「書道」をネタに英語を修得する(2016年05月07日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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「書道」をネタに英語を修得する(2016年05月07日)

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「書道」をネタに英語を修得する(2016年05月07日)

「書道」をネタに英語を修得する(2016年05月07日)

社会人高校生の信宮純さん(通信課程、環境保全クラブ部長)は、独学で書道家を志しています。現在、大阪市立美術館では開館80週年を記念した『王義之から空海へ』という特別展が開催中で、行ってきました。そこでは国宝級の作品など歴史的な重みある作品の実物に触れる機会となりましたが、歴史を辿ると同時にこれからの「書」がどうあるべきなのか、信宮さんなりに掴めたご様子でした。独特の味わいをもつ信宮さんの作品が益々、伸び伸びとした作風へと進化した様子が見られました。

もう一つの要因には、英語で書かれた書道の実践指導書 "SHODO: The Quiet Art of Japanese Zen Calligraphy(Shozo SATO著)" を2人で読み込んで行った相乗効果もあったように思います。聞いて見ると、信宮さんは中学英語も怪しい箇所があるそうです。しかし、大人が中学英語のレベルまで降りて学び直しするのは辛いものがあります。一方、私は以前、中学英語も未習得の高専生を卒研生に迎え英語で卒業論文を書く指導をして成功した経験があります。そして私自身も海外生活を経験してきて、果たして中高で学んだ英語が活きたという実感がありませんでした。以上より、中高で学ぶべき英単語や英文法をスキップしても、英語は読んだり書いたりできるようになるのではないか、という「仮説を検証する」社会実験にボランティア候補として協力して貰うことにしました。

欠かせない条件があります。分野が異なると英語圏で生活したことのある私でも初めて見る単語に遭遇します。その場合、一緒に前後関係から類推することにしました。なまじ単語の意味を知っていると浅くしか読めません。知らない単語がある方が内容を把握しようと頭が全開します。この文意を探ろうとする力が、真の読解力(文字列の向こう側)が開発されていくのです。英語の枠を越え、著者が「何を言いたいのか?」を深く探り、内容を掴みとろうという "アンテナ" が働き出すからです。

関連した分野(ここでは書道)の英語サイトも参照しています。こうすることで、別の著者も似た表現を使っていることを知り、英語表現のバラエティが広がります。同一の場合なら、表現を再確認して納得できます。類推の的中率と相まって、使える英語力が知らないうちに付与されて行くのです。

さらに、落とせない条件があります。それは、同じ分野で英文を書き起こすことを前提に組み込んでおくことです。この時、「この表現は使えるぞ。戴きだ!」と閃くことが肝要です。こうすることで、「学んだ英語表現」を直ちに実戦で使い出すことで、理解も深まり、定着率も上がる仕掛けで、これこそ「教育デザイン」が持つ妙味で、次第に自分の英文が既成の英文へと近づいて行きます。

信宮さんの作品は順次、スーパーサイエンスコースのリポジトリ(Gドライブ)に分割してある「環境保全クラブ」のサイト上に、英文の解説文と一緒に予稿をアップロードしていく方針です。本日、1ページ目を起こしました。今後も継続して行きます。実績を蓄えて、自信を引き出す仕組みも将来、「ポートフォリオ学習」として導入されると予想されます。

日本文化を海外へ発信していくような活動は今後、次世代の日本人が担うべき役割であり、併せて世界に通じる英語力を獲得するチャンスになります。現状は、外国人が日本語と日本文化を学び、世界へ発信して貰っているような状況のようです。

内容面では、運筆に勢いの作品を電子顕微鏡で観察したら墨の粒子が規則正しく並んでいたとか、驚くような記述があり、一日本人としても学びになりました。また、文化の壁を越えるため、いかに苦労して外国人に伝えていくのか苦労の跡が偲ばれる例にいくつも遭遇しました。例えば、禅語の解釈を日常会話で省略した事例を示して説明するなど、涙ぐましい努力でした。文化が異なるということは、単に「言語」が異なる以上に生きる「世界」が異なるのだと改めて実感できます。

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画像・左:美術館で(上)、自作の書、同・中:英文テキスト読解中、同・右:テキストと信宮さん

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