微小動物は世界中を飛び回る「コスモポリタン」(2016年12月15日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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微小動物は世界中を飛び回る「コスモポリタン」(2016年12月15日)

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微小動物は世界中を飛び回る「コスモポリタン」(2016年12月15日)

微小動物は世界中を飛び回る「コスモポリタン」(2016年12月15日)

ゾウリムシをはじめとする原生動物やワムシは、同一種が世界中に分布する。海を渡れない上、乾燥すると死んでしまうのが大半なので、不思議だと思える。唯一、考えられる「解」は、土埃と一緒に空高く舞い上がり、僅かな水分に守られながらエアロゾルという微粒子として大気循環に乗って移動し、適当な落下地点で死に至る寸前に、生き延びるのであろう。数さえ多ければ、数の論理で成立してしまう微小生物ならではのカラクリだ。

今回、スーパーサイエンスコース2年生の河脇凌くんが取り組んでいる Colpoda(コルポダ)は、球状の休眠シストを形成し、乾燥に耐えるのでなおさら、地上に隈なく分布している。風に乗って新天地を求めて、木の虚(うろ)とか、畜舎へも侵入していく。ゾウリムシを培養する藁の煮汁を放置しておいたところ、大量発生したのが最初の発見であった。

干し藁でなくても分離源になりそうなので、他の候補、例えば落葉、枯死したヨシの茎、河床の小石なども持ち帰って、タッパーに1.5% 寒天を重層した上に各々の試料を横たえ、放置して乾燥させる(drying)/霧吹きで水分を与える(rewettting)のサイクルを選択圧に何回か繰り返し、泳ぎ出してくる原生動物を観察することにした。

ここで採り上げた"drying and rewetting"のサイクリックな効果は、晴天続きでなく時折、雨天が入り込む現在の地球環境を反映している。果物から分離された天然酵母が乾燥に耐えたり、理科室で飼育していたカタツムリに湿り気をやる頻度を雨天時に合わせるなど、乾燥と湿潤を繰り返すことの妙味を我々は重々、意識してきた。それゆえ、干し藁からColpoda が常に見つかる理由も乾湿サイクルが Colpoda を選択し、シスト形成を促してきたものと解釈したのである。

果たして、その見込みは的中であった。が、干し藁に注目したのは結果的には大正解であったと言える。先行研究に従い(例えば、和唐ら、2003)、他の実験材料を用いていたら、Colpoda とはスムースに出会えなかったことが予想される。その意味では、教室での問題の解法練習と違ってリアルな研究活動では偶然の"運の良し悪し"が付き物なのである。そして幸運を呼び込む"閃きの鋭さ"は、早期から訓練を積み始めることで益々、強化されていくという特質がある。

加えて、科学の研究は英語を媒体に進めないと世界の流れに乗れないことに留意されたい。大阪校で実験中に見つけた"drying and rewetting"の概念は、カタツムリを飼育していて発想した概念だが、英語圏で288,000件がヒットするほど流通している。英語を文系の科目と捉えるのは不適切で、むしろ科学の論理性との相性が抜群である。(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・左:4つの素材(母材)を用いて、"drying and rewetting"サイクルを回し、シスト形成を誘導、同・中:分離ソースの違いによる優占してくる原生動物の相違(A:干し藁からColpoda、B:落葉から Drepanomonas、C:Oxytricha及びセンチュウも発生)、D:河床・礫からColpidium及びメロシラなど珪藻も発生、同・右:湿らすと休眠から覚醒め、活動を開始するカタツムリ

付記:筆者らは以前、東京都下水道局の微生物図鑑の原型を作成したことがある(1991年)。下水環境は糞尿の混入でアンモニアや塩分が高いため選択性がある。Colpodaに関しては、下水環境で余り遭遇しない。マッシー・ナナさんが、『微生物観察による下水処理の診断』サイトを開設されている。Colpoda(25ー35μm)とColpidium(50-85μm)の関係が細胞サイズの点で、私の観察結果と矛盾した。しかし、英語版 Wikipedia のColpidium の記載では16-30μmで、かつ下水の活性汚泥中に出現することから、上掲のような属レベルの同定を行い、干し藁由来をColpoda と記載した(活性汚泥をスライドガラス上で乾燥させ、水を加えると直ちに蘇って泳ぎ出すColpidium も発見した)。

微小動物は世界中に隈なく分布する "コスモポリタン" であるので、今後、サイエンス・コースとして海外の教育サイト(Microbus)へ画像や動画を投稿していきたい。なお、英語で科学を学ぶことを通じ、英語の語感を習得し、日本人でも英語媒体で新しい用語とか概念が提案できるまでに至らないと、日本人が世界の科学界へ参入することは難しくなる。英語を単語帳で「覚える英語学習」をしていたのでは世界に通用せず、「英語を使いながら習得していく」しか道はない。

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