動物行動観察を通じて鍛える「洞察する力」(2019年06月04日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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動物行動観察を通じて鍛える「洞察する力」(2019年06月04日)

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動物行動観察を通じて鍛える「洞察する力」(2019年06月04日)

動物行動観察を通じて鍛える「洞察する力」(2019年06月04日)

教科書に書かれている内容を「暗記」して試験で「正解」すること*1は、「学び」に見えて実際には本当の学びだとは言えないではないでしょうか。逆に、アサガオの観察カメの飼育は日本の小学校の定番メニューであり、粘土細工や折り紙とあいまって、日本の初等教育の世界で優位性を保ってきました。わが国の学校は、初等教育に限定したら世界で高い水準にあり、日本社会を下支えしてきたのだろうなと思います*2

*1 正解を頭の中に書き込むか、紙片に書き込むかの違いでしかない。前者なら「覚えた」となり、後者なら「カンニング」とされる。学校教育では、単純な「一時記憶」を定期試験の評価対象にしてきた。*2 他方、日本の高等教育機関の国際競争力は、アジアだけ見ても下落傾向にあることが報じられてきました。学校での学びが上級学校や実務領域で余り活かされず、学校名が"選別手段"に留まってきた感が否めません。

中学に入ってある日、こつ然と中間試験という評価が、その意義の説明もなしに問答無用で始まったのを、私は覚えています。運良く私は試験制度との相性は悪くなく、好きではないものの辛酸を舐めることはなかったが、高得点を得ても嬉しくはありませんでした。親も私の成績に無関心でしたし、私自身も「子供だまし」のような試験の点数より、光輝ける「才能」の方に強い憧憬を抱いてきました(現在も、です)。

昨日、理科室で始めた動物行動学の観察の効果が生まれました。肝心の生徒たちは必ずしも、自分たちの取り組んだ活動の意義を正当に評価できてないかも知れませんが、私にはホンモノの知的活動が、ようやく始まったと感じます。先ずコオロギ(餌用に維持しているイエコオロギ)を一匹、メキシコ・サラマンダー(厳密には、ウーパールーパの陸化個体)の飼育容器内に投入して皆(奥村くん、奏音ちゃん、輝くん、三谷さんの4名)でテラリウムの水槽に齧りつくように見入ってました。

何しろ、この名無しのイモリの動きが緩慢なこと。コオロギの方が動きが素早いほどです。しかし、密閉空間だからコオロギも逃げ場がありません。コオロギは竦んでしまっているようにも見えますが、相手に動きが察知されないように耐えているようにも見えます。固唾を呑んで彼らの動きを観察していると、被食者(prey)であるコオロギが僅かに動いて初めて、捕食者(predator)が反応し、餌の居場所を確認している様子が覗えました。この観察結果から、両生類が小動物が動くことで生じる空気振動を感知している(静岡大学理学部生物学科のサイトで確認できました)可能性が予測できました。全く知識がなくても、動物たちの行動を観察しているだけで、「これ以外には解釈しようがない。」と生徒4人と私とで、そう推測ができてしまったのです。正真正銘の発見ではありませんが、先人と同じ発想に至ったようです。

このような推測力も、なまじ最初に知識を与えられていたら発動しません。「好奇心」という学びへ向かうアンテナも立たなければ、点と点を繋ぐ関連性を「類推」していく脳の「シナップス」も育ちません。正解が記されている教科書と正解が決まった定期試験。要するに、学校の「授業」と「試験」の教育システムでどれほど回しても人の好奇心や類推力を育むことなど到底、無理なのが、これで明白でしょう?

このような実体験を伴う学びは「エピソード記憶」と呼ばれ記憶の深い層に、この時の使った思考の筋道(=問題解決法)と一緒刻まれます。つまり、次なる全く目新しい課題に直面した時に、「以前にも対処できたから、今回の何とかなるはずだ。」と言う困難に立ち向かう自信を育む気持ち(エフィカシー)を付与し、困難に怯まず挑戦しようとする若者を育てて来れた筈でした。

私の生徒たちは例外なく前籍校で不登校や中退を経験してきた挫折者(dropouts)です。が、私が国立高専の教授の職を停年前に辞し、通信制高校に降りてきた理由は、席次重視の偏った教育で成績に拘泥し、狡賢さを身に着けた学生より、本来は持てる生徒の才能を前籍校で踏み躙られ、伸び悩む高校生らを救済する活動に殉じたいがためでした(そのため英国移民を返上し、教授法に世界標準を反映すべく祖国への帰還を決意しました)。

同日、生徒たちの発案でパンダマウス4匹の顔写真も撮影しました。白黒模様があるため個体識別して行こうという算段です。もしかして個体を追跡して行けば、兄弟マウス間(4匹ともオス)にも個性の違いが生じていく経過を観察できるかも知れないからです。こうして新領域へ踏み出して「仮説を発想する」方法論*3が理科室で始まりました。生徒らが成長していく様子を見守って下さい(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*3 私たちは、英文を読む時にも単語や文法より内容把握することで前後関係のツジツマ合わせするようにして読解を進めていく作業を実践しています。知らない単語や表現も前後関係から類推して読解する訓練を積むと、慣れるほどに的中率が向上して行くものです。この訓練によってアンテナが立ち、シナップスも強化され、実験や観察、フィールド調査で「気づく力」が格段に強化されて行きます。第一、発見者なれば嬉しいものです。

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画像・左:サンショウウオ(アホロートルの陸化個体)がコオロギに対する捕食行動を追跡(白矢印がコオロギの位置)、同・中:パンダマウスの個体識別(左上から時計回りに;奏音ちゃんが選んだ個体、奥村くんが選んだ個体、輝くんが選んだ個体、最後に残った個体は輝くんの選んだ個体と顔は瓜二つだが、胴体に黒い斑紋の有無で二次鑑別する対策を見つけました)、同・右:人工照明下にあるアホロートルの飼育容器(水槽内に両生類に適した湿地を再現したテラリウム)。

付記:現行のペーパー試験の出番など恐らく卒業後、実社会の資格試験や昇進試験で僅かに遭遇するかも知れない程度しかありません。実務で求められる全てが、正解なき課題に対処していく場面ばかりです。その意味では、これまでの学校教育の大部分を占める場で客観試験が優先されてきた理由は、現実とは著しく乖離した中で(恐らくは公平な採点のためだという理由で)編み出され、広く流布されてきました。その結果、日本の国力が強化されてきたのか、はたまた劣化してきたのか、答えは火を見るよりも明らかなのではないでしょうか? 途中から教育界へ参入した私が口にするのも大変、心苦しいのですけれど、日本の学校教育は大きく狙いを外してきたように感じていますし、その悪影響は最早、社会の随所で明らかなのではないでしょうか? 大人の1年間と子供の1年間は同じではありません。だからこそ、一刻も早い対処を責任ある大人が採るべきだったのではないでしょうか。無力感に苛まされ世相が荒廃して行ったのも、これほどの緊急課題をなし崩し的に先送りしてきてしまったのは長年の禍根を残し、積年の負債になっているのではないか、と危惧しております(竹内記)。

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