理科室が「学びの共同体」と化した一日(2018年09月15日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

理科室が「学びの共同体」と化した一日|通信制高校のルネサンス高等学校

メニュー
 

大阪

理科室が「学びの共同体」と化した一日(2018年09月15日)

アート&サイエンスコース

理科室が「学びの共同体」と化した一日(2018年09月15日)

理科室が「学びの共同体」と化した一日(2018年09月15日)

スーパーサイエンスコース主幹の竹内です。高専教員から事実上、実験校の高校教員(教育デザインを担当)に転向して嬉しかったのは、問題を抱えた生徒が変っていく姿を間近に観察できることです。一方、辛いことは折角、育ってくれた生徒が直ぐに卒業してしまうことです。高専や大学だったなら手元に置いてアシスタントが務まる*1レベルの生徒が巣立っていってしまう訳ですから寂しいのですけれども、卒業生を受け取った側からはきっと喜ばれていることだろうと信じています(例外を除き、先方からのフィードバックはありません)。

*1 在学年限は、高校が3年間、高専が5~7年間(専攻科)、大学が4~9年間(大学院)である。しかも、高校は義務教育の延長で、「皆が行くから自分も行く」式のモラトリアム的感覚で、とかく軽視されがちです。

高校時代は、人の人生で最も成長する期間だと思います。それだけに一人ひとりの個性が分化していく年代に、かつ流動的な社会の中で、的確に生徒の可能性を見い出し、生徒を導いてあげる作業は、画一的に均質化させる受験指導の比ではない、抜本的な取り組みをしない限り改革できないであろう難しさを秘めていると思います。当サイエンスコースでは、培ってきたノウハウを一般化できるよう「振り返り」作業を進めて行きます。

ところで今回の文化祭『ルネフェス』ですが、これまで「お楽しみの場」に見えていた学校行事の枠を越えて当方の生徒たちに、予想を越えて大きな成長の舞台となった手応えを感じました。私自身は、何と数日前から痛風の発作で絶不調、主役であり得た3年生の不参加(動画編集した作品として参加)、主力の生徒が終日、全体のお手伝い要員で駆り出される・・普通に考えたら不利な条件ばかりのように見えました。が、蓋を開けてみると、かつてないほどの手応え感がありました。卒業生の助っ人(大学1年・信宮純さん)、ハルトくん(高1・丹治遥さん)の仲間への呼びかけ(たぶんきっと)、サイエンスコースの元在籍者(高2・宮森芳弥くん)や、卒業生が弟さんを連れての来校(大学1年・新保雅史くん)など、賑やかで和やかな雰囲気に包まれました。

コミュニケーションが苦手だった生徒諸君ですが、通常の教室での規格化された学びから外れた体験(非日常的体験)を積み上げてきたことで、生徒たちの強固だった自らを守る殻が破られてきたのかも知れません。規格外の活動を定型化された教育活動の代替に続けてきたことが、徐々に奏効してきたのかも知れません。私自身も以前、とっておきのタイでの体験談を授業に用意したことがあったのです(2014年)。が、講義形式で始めて直ぐ、生徒たちの「うんざり」したリアクションを見て、その場で「授業はこの先、100年間は凍結する」と心に堅く誓いました*2。だから、"それ以外の道"を宛もなく必死になって探し回ってきたのです。

*2 これは「授業は二度としない」の決意表明であり、授業で「人は育たない」と私は肌で実感したからです。学習者の理解を促すべきとするCELTAの英語教授法に英国で触れた日本人の衝撃の記録が、日本の学校教育に見られる教員が一方的に授業の主導権を握ってしまう授業手法の後進性(=野蛮性でもある)を伝えてます。

高校生にインタビューをさせて、動画作品に仕立てよう・・と言った発想も、そんな代替策の一つでした。まる2年(2016年度と2017年度)続けてみて今回、一定の成果を収めました。これからは、サイエンスコースの運営方針の要諦(コツ)を掴みかけてきたであろう生徒たちからもアイディアや要望を募って実施しようと思います。授業や試験で回す教育は、学校教育単体としても卒業生を受け取る社会の側からしても制度疲労を起こしているのだと感じます。前任校の工業高専は、実験実習が多い卓越した学校と言うことで評判でした。しかし、単純に決まった実験を行うだけでは、大した教育効果は生まれません。時間や材料を浪費して終わるだけのコトです。元高専の教授の立場にいた人間が言うのですから間違いありません。その苦境の中で探してきた突破口をベースにルネ大阪でのサイエンスコースを、満を持して企画運営してきました。内実は、大半が「出たとこ勝負」です。いい加減な印象を与えるかも知れませんが、時代は今、予定調和を壊すインプロ(アドリブ)の価値を認めています。生徒の成長を引き出す原理も、ここにあります。前進の秘訣が意外にも、整然と整備された完全無欠のプログラムではなかったのです(整然と整備された部屋、静寂さに包まれた教室の光景、外見の見栄えの良さと、実質の成果を生み出す効果とは、全く無関係だったのです*3)。

