後、学び合いが教室内や学校間でネットワーク化していくことが期待されています。
付記:デジタル・イミグラント(移民)世代の私から、デジタルネイティブ世代へアドバイスです。なぜ、溺れて死ぬかも知れないリスクを犯して昆虫は水を求めたのでしょう? 飛ぶ虫は、体重を最小限にするために極限まで水分含量を減らしていると思われます。が、神経は電気信号を流すだけの水分は必須なはずなので、飛行移動した後、急いで水分を補給する必要があったのだろうと推測されます。次の英語サイト"What do You Have to do to Get a Drink Around Here ?"の画像は、普段は見る機会の乏しい昆虫たちの水飲みシーンばかり集めた画像のオンパレードです。壮観でしょう。
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画像・左:水面と虫(真上から撮影)、同・右:木本植物につくアブラムシの仲間(背面から撮影)
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.08.Mon
ルネサンス高等学校 (大子校)
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インフォメーション
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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