教員向け学術講演会で「学びは一生」と知る(2019年01月19日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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教員向け学術講演会で「学びは一生」と知る(2019年01月19日)

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教員向け学術講演会で「学びは一生」と知る(2019年01月19日)

教員向け学術講演会で「学びは一生」と知る(2019年01月19日)

昨日の午後、大阪校理科室にて高校生物教員向け学術講演会(梶本基金「せんだんの会」による助成*1)がありました。演題は中本信忠・信州大学名誉教授による『生物屋の発想:水質浄化は微小生物群集の食物連鎖がカギだった』です。水道事業関係者に対して話す機会は多くても、ホームグランドである生物教員向けの場は意外と少なかったそうです。18名の事前申し込みがあったほか、当日参加の方もありました。中本先生の奥様並びにご友人の三田村緒佐武先生(滋賀県立大学名誉教授)もご一緒でした(以前、大阪でご講演戴きました)。

*1 同基金の趣旨は、「未来を担う子どもたちが生き生きと学ぶ環境が生まれることを願って・・」なので、学校で開催する以上、中学校がほぼ3年間、不登校だった私の担当生徒を立ち直らせるために同席させて戴きました。下記の感想文から彼女の成長ぶりを見て下さい。まだ私は助けていますが、1人で成長して貰うのがゴールです。以前、信州大・森山徹先生のご講演でも昆虫好きの生徒(大学で昆虫学専攻)を同伴させて戴きました。

中本先生は若い頃、病弱だったことから進学校ではなく通学に負担の掛からない近所の高校へ進学し、そのため理科の自由研究を堪能できたとの逸話を以前、大阪校の開校記念に開催した講演会で初めて聞かされました。もともと学者のご家系だと聞いていますが、どうやら中本先生の持つ、天性の柔軟な発想力*2の源は受験勉強の弊害を受けてないことによるのかも知れません(筆者の推測です)。

*2 中本先生の発想法は、1970年代に流行したエドワード・デ・ボノ水平思考(Lateral Thinking)なのかも知れません。最近、垂直思考(Logical Thinking)の障壁を崩す突破口として見直されてきた感があります。

今回、私は中本学説を熟知したつもりでいましたが、さらに熟成していたとの感を強くしました。その一つが、中本先生が「どんな砂でも素材でも構わない」の説明を通して理解に至ったのは、なぜ中本先生が生物浄化法の英語表記を "Ecological Purification System"*3 と決めたのか・・に対する私の疑問が氷解したことです。私が馴染んできた活性汚泥法は "Activated Sludge Process" と呼ぶことと対象的で、あくまで人工的に作り出した処理技術なのでなく、もともと自然界にあった「山の清水が湧き出す」自然の仕組みを使った、あくまで自然の生態系(ecosystem)に包含される機序だったのです。

*3 systemでもprocessでも、他にもあり得るsystemやprocessと並んで存在する対象物なので、区別するために定冠詞の"the"を付けて表記し、the systemと略記できると納得できるのが英語を運用していく際に必要となる語感です。一方、高い有機物濃度の廃水を酸化分解するには、電気エネルギーを投じてエアレーションを施すのが不可避なことです(熱帯圏で使われている安定化池では、藻類の光合成によって発生する、時に過飽和状態に至る溶存酸素による接触酸化のプロセスなので例外と言えます)。

かくして中本先生の水道技術としての緩速ろ過法を生物学の視点で見直すを道を歩み始め、気づいたら第一人者となり、そして今なお、歩み進まれていることを私は実感しました。学校で使う教科書の中に書かれ、定期試験で問われる世界は、便宜的に「完結した世界」であるかのように錯覚させられますが、現実の世界は常に「書き替え」が進められていく流動的な世界である*4ことに、大いに留意すべきだと私は考えます。

*4 「高校で扱える範囲はココまでが限界だが、大学や社会へ出たら、この先に別世界が開けるのだ!」と言う希望の光をチラ見させる、そんな一言を私は高校の先生方に求めたいと期待しています。なぜなら日本の若者の多くが、「枠」に閉じ籠もって意気消沈し、諦めてしまっている雰囲気が漂うからです。

人によって歩む道は皆、違うが、人それぞれに一生涯にわたり、その時代を生きる旅人であることを知って、そして人が生きていく隊列のに加わって欲しいと、学校(特に、試験による評価)で荒んだ生徒たちに再び「血の通った」魂を取り戻してくれることを心の奥底から願っています(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

昨日、教員向け講演会でしたが唯一、高校生として参加してくれた1年生に感想文を寄せて貰いました:

❏ 今村奏音さんの感想文 昨日、中本先生の講演会を聴講しました。私はこの講演会を一人の人間の人生をかけたドラマであると捉えます。「1つの事に一生かけたらプロになれる。」それを実際に実行しプロの研究者となり、77歳になった今でも続けている人が言うのだから、まるで説得力が違いました。それを本やテレビではなく生で聞いて、私は本当にこんな人が存在するんだと驚きです。そして次の瞬間には尊敬と感動で心がいっぱいになりました。1つのことに人生をかけた人の凄さや魅力に直に触れ、また新たに思考の幅が広がりました。この講演会は私に良い経験をもたらしてくれました。ありがとうございます(ほぼ原文のまま掲載)。

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画像・上段左:講演会のオープニング(左は、研究会で事務局を担当する大阪教育大学附属高校池田校舎の岡本元達先生)、同・上段中:講演会で講師を務める中本信忠先生(信州大学名誉教授)、同・上段右:手前は位相差顕微鏡とCCDカメラ一式(レイマー製)、同・下段左:当日の撮影班(動画は高橋泰尋先生、静止画は今村奏音さんが担当)、同・下段右:ディスプレイ画面に表示された上田市付近の千曲川の流れと右は奥様(検鏡用のサンプルを上田市の染屋浄水場と千曲川からお持ち戴いたが、あいにくとメロシラは優占していなかった。)

付記:聴講した奏音さんは当初、「講演内容をほとんど理解できませんでした。」というリアクションを示しました。しかし、自分が研究発表した経験を思い出し、実際に行動した内容を他者に伝えることの難しさを自覚すると同時に、大切なのは詳細な内容ではなく、中本先生が「どういう想いで研究をしてきたのか」という本丸の方へ考えが及んでくれた様子です。生徒たちは「試験」で評価されるスタイルに学びが固定化されたため、理解できないと直ぐ諦める心癖が根強く植え付けられてしまっているのが現状です。これは知識を確認する「客観試験」を中心とした現行の学校教育の大きな弊害と言えましょう*5。それによって、個人の意見や感想すら持つことすら封じされてきたと言うのが現実です。自分の意見を自由に表明できる世代を育てなくて、果たしてそれが教育だと胸を張って言えるのでしょうか? 私には無理なコトです。デキない相談です(竹内記)。

*5 ワグナー教授は2014年、"The Global Achievement Gap"(邦訳『未来の学校_テスト教育は限界か』、2017年)を著しました。本書では、High Tech High(ハイ・テック・ハイ)など、テストによる評価に依存しない学校教育の挑戦が採り上げられています。彼(Tony Wagner)の出演している講演やインタビュー動画など、YouTube上で多数、公開されています(例:TED Talk7 survival skillsCuriosityMost Likely to SucceedSTEM educationIntergrating learningetc)。奴隷のような受け身の教育から脱し、学び手の自由な発露によって進行する学びが実現するようにしたいものです。今、学校教育が変わるべき渦中にいます。

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