「ワムシーミジンコ」を用いた実験系を構築(2019年10月09日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

「ワムシーミジンコ」を用いた実験系を構築|通信制高校のルネサンス高等学校

メニュー
 

大阪

「ワムシーミジンコ」を用いた実験系を構築(2019年10月09日)

アート&サイエンスコース

「ワムシーミジンコ」を用いた実験系を構築(2019年10月09日)

「ワムシーミジンコ」を用いた実験系を構築(2019年10月09日)

教育デザイン室長の竹内です。開校翌年(2015年)から、大阪府高校生物教育研究会(大阪生研)の委員として企画運営に参画しています。東京都の東京都生物教育研究会(都生研)に次いで、伝統のある任意団体です。

サイエンスコースでは昨年度(2018年10月)に引き続き、今年度もルネサンス大阪高校で開催する実験研修企画を鋭意準備中です。「寄生(parasitism)生活の始まりは、こんな感じだったのでは・・」と生物進化の一面*1を彷彿とさせるような怪現象に出くわしたからです。通常なら危害を加える筈もないようなワムシがミジンコを集団で襲ったりダニがコオロギを襲ったりする"下剋上"の競合関係が観察されたので、生物進化に関連した新しい生物材料として教材開発していく方針でいます。

*1 最近(2019年)の総説では、初期段階と思われる"条件的な寄生生物(facultative parasites)"を進化へ向かう飛び石(stepping stones)と概念づけています。過去に起こった進化のプロセスの一部が再現されているのではないか・・と学術的に捉えている研究者がいることになります(筆者も同じ考えです)。

その始まりは、今から6~7年前、東広島市(八本松)にある七ツ池で採集したミジンコを実験室へ持ち帰る間、共存していたワムシ(ツボワムシ)に取り憑かれ、全滅したという手痛い経験まで遡れます。それと同じ現象が今年の6月、種苗生産用のワムシとミジンコを観察して欲しいと千葉県の養殖業を営む知人に依頼され、郵送されたサンプルを受け取ったところ、数年前に広島で見たのと同じ光景、ワムシがミジンコを襲い出す場面を目撃したのです(それは追憶の彼方に消えかけていた感覚を呼び戻す"デジャブ"感、そのものでした)。

この2例から言えることは、ワムシとミジンコが均衡して共存する系では、狭い容器に閉じ込めることでワムシが優勢となり、ミジンコが劣勢となって競争に負けてしまうことを示唆しています。確かにワムシは流れの穏やかな浅い湖沼の沿岸域に適合し、遊泳力のあるミジンコは流れのある沖合の方が適合していると言えそうです。

広島で初見した時と異なり、今では2種の生物が競合関係に陥った時、何らかの生理活性を有する植物由来の成分を利用して、片方の活性を抑制する対処法が経験的に見つかってきました。ちなみにラン藻に由来するフィコシアニンガリガリ君ブルーの色素)は、この実験系ではワムシに特異的に作用し、ミジンコに危害を加えないことが判明していますが、その作用機序の解明は今後の課題です。

この課題は、"現象の説明"は(再現性も含め)完了していますが、その"理由の説明"に至っていません。これまでの後期中等教育としての高校教育のカリキュラムでは既に正解が確定している課題だけを学習対象に限定してきました。が、21世紀型教育では"正解が確定してない"学習項目を設定していくことが必須で、高校時代から探究活動を実地で体験しておかないと、進学・就職後の成長する機会を逸してしまう*3ことが懸念されます(京都大学と河合塾が共同で高校生の進学後までを追跡した溝上慎一氏の『10年 トランジション調査』)

*3 日本の学校教育(特に、高校から大学に至る成長期を受験対策だけで擦り替えられてしまっていて)は真っ当に機能しているとは言えません(対話ができず文章化もできない現状は、"基礎学力"以前の問題だからです)。生徒に「成長した実感」を与えられないような状態では、教員は仕事していないも同然!だからです。

以上の趣旨から、アート&サイエンスコースでは量産作業でなく、生徒を"一品物の芸術品"として捉え、研修企画を経験をベースに"ゼロからの開発をスタート"させているのです。これからの日本社会を担う次世代を育てるのに必要不可欠な活動ですので、ご理解を戴けると幸いです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

----------

画像・上段左:豆のような鞘に2個ペアで受精卵があるミジンコ耐久卵*4(A:Daphnia sp、B:Monia sp)、同・上段中:ツボワムシの耐久卵(黄色い矢印で表示)、同・上段右:休眠状態にある耐久卵を覚醒させるために添加したクロレラ製剤(オリヒロプランデュ社)、同・下段左:保管中の耐久卵ストックをクロレラ製剤や酵母製剤を添加して耐久卵からの孵化を誘導中(左:ミジンコ、右:ツボワムシ)、同・下段右:実験研修で使うために書き起こしたオリジナル・テキスト(昨年度の例)

*4 ミジンコやワムシの耐久卵は、藻類や酵母のような固形物のエサを絶ち、放置することで形成させた。保存性を高めるように無機物の緩衝材として粘土鉱物(城北ワンドで採取した底泥を放置したモノ)を添加した。

付記:サイエンスコースの実験系の企画は、営利企業として関連ビジネスに繋がる活路を探ると同時に、学校教育として学術的な価値を付与させることの2面性を持たせることに、意図的に留意しています。ワムシーミジンコ系は水産分野の種苗生産の基盤を為す素材であり、ダニ-コオロギ系は両生類・爬虫類の生き餌*5としての価値から近未来の人間の食糧問題の解決に寄与すると期待され、研究されています。その技術開発としては、ワムシやダニによる条件性の寄生現象は失敗以外の何物でもありませんが、逆に学術的に進化の初期プロセスを解明するチャンスとなっているワケです(竹内記)。

*5 国境を越えて希少な動植物を取り扱う(繁殖・販売)場合には年々、国際的な取り決め(ワシントン条約、環境省)による規制が強化されてきているので、上位の法体系(生物多様性条約、外務省)を含め、趣旨や経緯を理解しておく必要がある。

アート&サイエンスコース

最新の記事

月別でブログを見る

通信制高校のルネサンス高校グループ > 学校 / 連携キャンパス等 > ルネサンス大阪高等学校 > ルネサンス大阪高等学校ブログ > 教員 > アート&サイエンスコース > 「ワムシーミジンコ」を用いた実験系を構築

最新お知らせ・ブログ4件

アート&サイエンスコース

アート&サイエンスコース

インフォメーション

ルネ大阪広報

 

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」
「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制から大学や専門学校の受験って大丈夫?」

資料請求はこちら
ネット出願はこちら
プライバシーマーク

ルネサンス高等学校グループは通信制高等学校です。
全国に3校(茨城・豊田・大阪)、キャンパスは7拠点(札幌・仙台・東京・新宿代々木・豊田駅前・広島・福岡)展開しており、全国各地から生徒を受け入れております。

Copyright © ルネサンス・アカデミー株式会社All Rights Reserved.

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制高校から大学や専門学校の受験って本当に大丈夫?」

資料請求
いますぐ出願したい方はコチラ
パソコン・スマートフォン・タブレットから簡単出願!!
検定料は、クレジットカード・コンビニ決済で!! 24時間受付中
ネット出願

通信制高校への入学・編入転校をお考えの皆様へ

ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城豊田大阪)、7拠点(札幌仙台東京・新宿代々木愛知豊田名古屋広島福岡)に連携キャンパス又は受付相談センターを置く広域通信制高校です。 どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。 一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。 ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、今年で13年。卒業生も12,000名以上です。