スピルリナ錠でロゼット体を作る謎の水生菌(2019年07月11日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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スピルリナ錠でロゼット体を作る謎の水生菌(2019年07月11日)

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スピルリナ錠でロゼット体を作る謎の水生菌(2019年07月11日)

スピルリナ錠でロゼット体を作る謎の水生菌(2019年07月11日)

アート&サイエンスコース主担の竹内です。特定の研究テーマを掲げている研究室では、なかなか"寄り道"するワケに行きません。通常、特段の業績提出が迫られない高校の実験室では、ふと目に留まった不思議な現象でも注目する機会に恵まれます(公的研究助成を受けている場合、そうそう気軽には脱線もできませんが・・)。

実は、私も以前、業務で試験研究に従事していた頃、偶然と目にする珍しい現象には幾度となく遭遇してきました。が、多くの場合、本業が優先しますので断腸の思いで、見て見ぬフリをしてきたと思います。今にして想うと案外、新しい発見に至る糸口だったのかも知れない・・と悔やまれたものです。

高校の理科室では、ささやかながら未知なる探検(特に、ミクロの世界では)する機会に恵まれていると思います。しかし、多くの高校で定型の実験(その多くが、実験結果が解っていること)を「確認して終わる」だけなのではないでしょうか? 基礎を固めることが必要な小・中学校ではやむを得ないのかも知れませんが、好奇心を育成すべき多感な高校時代に、結果が解っている操作を単に繰り返すことを「実験」と称するのは、果たして妥当なのでしょうか? 生徒にとっても教員にとっても、リソース(時間と物品)がもったいないと思います。

今回、そのような観点から高校の探究学習の課題発見シーンで、珍しい現象が目に留まった場合の展開例について、触れてみたいと思います。具体的には、元々は巻貝(イシマキガイ)の餌にならないかとスピルリナ製剤(市販品)を投与してみたところ、寄生生物(腸炎ビブリオ)が駆除される現象がありました。一方、外部寄生した多毛類の幼体もスピルリナ製剤で駆除できました。いずれも、水溶性色素のフィコシアニンガリガリ君ブルー)が、精製標品でも再現できるため天然色素が備え持つ生理活性が寄与していることが確認できました。

最近、水産分野で種苗生産を支えるシオミズツボワムシ(淡水に順化)とミジンコ(異種混合)が譲渡されたのを機に、ミジンコをワムシ軍団から救済する目的でもスピルリナ製剤が使えることが判明しました。その際、シャーレの底でロゼット状に水生菌が生育してくるのを目にしていました(今回、敢えて先送りしてきました)。

どうやらフィコシアニンには何か生体反応を部分的に抑制する効果がある点で共通していると見て、ゾウリムシの培養液にスピルリナ錠を投入したらゾウリムシの繊毛運動を抑制できるか否かを調べてみることにしました。果たして短時間では運動が抑制できず、最後は死滅してしまったので、ゾウリムシの運動阻止が生じる最適条件を決定するには至りませんでしたが、ここでも謎のロゼット型水生菌の生育が観察されました(再現性あり)。

その一方、天然色素としてフィコシアニンは現在、生産されてますし、スピルリナもサプリメント(健康強化食品)として流通していますが、上に列挙したように生理活性を抑制するマイナス方向で発現しているようにも見えます。そのためか、"スーパーフード"であるスピルリナの過度摂取を戒める記事も*1掲載されていました。

*1 畢竟、研究開発の最前線は、"探検"活動に近く、勘とか胸騒ぎに近い "儚くも研ぎ澄まされた感性" が求められ、学校現場の「記憶ー再生」に基づく学びと大きくかけ離れていることがわかります。しかし、実務現場(都庁JICAの事例)で間違いなく必須となる素養である反面、感性を磨くことは学校教育のカリキュラムには全く組み込まれていません。反面、イノベーションを中高生に期待する社会的な機運は高まっています。

元々、私自身、野菜不足を補うため細胞壁の厚い緑藻のクロレラ(真核生物)より、系統的に原始的な藍藻スピルリナ(原核生物)の方が効果があると期待し適宜、摂取してきました(なぜか食が進まなかったのですが)。たまたま巻貝の餌にならないかと投与したところ青い鮮やかな水溶性色素が拡散してきたのでビックリして検索したところ、青い水溶性色素の正体がフィコシアニンだと知った経緯がありました(針穴のようなたった一点の切り口=issueから*2全体へと入っていくことは可能なのです)。

*2 「探究学習」や「創作学習」が、従来のレンガを積み上げる教育カリキュラムより教育力の面で優れている(ハーバード大の20年間追跡調査;『メタ認知的アプローチによる学ぶ力』)理由は、この点にあります。

藍藻(シアノバクテリア)は地球型生命ではかなり起源が古く、初期の酸素発生型光合成細菌(ストロマトライト;化石種だけでなく現生種もあり)の子孫だと思われます。スイゼンジノリイシクラゲ*3のように古くから食用にしてきた歴史もありますが、食材としてはまだまだ未知の領域の生物であることに変わりありません。実際、駆虫薬(虫下し)みたいなマイナス面の効能も隠されている感があります。有害物が持つホルミシス効果のように、マイナスだから一概に悪いとも言えません。

*3 イシクラゲは岩田祐樹くんが以前、淀川の河川敷でも見つけてくれたことがありました(→ブログ記事)。好奇心のアンテナが立ってくると、野外に出ても不思議な発見に目を留めるようになるからです。従来型の学校教育は逆に、子供たちが本来、持っている好奇心の芽を摘み取ってきたことが、ぼちぼち露見し始めています。

定型(ルーチン)業務(常法)から敢えて距離を置くことで、何か新しい発見ができる糸口があるのだと思います。高校教育や大学教育からカラカラと空転してしまう「暗記勉強」や「業績主義」の慣例を追放したら、今まで以上に才能開発が進み、新規研究も大いに進展すると期待できます(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:ロゼット型菌類(実体顕微鏡で透過光20倍で検鏡)、同・上段中:スピルリナ錠の辺縁部に群がるゾウリムシ(初期には餌だと認識する模様)、同・上段右:ゾウリムシの培養液(ワラ煮汁)にスピルリナ錠を投与すると、先ず青い水溶性色素(フィコシアニン)が溶け出す、同・下段左:シャーレの底にロゼット体を多数形成同・下段右:フィコシアニンは微生物分解されると青い色は消失し、代わりに菌糸ネットワークが形成される(ゾウリムシは肥大し、最後には消失;緑藻のクロレラと異なり、藍藻のスピルリナはゾウリムシの培養には寄与しない)※画像の見出しのリンクをクリックすると、関連したオリジナル動画が再生されます。

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