サイエンスコース発「発見学習」の提案(2018年05月25日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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サイエンスコース発「発見学習」の提案(2018年05月25日)

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サイエンスコース発「発見学習」の提案(2018年05月25日)

サイエンスコース発「発見学習」の提案(2018年05月25日)

小さな発見(あるいは、気づき)が難しいコトだと感じていませんか? それは錯覚です。ホントは簡単で誰でも可能で、楽しい世界です。スイッチの入れ方(コツ)さえ体得できれば・・です。

スーパーサイエンスコース主幹の竹内です。「勘」とか「閃き」は、杜撰で頼りなく、儚い存在のように感じるかも知れません。それは学校での勉学を通じて、間違えた「固定観念」が染み着いてしまっているからです。心の縛りを自由に解放してやることで誰でも手に入れ、磨き込むことができます。

答えを覚えたり(答えの出し方を教わり)繰り返し練習したところで、それは銀行口座に自分の預金を預けただけの資金を振り出すだけの行為で、入金した分以上には引き出せ得ません。それでは単なるATMです。試験の場面で強い受験秀才にはなれても、肝心の研究や実務では実力を発揮しません。

ホントの学力と言うのは、違います。それは研究や実務の最前線に立ったことがある者ならば誰でもが心得ているはずの境地です。「預金」ではなく、「投資」の世界です。そこで頼りになるのは例外なく「勘」とか「閃き」の類が発端で、勉強の積み重ねの上に答えがあるのではありません。繰り返すべき訓練は、「発見」と自分の過去の「経験値」、それに先人たちの築いた足跡(文献調べ、ネット検索、ディスカッションなど)を繋ぐことです。授業や試験で発見力を鍛えることは無理です。向く方向が逆だからです。

昨日、理科室で展開した小さな、しかし魅惑的な発見のタネをご紹介しましょう。それは、淀川の河岸にあった海の藻屑に付着していた巻貝(カワザンショウガイ)を藻屑ごと拾ってきて、バットに浸しておいた水の変化です。先ず水が赤く着色してきました。恐らくは海藻(紅藻か褐藻)から滲み出してきた成分でしょう。一昨日、後藤大空くんが「何ですか? この赤い色は何だ?」と、気づきました。大空くんも写真撮影や企画活動を通じて、感性を磨くことで「気づく力」が高まってきている証拠なのだと思います*1

*1 芸術的なセンスを磨くことは、科学の実験観察にも寄与するのだと実感しました(サイエンス・スクールでビジュアルアートを必修とする例がある)。知識だけでは、逆に発見の妨げになることもあるからです。

そして昨日、新任の高橋泰尋先生が「何ですか、この油は?」と言い出しました。そう、水面に油膜みたく見える膜ができ始めていました。昔、広島大学で鉄バクテリアに遭遇*2した経験のある私は、それが油膜のように見えても、実は「金属光沢」であることを「経験」で知っていました*3

*2 広島大学(東広島市)キャンパス内にある「ぶどう池」の一角で観察できる。*3 鉄バクテリアの被膜は指で突くことで容易に崩壊するが、油膜の場合は元に戻ってしまう(電力技術研究所)。

この鉄バクテリアによる(通常は地下水由来の)溶存鉄(二価鉄)が好気的条件下での生物酸化で不溶性の酸化鉄(三価鉄)に変わる現象は流水中では池の底に沈積して行きます(地質学的には鉄鉱脈の成因)。流れのない止水中では、鉄バクテリアが好気性なので水面に細胞がイカダ状に一層に並ぶように生育します。細胞内外に金属鉄を沈着していくため光の反射で光沢が見えるのです。

以上は、鉄バクテリアの生育環境での一般論です。でも、土壌や底泥ならばともかく、果たして海の藻屑に鉄がそんなに含まれているでしょうか? そこで海藻中に含まれる金属の候補から考えてみました。赤い色から「コバルト」を連想しました。しかし、水溶液が紅生姜の色に染まるほど、微量成分のコバルトが溶出してくるとは思えません。あくまで強固な褐藻類の繊維に残った光合成色素複合体の成れの果てだと思われます。次に、海藻に多いとされるヨウ素(ヨード)を疑いました。ヨウ素は金属ではありませんが、常温で固体のハロゲン元素なので「半金属」ともされます。試薬としてのヨウ素は、鱗片状に方解する光沢を持つ結晶体(または顆粒状に成型)として供給されます。すると、鉄の代わりにヨウ素を酸化する現象及び微生物体が存在すると考えました。

今の時代、次にするべきことは、ネットで「ヨウ素✕酸化✕細菌」で検索することです。日本ではただ一人、先に歩んでいた研究者を見つけました。安心するやら、ちょっぴり惜しいやら、です。千葉大学園芸学部の天地誠吾教授が、既に「ヨウ素生物酸化」の新天地へと踏み込んでいました。千葉大学全体も、「千葉ヨウ素資源イノベーションセンター」と言う研究拠点を設けていました。千葉県には昔からガス田が分布し、跡地の余水中にはヨウ素が多く含まれているからのようです。

どうですか? 高校の理科室でも僅か1日で、ここまでの情報にアクセスできます。当サイエンスコースのブログを辿って戴ければ、これが偶然の出来事ではなく、誰でもが繰り返し「発見学習」が可能なことを確認して戴けるものと思います。さぁ、未知への扉を開きましょう。なかなか最初の一人になることは難しいですが、高校生が先人の直ぐ後に続くことは、こうして可能なのです。私は、高校生を未知の領域へ案内するガイド役です。サイエンスコースは、動植物の声を聞き、自然の謎を解き明かす魔法「ソロモンの指輪」を伝授する教室です(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:藻屑上のカワザンショウガイ(淀川・十三干潟で)、同・上段中:油膜状に見える水面(気液界面)に形成されたバイオフィルム、同・上段右:低潮位で河岸の露出したヨシ原の隙間に漂流してきた大阪湾から俎上してきた海藻由来の藻屑のパッチ状の分布(カワザンショウガイが河川を俎上する際の「乗り物」だと見ています)、同・下段左:水面のバイオフィルムをスライドグラスに吸着させ、なるべく自然のまま移植、同・下段右:バイオフィルム形成細菌(主たる栄養源が藻屑という「集積培養系」なので生育してくる細菌も限られ、夾雑物の間に分裂した細胞が均質に配列されている様子を対物10倍の位相差(明視野)で検鏡。

付記:カワザンショウガイは本来、巻貝からの二生吸虫の遊泳体(セルカリア)を探すために採取したものです。本来の目的外の、発見をするに至りました。自然界では水の流れがあるため、実験室と同じ現象は隠されてしまいます。実験室で自然の流れが技術的に再現できないのは痛手なのですが、その技術的なアーティファクトの恩恵で別な現象と言う、「目的外の発見」に至るのです。普通の授業や試験(実験実習で、特別な工夫を施さない限り)では、この力は養えません。ここにこれからの時代に求められる「探究心」に応えるサイエンスコースの強みがあります。一つ突破できれば、少々の荒波など楽しみながら挑戦していくことでしょう(竹内記)。

❏参考文献(総説及び解説)

1)天地誠吾(2016)ヨウ素酸化細菌ーその分離から応用までー、Microb. Resour. Syst. 32(2): 115-122.2)天地誠吾(2013)ヨウ素の地球化学と微生物、地球化学、47:209-219.3)天地誠吾(2013)微生物による無機ヨウ素化合物の酸化還元反応、化学と生物、51(5):286ー293.※どれも、ネット上からPDFファイルとして拾ってくることが可能です。

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