府大「放射線サマークラス」でのドラマ(2018年08月05日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

府大「放射線サマークラス」でのドラマ|通信制高校のルネサンス高等学校

メニュー
 

大阪

府大「放射線サマークラス」でのドラマ(2018年08月05日)

サイエンスコース

府大「放射線サマークラス」でのドラマ(2018年08月05日)

府大「放射線サマークラス」でのドラマ(2018年08月05日)

大阪校スーパーサイエンスコース主幹の竹内です。今年度、着任の高橋泰尋先生(他校にて SSH 事業担当者を歴任)と「第7回ハイスクール放射線サマークラス」の学校対抗プレゼンテーション大会に選抜8校の中の1校として初参加してきました。新年度が始まって半年に満たないこの時期に、研究発表の活動に参加するのは、主力だった3年生のベテランが抜けた状態では厳しい状況でした。当方は、あくまで今後の活動を見据えた新人に経験を積んで貰う狙いで「ミニプロジェクト」として参加しました(サイエンスコースが提出した要旨PDF)。

本校と関西学院千里国際高等部が初出場でした。千里国際は期待通り、最優秀賞を獲得されました。ある意味、異色ずくめの参加で、小学校から中学校を経て、高校2年の現在に至る放射線との関わりがバックグラウンドにあるプレゼンでした。しかも、他校のスタイルとは一線を画す(発表原稿を一切、見ないまま進める)トーク術は、聴衆を魅了するに十分なコンテンツの充実度と相まって別格さを備えていました。堂々たる受賞です。

その背景をひときわ引き出す効果を発揮したのは、「使った線量計は、どうやって手に入れたのですか?」が、当校の1年生・丹治遥さんの投げかけてくれた質問でした。この質問が引き金となって、千里国際の高2生の研究発表としては普通ならば表に「見えない経緯」が浮き彫りにされたのです。

発表者の弁は開口一番、「この線量計は私と同じ年齢なのです*1。」でした。 私も、一瞬「はぁ?」と理解の域を越えました。果たしてハルトくん(遥さん)は、発表者にとって大変な「ツボ」を押したのです。双方向のコミュニケーションが当然である英語圏には、"Thank you for asking ! "という表現があります。日本語では「よくぞ聞いてくれました!」と、相手から「論点を引き出す結果になった良い質問」を指します。

*1 これは、英語圏の発想です。米国では、子供の誕生と共に流行っている自動車の2台(1台は贅沢にも補修用部品取り)を誕生記念に購入すると聞いたことがあります。自動車に限りませんので、よく似た発想のルーツを感じました。

つまり発表者の彼女が生まれると同時に、母親が関西では自然放射線量が高めであることを案じて線量計を購入していたのです(この逸話は発表の表舞台に登場していませんでしたから、引き出したのは質問者であるハルトくんの功績です)。そして、彼女が小学校3年次に福島の原発事故が発生しました。そして、事ある度に(例えば、豪州渡航時の飛行機の客室内やエアーズロックの上でも)放射線量を測定する経験を積み重ねてきた模様です。「放射線の申し子」と言えるかも知れません。

が、そもそもの発端をプレゼンの後に引き出したのは、ハルトくん(遥さん)の功績だったと言えます。本来、研究発表や会議、授業も、双方向のコミュニケーションが引き出す人と人との「合作」なのですが、そのような認識は「一方通行が当たり前」で来た日本社会では、ほとんど注目されてて来ていません。続く「今のような(ハルトくんの)素朴な質問で構いません。他に何かありませんか?」と言う審査員席からの「素朴な・・」で受け留めてしまう認識の浅さは、日本の学校教育界では「対話」を通じて進む学びの価値認識が、大学教授陣をもってしても旧態依然たる域を脱せず、まだ未開拓であることを示唆しています*2

*2 「日本製品は優秀だが、日本人のビジネスは問題ある。」と異口同音に指摘されるのも、日本では問答無用を強いる場が多く、学校時代からの訓練の機会が皆無に等しいからなのだろうと思います。日本人のコミュニケーション力はとても未熟で、管理主体の「決められたコトをしていれば良い、余計なコトするな」型の思考停止を招く時代が長く(今でも)続きました。そのツケはあまりにも甚大であり、サイエンスコースでコーチング(校内)やワークショップ(校外)を導入しているのは、その欠落部分を補填し、補修(例外なく傷ついてきた生徒ばかりなので)したいがためである。

サッカーの試合で言えば、ハルトくんは会場で絶妙なバスを千里国際の生徒に差し出し、それが決勝ゴールに結びついたと私自身では、あの「場の解釈」を、そうしています。では、彼女の質問は、なぜ生まれたのでしょうか? それは当校には線量計が一切なく(私が個人で購入していたエステーの製品を除く)、私が線量計の調達に苦労していたことを彼女は私を観察して知っていたのだと思います(また、そこに心を配る細やかさを持ちます)。また、彼女の質問力は、サイエンスコースで進めてきたインタビュー動画制作の意図を理解してくれた上に築かれてきた成果だと私は見ています。