*3 傷ついた生徒を立ち直らせる場は、その成長がいつ、どう起こるか予測できない点でさながら「夜戦病院」でした。その生徒らを立ち直らせる教室には一時的にでも隔離した行為が必要で、瓢箪相容れないギャップを実感しています。生徒が変わるキッカケは、スター級ではなく同じに見えた仲間が変っていく姿を目の当たりにして始まるからです。この特異的な心理誘導が、その他大勢の大教室の中に塗れたまま起こる道理がありません。だから「不登校」という回避行動が発動します。スーパーサイエンスコースの実態は受け皿であり、難しい科学実験を行う教室に見せ、"学校難民"を隔離した"特別支援なんでもござれ"教室だから立ち直るのが当然でした。

「人が育つ」教育の要諦は、未完成なままプログラムを敢えて走らせる勇気でした。考えれば当たり前のこと。教員自らが、一か八かのチャレンジに挑むから生徒が勇気を貰うのです。成功ばかりしていたら、生徒は怖気づくに決まっています。昨日の予告編で言及した「シリーパティ」で巻貝の「キモカワ」モデルを作ろうとした私の試みは見事、大失敗に終わりました。精一杯、過剰な水分を脱する策を施して一時的には粘土細工ができました。が、翌朝には自重で見るも無残にぺったんこに成り果てていました。所詮、スライムは脱水してもスライムです(開発された試作品の名称の意味が「おバカなパテちゃん」なのは意味深です。きっと私の前にも、改良を試みた先人がいた感じがします)。

教員がこんなザマなのだからね。生徒諸君も皆、どうか安心して新しい可能性に対して、積極果敢に挑戦して貰いたい(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

----------

画像・上段左:理科室で集合記念写真(奏音さんからの提案と信さんの号令で皆、集まり竹内が撮影しました*4)、同・上段中:絵本翻訳コンクール応募作品例(1年・丹治遥さん;ただし、審査対象外の箇所から見本を展示)、同・上段右:写真サークル作品集(3年・後藤大空くんの作品を筆頭に・・)、同・下段左:賑やかな来校者3名がスライムづくりに夢中(用意していた資材が活きました)、同・下段右:お絵かきに夢中(左:1年・杉江なつみさん、右:2年・宮森芳弥くん)

*4 従来型の学校教育では、全て教員が主導して集団をまとめ上げることが基本コンセプトでした。が、理科室では、米国のHigh Tech Highスクール(映画『Most Likely to Succeed』の中)で見せたようなシーン、生徒同士がバランスよくスクランブルしつつ成長していく場が形成され、教員が脇役に徹していた姿勢と被ります。

付記:記事のタイトルに用いた「学びの共同体」は、佐藤学先生、秋田喜代美先生らが主催する『学びの共同体研究会』で使われている用語だと言うことは承知しています。対象年齢や教育方策が異なっても、実現している教育効果には共通点があると思えるので、ここで使わせて戴きました。このことは、教育効果を改善していくためには複数のアプローチが存在し、まだ誰も見つけていない方策があろう可能性が偲ばれます。例えば、海外留学に手腕を奮ってきた廣田和子女史*5NIC が通信制高校と連携して実現した海外留学に特化した高校など、私自身も半ば海外に滞在したことで得てきた影響が大なので、生徒に及ぼす爆発的な効能は十分、理解できます(竹内記)。

*5 女史の著書『香里_18歳の天使』(1996年、思草社刊)は、私の前任校で国際交流室長を兼務していた当時、世には特別なミッションを持つ選ばれし人がいて、人はそのような見えない糸で結ばれていることを知りました。その後、竹内まりやの『天使のため息』の歌詞が、似た経験がある私の心にも深く刺さったものです。

アート&サイエンスコース

最新の記事

月別でブログを見る

通信制高校のルネサンス高校グループ > 学校 / 連携キャンパス等 > ルネサンス大阪高等学校 > ルネサンス大阪高等学校ブログ > 教員 > アート&サイエンスコース > 理科室が「学びの共同体」と化した一日

最新お知らせ・ブログ4件

インフォメーション

ルネサンス豊田高等学校

アート&サイエンスコース

アート&サイエンスコース

 

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」
「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制から大学や専門学校の受験って大丈夫?」

資料請求はこちら
ネット出願はこちら
プライバシーマーク

ルネサンス高等学校グループは通信制高等学校です。
全国に3校(茨城・豊田・大阪)、キャンパスは7拠点(札幌・仙台・東京・新宿代々木・豊田駅前・広島・福岡)展開しており、全国各地から生徒を受け入れております。

Copyright © ルネサンス・アカデミー株式会社All Rights Reserved.

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制高校から大学や専門学校の受験って本当に大丈夫?」

資料請求
いますぐ出願したい方はコチラ
パソコン・スマートフォン・タブレットから簡単出願!!
検定料は、クレジットカード・コンビニ決済で!! 24時間受付中
ネット出願

通信制高校への入学・編入転校をお考えの皆様へ

ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城豊田大阪)、7拠点(札幌仙台東京・新宿代々木愛知豊田名古屋広島福岡)に連携キャンパス又は受付相談センターを置く広域通信制高校です。 どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。 一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。 ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、今年で13年。卒業生も12,000名以上です。