オランダ発「イエナプラン」との共通理念(2019年09月29日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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オランダ発「イエナプラン」との共通理念(2019年09月29日)

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オランダ発「イエナプラン」との共通理念(2019年09月29日)

オランダ発「イエナプラン」との共通理念(2019年09月29日)

本日(29日)、新大阪の貸会議室にて「イエナプラン勉強会」(株式会社 キャリアリンク・山口聖氏が企画)としてDVDの上映会と討論会が開催され、参加してきました。また、午後からは京都教育大学へ移動し、オランダへ視察に行かれている理科教育研究室の村上忠幸教授を囲む談話会に参加してきました。

イエナプランを紹介するDVDによると、欧州で一斉授業に対する問題提起がなされ、1926年に小規模な実験校としてスタートしたのが始まりだそうです。学校を生徒たちが社会へ出る"準備の場"として明確に位置づけている点が、生徒を管理する側にシフトした日本の学校との大きな差を感じました。

そのため学校は"Living Room"と呼ばれ、"生きるための場所、すなわち"生き方を学ぶ場*1"と定義づけらえているそうです。学ぶ内容も今、まさに現実社会の中で進行している課題をリアルタイムで取り挙げることも厭わない方針だそうで、"学校"のあり方の定義に忠実にデザインされている様子が伺えます。

*1 サイエンスコースでは、生徒が自宅へ帰宅する時に「行って参ります。」とウッカリ口にして出ていくケースが過去、見られた。リラックスして、成長できる安全基地になった証しと感じる。ともすれば、監獄のような冷たい校舎とも、フリースクールとも異なる"不思議な空間"が生まれている。野放しではない、自律した成長感が発生することが本来、あるべき「学校の理想像」であると考える。そこでは、教員は"黒子"役に徹した方が望ましい(巣立つ日が間近な生徒の場合、教員は自ら身を引くことで仕上げができる)。

自由な雰囲気を湛えながら、着実に生徒が成長を実感できる教室を創り出すのは容易ではありません。2年前には一度、大成功しました。しかし、高校は3年間で人が入れ替わってしまうので、その臨場感を維持し、再び呼び起こす*2ため"引き継ぎ"に配慮してみたものの正直、容易でありません。現在、2年前の状態に近い雰囲気が生まれつつありますので、その秘訣が何処にあるのかを探って行こうと思っています(ノウハウの蓄積こそ真の学校運営であり、運営会社としても真の資産になり得ることは確かなはずなので・・)。

*2 雰囲気の伝承は、ぬか床を"床分け"するような感じである。卒業生が近辺にいるので時々、理科室を訪ねてくれることで、後輩も私も大きく助けられていることは明らかだ。教員に一定の役割があるのは確かだが、それ以上に生徒同士が感化し合う効果("スクランブル効果"と仮称)が大きい

異年齢のグループを形成していること、決まって定形型のサブジェクト型の学び以上に、特定の課題に集中するプロジェクト型の学び("ワールド・オリエンテーション"と呼ぶ)を重視し、正解のない問いに立ち向かうなど、イエナプランと大阪校のサイエンスコースには共通項が見られます。現状、規模の差があることは、仕方ありません(今の日本社会で、授業や試験を行わない学校教育が信認を得ることは容易ではありません*3)。

*3 他には選択肢がない(土俵際イッパイの)"通信制の通学生"だからこそ、当コースが消極的に選ばれているのが実態だと思われる。が、そのどん底から這い出し急成長(ブースト)し出す卒業生が現実に出ていることに着目されたい。そこに、正解の一端が実在するからではないだろうか?

イエナプランのDVDを視聴し筆者が感銘を受けた点は、各教員で教育へのビジョンを提示して欲しい(当ブログ記事で具体的に実践している)こと、また理想の教員像を描き出して欲しい(生徒に対し実践中)との重みあるメッセージを受け取りました。当ブログは図らずも、コースの運営方針を表明する場になってきました。

それを裏づける逸話が、村上先生から午後の談話の中から浮かび上がりました。それはイエナプランの教員が自分たち教員としてのアイデンティティを延々と語り続けるという姿勢が見られたという話の中に、私は垣間見た想いです。私自身が日本社会が物足りなくて英国に飛び出した身であり、かつ微生物学が専門だったのでオランダの研究者と窒素循環を通じた研究*4でしのぎを削った間柄でしたので、西欧人の自他を明確化させる気質を私は解る気がします

*4 EU圏の窒素循環系の微生物学研究者が集う"ICON(アイコン)プロジェクト"が当初、英国とオランダの二国間で秘密裏に研究会が開催された。英国移民申請中の身であった私も、日本人であったら通常は仲間に加われない英国チームの一員として貢献してきた(後に私の学位請求論文の主論文となる)。この時に骨身に滲みたのはオランダ・デルフト学派の伝統であるが、待って欲しい。日本も世界に冠たる顕微鏡王国(ニコン、オリンパス)であり、味噌や醤油、酒など発酵学でもお家芸の国柄だと主張したら、「僕たちディジマ(=出島のこと)以来の親友だよね。」と切り替えされました。良く知ってるなぁ・・と感心です。