日本の学校教育は長い間、一方通行型の授業を進め、答えが決まっている隠れんぼのごとき試験を行い、成績評価を下し、卒業認定を進めてきました。その不合理に気づかない限り、日本は世界の中から大きく取り残され*3先進国から脱落するのは必至だと思われます。まだまだ教育改革への道も、半ばだと言わざるを得ません(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*3 昨年度の卒業生の岩田祐樹くん(大1)が今、進学先の大学から期待を背負って特待生として先ず、英国での語学留学に旅立ちました。その後、米国での1年間の長期留学が待っています。私自身、片道切符で英国へ渡った者ですから、普通の日本人が見ていない異文化に浸ってきました。その日本と海外とのギャップを私は生徒たちに余すところなく伝えてきたつもりです。それを自分の目で確認して貰えれば、より確かな教訓になっていくのだろうと思いました。

----------

画像・左:サマークラス2018参加者の集合写真(左から右へ上段:料治輝くん、辻中潤くん;下段:今村奏音さん、丹治遥さん;本校の生徒のみ拡大してあります)、同・中:最優秀賞受賞作品の資料(一部を抜粋)、同・右:会場となった大阪化学技術センター(西区靭本町)の立て看板.

付記:当日は、特別講演として京都大学複合原子力科学研究所・宇根崎博信教授の「昆虫少年が歩んだ原子力科学者への道」と題し、高校生のマインドを触発してくれる多岐に話題に触れた講演がありました。学校対抗「プレゼン大会」が中核でしたが、プレゼン大会なのか研究発表なのか、イベントが曖昧な位置づけだとの印象を受けました。そこで、千里国際のような小学校時代からの時間軸方向を踏み出したプレゼンや当校(ルネ大阪)のような研究課題をはみ出し、生徒個々人の研究課題を知識や異分野同士を「関連づける」ことを意図したプレゼン(将来的には、増えると見込まれる形式)と、従来の学会発表の伝統的スタイルを踏襲したプレゼンとの間にギャップが生じたと言えます。

純然たる学会発表の形式であれば、日本化学会陸水学会近畿支部など我々の参加できる舞台は数多あります。さらに、投稿できる雑誌媒体もあります。インタビュー動画など異色なメディアも構築中です。学校間の交流を通じ、生徒が知り合う目的のプレゼン大会であれば、もっと独自のプラットフォームを構築していく道もあるだろうと思います。講評を聞く限り、高等教育の前提となるべき高校課程に求めている学びの質が、明確な視点が今もどっちつかずの状態で、まだ未来社会へ向けた教育*3への覚悟を決め切れてない印象が拭えませんでした(竹内記)。

*3 理工系では、ISSJ(International School of Japan Founding Project)が、グローバルスケールで英語媒体で科学を学ぶ中期高等教育課程までをカバーしようと準備が進行中。大学院大学では、既に沖縄にOISTと呼ばれる大学院大学が発足している。大学はその狭間にある。理系の研究者のを中心に考えると、"University"と呼ばれる組織は単に「大きな学校」の意味するのではなく本来、世界中を人が駆け巡って(ミネルバ大学の例;かつて私自身もタイ、英国と駆け巡った)流動的に人が動き、人と繋がって行くことで社会を円滑化すべき立ち位置にあるユニヴァーサルな組織だったのだと感じます。

サイエンスコース

最新の記事

月別でブログを見る

通信制高校のルネサンス高校グループ > 学校 / 連携キャンパス等 > ルネサンス大阪高等学校 > ルネサンス大阪高等学校ブログ > 教員 > サイエンスコース > 府大「放射線サマークラス」でのドラマ

最新お知らせ・ブログ4件

新宿代々木キャンパス

インフォメーション

ルネサンス豊田高等学校

ルネサンス豊田高等学校

 

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」
「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制から大学や専門学校の受験って大丈夫?」

資料請求はこちら
ネット出願はこちら
プライバシーマーク

ルネサンス高等学校グループは通信制高等学校です。
全国に3校(茨城・豊田・大阪)、キャンパスは7拠点(札幌・仙台・東京・新宿代々木、神奈川・横浜・豊田駅前・広島・福岡)展開しており、全国各地から生徒を受け入れております。

Copyright © ルネサンス・アカデミー株式会社All Rights Reserved.

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制高校から大学や専門学校の受験って本当に大丈夫?」

資料請求
いますぐ出願したい方はコチラ
パソコン・スマートフォン・タブレットから簡単出願!!
検定料は、クレジットカード・コンビニ決済で!! 24時間受付中
ネット出願

通信制高校への入学・編入転校をお考えの皆様へ

ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城豊田大阪)、7拠点(札幌仙台東京・新宿代々木神奈川・横浜愛知豊田名古屋広島福岡)に連携キャンパス又は受付相談センターを置く広域通信制高校です。 どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。 一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。 ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、今年で12年。卒業生も1万人を超えております。