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主教科と副教科_環境シンポジウムに想う(2019年10月21日)

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主教科と副教科_環境シンポジウムに想う(2019年10月21日)

主教科と副教科_環境シンポジウムに想う(2019年10月21日)

昨日(19日)の午後は、梅田にて「2019年度 エネルギー環境教育シンポジウム」が開催されました。定例の関西ワークショップ(事務局:原子力安全システム研究所)に都合がつく限り出席していますが、今回は東北から沖縄まで広域から話題提供者も聴衆も集まったそうです。5件の発表がありましたが、最後の2件が、論旨が明快で野心的な試みを感じましたので、響いた点を記しておきたいと思います。

(1)持続可能な社会を形成するには(筑波大学附属中学校・関谷文宏先生、社会科)新聞記事をリソースとして使った探究学習を展開されて、①エネルギーの地産地消、②脱炭素化・脱石炭、③電力の需給バランス、④再生エネルギー、⑤市民・企業・NPO・大学研究所・行政間の連携などを論点とされていました。中でも印象深かったのは、学校教育を新しくコンピテンシー・ベース(competency-based)と捉えるか、従来型のコンテンツ・ベース(content-based)と捉えるか・・で全くアプローチが(それに付随して成果も)異なってくることを示唆されていました。話者の意中の教育観は前者であろうと覗えるが、明言はされていなかった(大半の定型化した学校では実際のところ、CBEへの対応*1は無理だろうと思われる)。

*1 ネット上の教材が充実してきた今の時代なら本来、自由度の高い教育活動は実現可能だと言えます。通信制高校の通学コースは、それが実現デキる恰好な場だと言えます(利用する/しないは、別です)。

(2)エネルギー環境教育の実践場面(大津市立志賀中学校・河野卓也先生、技術・家庭科) 河野先生は、副教科の技術家庭科は主教科の陰になってしまいがちだが、実社会で「理科」と「社会科」を橋渡しする要となるべき位置にあり、両者のインターフェイス役を果たす科目*2と主張されました。主要5教科が重要だとの顔をしている現実を鑑み、私自身も実務職に従事してきた経験から、学校が社会から解離した現状に違和感を覚えます(文科省では、地域で子供を育てるべきだと方針を掲げてくれていますが)。

*2 オランダのイエナプランでも、学校を"社会へ出る準備を行う場"であると、明確に定義されています。日本の社会には、このような明確な定義をしていく社会習慣が酷く欠落していると思います。曖昧なままで済ましておく日本のカルチャーは、曖昧さを許容する日本語の持つ緩さに起因するのかも知れません。

学校を巣立った卒業者は皆、様々なカタチで社会の随所に散らばっていくのが原則ですから、このような現実的な視点は大切で、成長期の真っ只中にいる近未来を担って貰う次世代の若者を、管理が主体で閉鎖空間に閉じ込める制度設計は、"人を育てる"と言う教育の目的には沿わない*3システムだと言えます。

*3 学校教育の弊害で思考が硬直化して行ったことで、随所で損害が生じるはずです。例えば、大型台風で河川が氾濫し、北陸新幹線の車両が水没した事故など、事前(proactive)にリスク・アセスメントしておくべきだったような案件ではないのでしょうか? 何も学ばなければ、あちこちで失態を見ることでしょう。リスク・アセスメントやリスク・マネジメントは英国の大学院で学ぶ機会はありました。それをしないと、研究室で実験をスタートすることもできないようになっており、"システム" として組み込まれていました。英国と比べたら、日本は単なる"思いつき"で、"行き当たりばったり"で動いている、余りにも稚拙な社会に見えます。

OECD教育調査団(現在の団長は、英国Wales議会の教育顧問)は以前から、「日本は時代の変化に応じて学校教育に求められる内容が変わっていくことを学んで欲しい」との要望を提言していました。教育は不易である(中教審の答申でも、指摘されている)との言い訳で、提言に誠実に応えて来なかったことが今日に至る負債を積み重ねてきてしまった(あるいは受験産業の利権を保護してきた)ように感じます。

しかし、今では進学塾でも、あるいは進学塾が設立した学校法人でも新しい教育スタイルがスタートしているのです。その事実から目を逸らすべきではありません。旧システムには十分過ぎるほど、綻びが目立ち始めているではないでしょうか? 前へ進むべきです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・左:シンポジウム会場の開講時の様子、同・中:講演の中で「探究型の学習」を説明するスライドの一コマ、同・右;ヘドロ電池の市販キット(MudWatt)未使用品

付記:今回のシンポジウムを開催した関西ワークショップの会員となっていながら、これまで大した貢献をさせて戴けていません。昨年度、放射線サマークラスで発表したり、核廃棄物の地層処分の実験施設を見学会に参加した程度です。当コースの中では、かつてヘドロ電池や局地的な風力発電の可能性を検討した履歴があります。実は、広島県で遭遇した地域冷暖房を可能とするヒートポンプ技術(三次市塩町中学校)にも関心があります(かつて勤務した東京都下水道局の新河岸処理場でも夏、寒いほどヒートポンプで冷房が実現していました)。当座、担当してくれる生徒がいないので立ち往生していますが、MudWatt装置は10台数基、揃っています(日本国内で最大規模だと思いますし、考案者である米国人Keegan氏らともコンタクトしています)。卒業生の岩田祐樹さん(現・京都先端科学大学に在学中)が担当してくれた研究テーマですが、"発電細菌"(Shewanella-Geobacter系)が寄与しているというのが定説とされていますが、正解はそれだけに留まらないだろうと硫黄循環に関与する微生物代謝系*4を、学生時代から研究対象としてきた私は推察しています。微生物(とりわけ、細菌=bacteria)をやりたいって生徒さん、何処かにいませんかね。私のホントの専門なんです(竹内記)。

*4 地球上の硫黄の最も還元された状態は硫化水素(太古の地球大気にも含有)であり、最も酸化された状態が硫酸イオン(現在の海水中に塩素イオンに次いで多い成分)で、このスケールの振れ幅で電位差が発生します。ただし、塩素イオンは安定化され過ぎていて代謝系に取り込むにはATPが1モル必要です。硫酸塩還元細菌は1モルのATPを使って、基質レベルのリン酸化でATPを1モル生み出すことができることは昔から知られていました。が、これでは生命が維持できたとしても成長に回すエネルギーが足りません。この謎を解いたのは、英国のサセックス大学のJohn Postgate教授と日本の北大の石本真教授が独立に1950年代に解明しました。電子伝達(チトクローム)系で1モル稼ぎ出すことで、硫酸塩還元細菌は2歩進んで1歩戻る、差し引き1モル分のATPを増殖に回す収率(ATPエコノミー)で成長しています。チロクローム系はサイクリックに駆動できますが、基質レベルのリン酸化プロセスの駆動には外部から電子供与体(乳酸など)を提供する必要があります。乳酸菌は発酵工業で有名ですが、実は自然界にもいることが解ってきました。これらの知見に基づくヘドロ電池が考案できるはずだと、私は考えています。

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