概して、日本の学校教育は全国一律に規格化・均質化されて教育活動を淡々と"作業"として進めれば成功としてしまうことで肝心の生徒が置き去りにされていく一方、海外の学校教育の基本スタンスが生徒たちを研究対象とするよう、常に"dose-response"(こうしたら、こうなる)関係を研究するプロセスが介在しています。実は、私自身も生徒を実験動物に見立て、あれこれ観察・実験をするように指導方法を逐次、工夫してきた点では同じ要領で、だから結果が出せて当然と言えます(しかし、相手が人間である以上、生徒や保護者から拒否されたら目的達成が無理になるのは言うまでもありません)。

日本人の気質の中には、昔から"求道者"としての"求道*5=道を極める"スタンスが満ち溢れていた筈であるが、多様な"道"が花開いた日本の地に"教師道"あるいは"教育道"なる言葉や概念が生まれ、根づかなかったのは奇妙である。全国一律の学校の規格化(学習指導要領や検定教科書など)が教員を支援したのではなく、逆に思考停止に追い込む弊害が大きかったのではないかと私は推察しています。

*5 言葉は生きモノで、「ぐどう」と読むか「きゅうどう」と読むかは現在、拮抗している模様。

いずれにしても、学校教育の役割は次世代の人材育成そのものであり、その失敗は国家の消失を招くことは想像に難くないと言えます。この国の教育政策は抜本的な軌道修正を加えないまま今日まで来てしまった結果、既に二世代問題と化していると、私は教育現場にいてそのように判断せざるを得ません。教育行政を担う文科省の官僚も教員養成課程の研究者も現場感覚から遊離*6して行くこと喪失していく"不合理性"を体験上、私は危惧するものです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*6 私自身、東京都職員をしていた頃、出先機関の現場から本庁舎に異動した途端に"現場の勘"を失うので狼狽した覚えがある。見掛け上は出世したように見えても実質、心細くなるだけである。今後、実務現場と管理部門を交互に経験できる仕組みが、組織の健全化に必須であると思われ、単純に管理部が「上」で現場が「下」だと見做すがごとき見識は"固定化した思考"であり、未来社会ではご法度である。ちなみに外国人の学校観や職業観に、日本みたいな固定的な上下関係はありません(あれは、千手観音のごとく周囲の目を気にする生き方が染みついた日本人だけが後生大事に抱えてきた、極度に視野が狭い"島国根性"だと言っても過言ではありません)。

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画像・左:「イエナプラン」を紹介するDVDの上映会(新大阪)の様子、同・中:上映後の討論会の様子(山口聖氏が主導した)、同・右:午後、京都教育大学で村上先生を囲む談話会を開催(正門の風景)※この前日(28日、3年奥村諒くんと高橋泰尋先生は以前、2年今村奏音さんと私が受講したのと同じ村上先生のMI(マルチプル・インテリジェンス)関連のワークショップを体験しました)

感想「遊び」に似た「学び」(3年・奥村諒)今までの知識量を問われるテストなどとは異なり、いかに失敗し、考え、問題を解決できるかを問われるワークショップだった為、頭も身体もフル稼働しました。グループ全体が問題解決の為、失敗を歓迎し、工夫していく雰囲気だったので、間違ってはいけないという固定概念はなく、ありのままで挑めました。また、その自分を認め、評価してくださったので、自分を飾らなくても問題ないのだと気分が楽になったのと同時に、肩書きや年齢など関係のない信頼関係を感じ取ることができました。これから、生きていく上で問題に直面した際には、今回のワークショップの感覚を思い出し、失敗を臆せず、問題を楽しもうと思います。

付記:自信なきまま上層部が責任を担えない状態が続いてきた結果、今や日本社会の随所から組織が「キー・キー」と断末魔のような悲鳴をあげ軋みが生じている。勉強は勉強、社会は社会・・の対立構造で誤魔化して済ます姿勢は今日の日本では破綻しつつあり、社会的な病理="日本病"として瀕死の状態に陥りつつあるように誰の目にも明らかなのではないでしょうか? 日本が実に情けない国になってしまって、次の時代を担う生徒諸君には実に、申し訳なく思います。国民全員が通過する日本の学校教育のシステムに重大な欠陥があったのは、火を見るより明らかでしょう(参考外国人が見た日本の学校教育に対する声)。かくなる上は、縁ある生徒を1人でも多く自力で成長できるように支援することを宣言し、ささやかなお詫びとさせて戴きます(竹内記)。

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