アート&サイエンスコース
2016.07.06.Wed
地球科学領域で「探究学習」を希望している高校生向けの教材を探しに昨日、淀川へ向かいました。大阪校のある梅田から歩いて行ける行動半径で見つかれば、助かります。淀川河川敷へ出ると野球場があり、その奥の河岸で粒度の粗い砂が、阪急線の鉄橋の下ではヨシ帯が発達した干潟が形成され、粒度の細かい泥が採取できることがわかりました。
このような干潟底泥サンプルは、ヨシの粗繊維を分解するセルロース分解菌や脱窒細菌(硝酸塩を窒素ガスへ戻す)や硫酸塩還元細菌(硫酸塩を硫化水素へ還元し、泥を黒変させる*)、メタン生成菌(有機物を発酵させてメタンガスを生成する)などの嫌気的微生物代謝を扱う教材として定番です。
今回、化石など「地質」分野に興味のある1年生向けに硫酸塩還元細菌から導入し、その後、カルシウムの生物学的な沈積作用(バイオミネラリゼーション)へと繋ぐ予定です。一方、島根県から来る「化学」分野に関心がある編入生向けに底泥を用いた「微生物電池」の研究活動を始める準備を進めています。少し毛色が変わった新規分野なのでワクワクしてきます。
府立今宮工科高校の三浦靖弘先生(電気系)には、今回の「微生物電池」に関する文献情報など提供して戴きました。鍵を握る Shewanella(シュワネラ)属や Geobacter(ジオバクター)属の細菌とは以前、ニアミスしていたこともあり、興味が尽きません。
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画像・左:淀川河川敷(対岸に十三方面を望む)、同・中:ヨシ原の生態(左上から時計回り、①底泥表面、②ヨシの発芽シュート、③汽水性のカニ、④イシマキガイ個体群)、同・右:米国・輸入品「マッドワット」理科教材キット(アマゾン販売)
付記:以下は、鉄代謝と共役した微生物代謝の事例ですが、比較的読みやすい記事です:
電流発生菌:東大など、電流発生菌の増殖法発見-酸化鉄と培養」ほか
他に、イオウなど元素が持つ化学エネルギーや光エネルギーを活用する可能性もあります。
* ヘドロなどが黒く見えるのは、微生物が生み出した硫化水素が自然界に分布する鉄と反応し、硫化鉄(FeS)の黒沈を生成したからである。この硫化鉄は酸で溶け出す性質があるが、現世堆積物中で速やかに黄鉄鉱(パイライト、pyrite)に変成する現象を鉛電池の再生技術でご指導して戴いている小澤昭弥氏が学生時代に突き止めている。電気化学と地球化学の間には、数奇な類縁性が見られる。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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