フィールドで自然の声を聞く(1)|通信制高校のルネサンス高等学校

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フィールドで自然の声を聞く(1)(2018年08月10日)

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フィールドで自然の声を聞く(1)(2018年08月10日)

フィールドで自然の声を聞く(1)(2018年08月10日)

スーパーサイエンスコース主担当の竹内です。今日は、副担当の高橋泰尋先生が阪大で開催された「高校生のための『遺伝子改変技術』を知る・見る・考える」セミナーへサイエンスコースの生徒を大方、引率されたので、大潮が始まる今日の昼頃、私は淀川の十三干潟へ単身、向かいました。

サイエンスコースの学びは一般の学校教育課程と異なり、正解のない問いを自ら立て、そしてその正解を目指して自ら漸近していく活動です。そこで「ああかな? こうかな?」と思考錯誤を続けながら、全く見えなかった相手が、ボンヤリと輪郭が見え出し、「そうか、そういうことなのか!」と答えを絞り込んでいく学びです。これは、コツさえ掴み取れば、どんな対象にも適用できる言わば"ジョーカー"です。

私はこれからの時代を担う高校生たちに学んで欲しいのはネットで検索できる知識体系ではなく、この自ら問いを立て(問題提起)自ら問いを見い出す(問題解決)能力の獲得です*1

*1 私が中学生時代(アポロ11号が月面着陸した頃)、科学教育センター活動が活発で、公立中学校でも生徒がオリジナルな自由研究を行い、研究発表をする場(区や都の公共施設で)が設けられていた。

オリジナルな研究活動を進めるには、「教科書も講義もなく、どうやって?」と訝しく感じる方が多いでしょうが、実は簡単です。現地へ行ってじっと観察し、ソロモンの指輪のパワーを使って「自然の声」を聞くのです。そして自分で気づいて、「そうか!」を答えを見つけるのです。もとより答え一つではないので、次に同じ場所へ行った時は覆されたり、訂正されたりも普通に起こります。知識や経験とは、かくして逐次、更新されていく性質のものだという正しい捉え方も身につきます。

今回、カワザンショウガイを採集に行きました。通常、河岸に漂着している海藻の藻屑に付着しているか、またはゴロタ石の表面に付着しているものです(過去のブログに書きました)。でも、正直、焦りました。藻屑は全く見当たらなく、石の表面に巻貝が見つからないんですもの。あるサイトの河岸のヨシ帯の根元に群生している場合があるという記載を思い出し、ヨシ帯の方を目指しました。

今回はヨシ帯に近い干潟の表面を、巻貝が這い回っているのに気づきました。干潟表面には小さなカニの巣穴がたくさん分布していました。小さな稚ガニが巣穴に逃げ込む姿を目撃しました。ここで「ハタ」と気づいたのは、巻貝を第一中間宿主とする寄生虫にとって魚に寄生するよりも、個体数の多いカニを第二中間宿主として寄生した方が、カニが水鳥に捕食されることで宿主間の移動がスムースかつ確実に完結する可能性です*2

*2 水鳥がカニを捕食することは先日、南港野鳥園での干潟観察会でも説明を受けていたので、それもヒントとなりました。一つひとつの僅かな経験知の積み重ねが、疎かにできないと解る。加えて、河川の中流域から河口に生息するカニの仲間に関する生態学的な知識も必要である。

そこから寄生虫セルカリアの誘い出しに従来の魚肉を用いる策から、カニの代用として小エビの殻付き生体を用いる実験を着想しました。このアイディアは現場へ行って観察したからこそ、着想できたのです(良い結果が出る保証はありませんが、ここではあくまで着想の仕方としてご紹介します)。

こうやって絵を描くように、ラフな下絵を描いておき、証拠や事例を集め、段々と最終的な結論へと到達するように推論を観察や実験を通して確定していくのです。その間、全工程は当事者である学びの主体者が握り*3、発表も当事者の権利であり責任です(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*3 授業で学び、試験で得点して、単位を取得する既存の学校教育カリキュラムとは大きく異なり、実際に高等教育へ進み、実社会へ出た後では、どちらの学び方の方が有効かは最早、言うまでもありません。加えて、通信制高校へ来る生徒は皆、既存の学校教育に対して不適合症状を起こした生徒が主なのだから、なおさら新しいアプローチを考案し、それを提供することが妥当なサービスです。私自身は試験問題を解く(?)よりも、自然界の謎解きをしていく方が楽しく、かつ将来、間違いなく仕事を進めていく上で役立つことは間違いありません。これは、実務経験者として保証いたします。

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画像・上段左:最大干潮時の十三干潟(クリーク部分までほぼ干上がる;上流方向を臨む)、同・上段中:稚カニの巣穴と巻貝(カワザンショウガイ)、同・上段右:フィールドワークをしている別のグループと遭遇(中央奥で説明しているのは、河合典彦先生)、同・下段左:ヨシ帯に無数に分布する稚カニの巣穴、同・下段右:採集したカワザンショウガイの群れ(容器内の様子)

付記:これまでの知見では、私はカワザンショウガイは汽水域の干潟のゴロタ石(転石)か、漂着物の藻屑に着目するように推奨するところでした。ところが、今回は過去の経験則が覆されてしまったのです。藻屑は全く見当たらりませんでした。豪雨で流されてしまったのか、その後の高気温で微生物分解されてしまったのか、はたまた藻屑を摂食する小動物が一気に増えたのか? 謎のままです。

今日は、実験材料のカワザンショウガイが採集できないのでは・・とまで焦りました。プランクトン幼生を終えて底生生活へ入った稚ガニがヨシ帯に巣穴を作り出した結果、巻貝も稚ガニの生活圏へ移動してきたようにも思えました。それで、第二中間宿主としては個体数も多く、接触する機会の多い甲殻類が当てはまる可能性が魚類よりも確かではないかと現場で観察していて浮上してきたのです。

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