アート&サイエンスコース
2017.09.21.Thu
教育デザイン室長の竹内です。大潮の本日、干潮時に合せて十三干潟の堆積物を層別に採取する試みに挑戦しました。前回、台風の影響で琵琶湖からの放流が重なり、干潮時にも拘わらず水位が下がりませんでした。冬に向かうと次第に干潮時刻が夜間にシフトしていくため、今回が今年度の最後のチャンスだと考え、強行しました。同行したのは、岩田祐樹くん、河脇凌くん、新保雅史くん(以上、3年生)に、カメラマンとして後藤大空くん(2年生)が加わりました。後藤くんは、文化祭のサイエンスコースのPV動画を撮影する目的もありました。
淀川の流況に関しては、河合典彦先生が詳しいので事前にご助言を戴きました。また、層別に採取する方法は前回、筑波の国立環境研究所の上島雅人博士に教わり、必要な機材を残して戴けたため挑戦しました。ここに、記して感謝いたします。採取した底泥試料は凍結処理して後日、同研究所へ送付し、供試されることになっていますが、この手法を教わったこと大阪校の技術の蓄積となりました(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。
今回のフィールドワークで学んだ教訓を、自分のヘドロ電池実験用の底泥を採取した岩田くんが、目的があってフィールドへ出たにも拘わらず、想定外の発見をする体験を、以下のように書き記してくれました。
❏ 岩田祐樹くん(3年) 堆積している泥のサンプリングを行ったところ、思わぬ発見がありました。岸側の一角に緑藻がびっしりと生えていたのです。以前サンプリングに来た際は泥の表面には何も生えていませんでしたので、季節による変化なのか、泥表面の栄養が豊富になっていることが伺えました。また、そこには石巻貝の稚貝がたくさんいましたので、過去のブログ記事にある海藻が海から川へ遡上してくることと繋がるのではないかとの議論を現地でできました。念のために採取容器を持参していたので、緑藻マットと稚貝という想定外のサンプルも持ち帰ることができました。まさに"備えあれば憂いなし"です。今回の出来事は、フィールドワークでは想定外の発見があること、複数のテーマを持っていることで引っ掛かりが増えることを改めて意識させてくれました。だからこそフィールドワークは重要であり、また非常に面白いものであるのです。
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画像・左:十三干潟での堆積物掘削中(左:新保くん、右:岩田くん)、同・中:緑藻マットと稚貝群集(イシマキガイのほか、ヤマトシジミの稚貝も)、同・右:堆積物の層別サンプリング
付記:イシマキガイは淡水・汽水を生息場所とする巻貝であるが、生活史の一部に沿岸海域でプランクトン幼生の時代を過ごす時期がある。そのため水槽内では繁殖できない。すなわち、幼生は河川を流下して沿岸まで下るが、河川を遡上してくるメカニズム(両側回遊)は不詳であった。稚貝となった後に上流方向へ流れに逆らって長距離を移動できる仕組みが不思議であると感じた。この問いに対し、前回、海域から運ばれてきた海藻の藻屑(異地性の媒体)に付着した稚貝が見つかったこと、次に緑藻マット(同地性の媒体)で生育している稚貝が見つかったことから、イシマキガイが遡上・定着していく仕組みの一端を垣間見て、ストーリーが繋がったような気がした。フィールドに出るや否な、前回と異なる光景に気づいた生徒の成長ぶりを喜びたい(竹内記)。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
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ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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