「論文」を書く訓練は高校向きの教育(2016年06月22日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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「論文」を書く訓練は高校向きの教育(2016年06月22日)

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「論文」を書く訓練は高校向きの教育(2016年06月22日)

「論文」を書く訓練は高校向きの教育(2016年06月22日)

アップストリーム側にある高等教育の改革(入試及び大学教育)が進むと、ダウンストリーム側の初等中等教育(小中高)へ、その効果が一気に波及する。これまでの教育改革が不発に終わってきたのは、この一体化が以前は不備であったこと、さらに支援活動を行うロジスティクスの整備体制が遅れていたためである。が、今回、背景が大きく異なる。昔なら予備校や塾が民間資本であったが、今や "Leave a Nest" や "THINKERS" らが参入してきている。

諸外国と比べて明らかに劣っていたのは、試験の点数で入学者を選別してきた、いわば数字が選んだ合格者を大学教授らは指導してきたことになる。奇妙な話だ。また、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)校の指定対象が進学校から専門高校へ拡張して来るにつけ、研究能力に偏差値ほどの差がない(時には逆転も)ことも明らかになってきた。優秀だったはずのリーダーが陣頭指揮してきた大手企業が相い次いで倒産し、屋台骨も傾いてしまった。終身雇用制が崩壊してくると、否応なく学歴よりも能力に求めるようになる。いわゆるどのランクの大学の出身者なのかを問う、日本的な会員制(メンバーシップ)から専門的な職能制(ジョブ)を求める方向へと、雇用形態もシフトしてきた。

教育機関が「人を育てる」場所となり、人が育たない学校は自然と衰退していくので、ようやく日本社会の歯車が噛み合って正常化していくことであろう。しかし、教える側も教わる側も従来の安定したシステムを懐かしむかも知れない。それは、その方が楽だったからと言える。が、決して人の成長を引き出し、幸福にさせていく教育システムであったとは言い難い。

大学でも実社会でも、論旨の明快な文章が書け、人前で意見が表明できることが世界標準の学力であり、資質である。世界では常識なのに、日本ではこれらの能力(コンピテンシー)が問われることがなかった。加えて、リーダーシップや企画立案、問題解決など当然、社会生活で必須であるが、日本の大学入学時点で問われることがなかった。国力が衰えるだけ衰えて、日本の大学の国際競争力が軒並み低下して行ったことも、当然の帰結であろう。

高校生が論文(特に、理系の)を書くことは全く不自然ではない。自分で行った実験をまとめ、足りない知識を補強しながら論文を仕上げていく過程は、実は調べただけ自分の学びに直結するので直ちに血肉になる。分野が偏ると心配する向きもありそうだが、逆だ。勢いづいた学習者は足りない点があるから、さらに補おうとするものだ。逆に、総花的に学んで来た学習者ほど、次に何をどう学べば良いか方向性を見失うのだ。教育はハードディスクへ機械的に書き込む行為でなく、好奇心を刺激し続け、一生の間、学び続ける心を教えるのが高校が果たす使命であろう。

私が大学時代に学んだ微生物学は、賞味期限が10年であった。期限を過ぎたら開発途上国へ渡って延命するしかなかった。その後、社会人学生(mature students)がいて自然な英国大学院へ留学し、molecular microbiologyへアップデートをするしか策はなかった。私の年代でもこうだから、次世代を担う若者たちは推して知るべしだろう。

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画像・左:EU-ICONプロジェクトでは発表したポスター(英国、Essex大学とBirmingham大学の共同発表)、同・中:自分の論文が引用されると逐次、メールで通知が届く"ResearchGate" のサービス、同・右:リバネスが刊行する『教育応援』Vol. 30(2016年6月号)の表紙

追記窒素代謝の分岐点は窒素代謝の大気中に回帰するか水中に留まるかの運命を分かつ。筆者が大手を掛けた機能遺伝子(nrfA)解析は 2000年時点で世界中で未着手だった。そこで世界初の研究をnrfA遺伝子のプライマの設計から着手した。当時、遺伝子配列は6種程度しか公表されていなかったので手作業で設計し、来る日も来る日も設定条件を変え、PCRを一日に3回転は回した。苦節2、3ヶ月後、薄く電気泳動のバンドが見えてきた瞬間が懐かしい。一度は世界初の研究にチャレンジしてみたいと願ったが、追い越されるのが不安で気が休まる日がなかった。こんなスリリングな体験は一度で沢山と思った。結局、同じ英国のバーミンガム大学の Jeff Cole 教授夫妻が同じ遺伝子を追っていることを非公開の研究会で知り、お互いに提携した。当時、世界でnrfA遺伝子を追っかけていたのは、Cole夫妻(2人とも博士号アリ)と私(当時、博士号ナシ)の3人だけだった。

生化学者の Jeff 曰く、「オレより先に、この代謝を見つけていた日本人がいたんだ。サトウって言うんだよ。」 その人の名は佐藤了(りょう)。大腸菌を培養すると、アンモニアが蓄積することを発見していた。その後、東大海洋研と北欧の窒素循環の旗手 Sorensen が海洋環境で硝酸塩がアンモニアに戻されることを同時に発見していた(私も学生時代に読んでいた)。しかし、その代謝を担う微生物に着目したのは、世界で英国人だけだった。日本の学会で私が発表しても「そんな代謝経路があるのですか?」と質問されたほど、教科書の図から漏れていたのだ。佐藤了氏は、日本の生化学界の重鎮・江上不二夫氏の愛弟子で、クリューヴァーとヴァン・ニールの『生物学の発展と微生物』(岩波書店、1961年)の訳者である。よもや自分自身が、その一角に食い込むとは夢想だにしなかった。

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