アート&サイエンスコース
2018.02.20.Tue
スーパーサイエンスコース担当の竹内です。実験や観察などオリジナル・データ(一次データ*)が取得できるサイエンス分野は、動かぬ証拠を得るので初心者でも研究発表の際、有利だと実感します。しかし、自然科学以外の分野でも、特定の課題に焦点を絞って探究活動していく学びは人文科学、社会科学を問わず全ての分野で遂行可能です。日本で2000年から段階的に導入が進められた「総合的な学習の時間」は小学校から高校まで(特別支援学校を含む)、学習者が自主的に教科の枠に囚われず体験を通じて学ぶことを趣旨に掲げ、文科省も学校の裁量権を高く設定していると言えます。
* タイの内務省・バンコク首都圏庁(BMA)へ私が技術移転していた頃、現地の国連の下部機関、ESCAPを訪ねたことがありましたが皆、オフィスワーカーでフィールドに出て観察したり、ラボで実験するスタイルではなく一次データを解析し、二次データを編集する提案業務が主体と言えます(データ区分の違い)。
サイエンスコースでの探究活動は原則、手足を使い、額に汗してデータを集める実地作業がベースとなりますので、私自身も海外の研究室や水処理施設を訪れて即、仲間に加わって仕事に参加できるとの実感がありましたし、それはホントに可能でした(おそらくスポーツや芸術など実技を伴う世界も同じだろうと思います)。しかし、実技を伴わなくても探究活動は実施可能であり、課題研究(Project-based Learning, PBL)は全科目、全分野が対象になり当然、成果発表の舞台(高校生国際シンポジウム)も対で必要となります。
先日(16日)、大阪にある教科書会社の啓林館の方が『課題研究メソッド-よりよい探究活動のために』の見本を献本して戴きました。全国にあるSSH校やSGH校の教育現場から「課題研究用の教科書が欲しい。」と要望され、生まれた図書だとお聞きしました。私は国際バカロレアの放った"Theory of Knowledge"が持つ完成度の高さに圧倒されながらも、"Theory of Research"の必要性を実感してきましたので、その空隙を埋めて貰った感がありました(それでも、私が求めるニーズが100%満たされたという訳でもありません)。
このような知的ニーズはコアとなる部分を除き、活動しながら更新されていく(学びながら学ぶ)べき性質で、人から教わるべき性質のものではないのだろうと思います(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。
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画像・左:教科書採択の審査用見本(表紙の一部)、同・中:苅谷剛彦オックスフォード大学教授のインタビュー記事、同・右:『課題研究通信』第1号(2017年12月刊;ダウンロード可)
付記:日本の教育改革(探究学習の導入、選抜方針の転換)に大きな影響を及ぼしたのは、京都市立堀川高校に探究科を導入した荒瀬克己・大谷大学教授と、合格者を点数順では選んでいない英国式大学入学者選抜を著書『イギリスの大学・ニッポンの大学』(中公新書、2012年)で明かした苅谷剛彦・オックスフォード大学教授の功績が大きいだろうと、個人的には高く評価しています(竹内記)。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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