いると困るが、いないともっと困る"ご意見番"(2016年11月27日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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いると困るが、いないともっと困る"ご意見番"(2016年11月27日)

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いると困るが、いないともっと困る"ご意見番"(2016年11月27日)

いると困るが、いないともっと困る"ご意見番"(2016年11月27日)

昨日(11月26日)、大阪工業大学6号館15階ルラーシュで『イタセンパラシンポジウム』が開催されました。「その保全に、命を掛けた木村英造氏の功績を記念して」という副題が意味するように、(財)淡水魚保護協会を私財で設立し、情熱を注いた人を省みる催しでした。私は、イタセンネットに連携団体として加盟している「環境保全クラブ」顧問として、同クラブ部長の信宮 純さん(3年)と参加申し込みをしていました。信宮さんは直前に不都合となり、代わりに先日も同クラブの活動報告を発表してくれた岩田祐樹くん(2年)と一緒に参加しました。岩田くんに向かって、「今日は関係者が一堂に揃うぞ。木村さん(の御霊)も来るかもね・・」と私は軽い冗談を飛ばしていました。城北ワンドの傍らを通り、大いに期待して会場入りするも、何か浮かない気分でいる自分が不可解でした。木村さんが、手放しでは喜んでない気がしてきたからです。

タイトルの文言は正確には「いるとうるさくて困る。しかし、いなくなるともっと困る。そういう人間でありたいと願ってきた。」で、これは木村さんの著作物『淀川のシンボルフィッシュ イタセンパラ』(2007年、自費出版)の中に登場します。イタセンパラ保全運動を巡って (普段から、顔を合わせている)関係者が揃いも揃って実名で登場する、事実上の"回顧録"です。その奇譚なきご意見番としての面目躍如足る横顔が当日の講演の端々に覗くことができました。

その極めつけです。木村さんは2010年5月の外来魚釣り大会の日に芦屋の自宅から城北ワンドへ来たのが最後だそうですが、次のような含蓄に富む言葉を残されていました:

上流選択派と下流再生派(城北ワンド)、あと10年たてばどちらの考え方が正しかったかがわかるのですが、もうその頃には木村は生きておりません(出典:"淡水魚の窓"「平成18年度上期のご報告」より;2006年7月10日)。

これは木村さんが「城北ワンドでイタセンパラを保全する策に見切りをつけていた。」ことを意味します。その理由は、「人の手で外来魚を駆除し続けない限り城北では、イタセンパラの保全は実現できない。そんなモンはホントの環境保全ではない。」という憤りでしょう。イタセンパラの人工繁殖技術(低温処理)を発見した上原一彦さん(水生生物センター主幹研究員)に対しても、木村さんは「何と余計なコトをしてくれたんだ。」と憤慨したそうです。確かに、なまじ人工繁殖技術が確立されてしまうと、希少性も損なわれていくリスクもありましょう。

イタセンパラは本来、人知れず自然に繁殖していてくれれば良かったのだと思います。しかし、山奥ならいざ知らず、低地を流れる河川の氾濫原や後背湿地など、人が真っ先に土地利用してきました。コウノトリなら空へ羽ばたけますが、タナゴのような淡水魚は棲み場所を追われたらオシマイです。あとは社会を啓発し、住民の意識を変えていく活動しか手はないのだと思いました。

なお、最後のディスカッションでは、冬季に二枚貝を食害する齧歯目のヌートリア駆除をしている専門家から「産卵床となる二枚貝の保全を進める必要もあるのでは?」との意見が出されました。その通りだと思います。水生生物センターには淡水産二枚貝の専門家もいますが、二枚貝を増やすとか、さらに底質を改善するという議論も運動も具体化していません。※木曽川流域で成功例がある模様。

淀川の治水事業が進展した結果、水位変動がなくなり淀川の河川水がワンド内へ侵入しにくくなった弊害もあります。この点に対して上下水道のバックグランドがある私の目線では、上流側のワンドへソーラーパネルで駆動する揚水ポンプを設置することで、城北ワンド群の水塊を間欠的にフラッシュさせる(昼間のみ駆動)ことは現実的に可能だと考えています。

イタセンネットの活動は雰囲気も良いですし、対外的にも高く評価されています。しかし、そのような和気あいあいとした雰囲気に浸って満足することなく、弛まずに歩むことを木村さんは伝えたかったように私は受けとめました。考えさせられるところが多々あり、講演が始まると同時に何か重たい空気を受け取った気がして、ここに書き留めておきます(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・左:イタセンパラ再発見の記録(1969年;大阪府立市岡高校の部活動での高校生の功績)、同・中:イタセンパラ救出作戦(1971年;高校生を含む市民15名がダンプカーで埋められる池からイタセンパラ150尾を移植)、同・右:大阪工業大学の講演会会場の窓から見下ろす城北ワンド群

付記:今年度から城北ワンドの上流に当たる守口市の庭窪ワンドでも外来魚駆除活動がイタセンネットのオプションとして加わりました。「環境保全クラブ」としては城北より遠く、マンパワーにも乏しいことから庭窪ワンドまで手を広げる余裕はありません。しかし、木村英造氏の"遺言"に登場してくる"上流選択派"とは、庭窪ワンドでの保全活動を指している気がしています。はて、弱ったなぁ。

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