理数系弱者の夢を実現する工学教育(2016年06月02日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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理数系弱者の夢を実現する工学教育(2016年06月02日)

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理数系弱者の夢を実現する工学教育(2016年06月02日)

理数系弱者の夢を実現する工学教育(2016年06月02日)

本日の午後、学生の面倒見の良さで定評のある金沢工業大学(略称、 KIT)の進学説明会へ出席し、大学事務局・進路開発センターの濱田浩之次長から個別対応して戴きました。高校の教育課程が大学入試選抜で歪められ本来の教育効果を発揮できない現状を打開したいと願ってきましたが、工業高専に勤務していた私の案じた点は理数系科目(物理と数学)が苦手だと工学分野に進む進路を断念しなければならないという難問でした。大学レベルの専門授業が成立しない(大前研一氏も指摘)ため、物理・数学が苦手だと工学への進路を諦めざるを得ないのが半ば、常識だったのです。

それが今日の説明会の冒頭、AO入試が筆頭で紹介され、課されるのは次なる2項のみ:①400字程度の小論文、②30分の面談、です。高校在学時の評定(平均値)や学科試験は一切、課さないというのです。とかく安易と批判が絶えないAO入試ですが再度、 見直すと「目的志向型入試」とシッカリ筆頭に明記されてました。そうです。ある意味、大学で何を学んで将来、何をしたいのか、何に情熱を傾けたことがあるのか、受験生にアピールする能力がないと門が開かないのです。これは受験生と教授陣のマッチングを見る欧米型アドミッションズそのもの。明らかに、点数で人を「選別した」闇の時代から、人の才能を「発掘する」光の時代へとアセンション(昇華)したことが感じられます。

では、どうして客観性の高い成績や学力も見ず、主観性の強い動機や意欲をもって判定できるのでしょう。それがアドミッションズ時に受験生が自己アピールする表現力、教授陣が受験生を見抜く経験と眼力を信頼しなければ到底、無理です。それこそが卒業まで合格者を見守る指導の礎となります。

さらに、個別質問したことで入学後の手厚いセーフティー・ネットの存在が見えてきました。学内の「数理工教育研究センター」所属のチューター(個別指導教員)が大学レベルの数理リテラシーを徹底、支援されるそうです。確かに学習者本人に夢と志があり、それを支える教授陣がタグを組めば、最強の願望実現システムだと言えましょう。学内インターンシップ制度まで完備しているそうです。

「人を育てる」べき学校教育に「切り捨て御免」的な冷酷さを私は常々、実感してきました。「コチラは教えました。できないのはアナタが悪いのです。」の論調が大半だったと思います。配布資料にあった『サンデー毎日』の記事(2015年9月13日号)によると、「面倒見の良い大学は11年連続で金沢工大」の見出しが踊っていました。18歳人口が激減する「大学冬の時代=2018年問題」という外圧はあります。しかし、同大学は以前から良心的な教育を実践してきた結果であることがわかります。企業との共同研究費受入額(平成26年度文科省)でも、金沢工大は私学で首位(国公立大学を含めて7位)に輝いています。就職支援体制でも全国一位に輝くのも、教員の5割が企業出身者だから為せる技なのでしょう。加えて、今春の卒業生から専攻に応じて数学や理科の教員免許取得が可能になり、中等教育(中高)の質向上にも金沢工大の取り組みが反映されることと今後、期待できます。今後、中等教育が受験指導でなく生徒の適性や資質を見つける指導に注力することが要となります。

このようにアップストリームである大学教育が変わると当然、ダウンストリームの高校以下、小学校からの教育を文章表現力やプレゼン力が育つように強化する正常なフィードバック循環系が生まれ、ようやく暗黒時代を脱し、対話できる社会を生み出す教育ルネサンスが実現していくことでしょう。ルネサンス大阪高校のスーパーサイエンスコースの「探究学習」は新時代のニーズに応え、地道に信頼関係を築き上げ生徒が育つ「教育デザイン」のリソースを蓄積し、地域社会へ貢献していきます。

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画像:左:事務局長のプレゼン「新たな教育への取り組み」、同・中:大学生の自主活動を支える夢考房プロジェクト・プログラム(正課教育と正課外教育をリンクし、世代・分野・国籍などを越えた「人間力」を形成)、同・右:数理リテラシーを、研究室を持たない教育-教授陣が学力基盤を支援

付記:金沢工科大学には、大学院時代のクラスメートだった敷田麻美氏が同大学で教員をしていた時期があり、以前からユニークな教育をしている大学であると認識していた。15年間、地方公務員をした経歴及び英語圏への留学経験を教育活動へ活かすなど、何か破天荒な生き方で共通項も感じる。敷田氏が開発した教育デザインは、CLIPという「アクティブラーニング」の走りとして今も金沢工科大学に引き継がれている模様である。教育以外のバックグランドを持つ者に特有の発想だと覗える。

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