大学が高校生&高校教員向け記念講演主催(2019年12月23日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

大学が高校生&高校教員向け記念講演主催|通信制高校のルネサンス高等学校

メニュー
 

大阪

大学が高校生&高校教員向け記念講演主催(2019年12月23日)

アート&サイエンスコース

大学が高校生&高校教員向け記念講演主催(2019年12月23日)

大学が高校生&高校教員向け記念講演主催(2019年12月23日)

公立大学法人・大阪市立大学(住吉区杉本町)、理学部附属植物園(交野市私市)が主催した吉良竜夫生誕100周年記念講演会『高校生に伝えたい! バイオーム*1はここがおもしろい!』に参加してきた。

*1 バイオーム(Biomes)とは一般に聞きなれない用語だが、 植物群落だけでなく動物群集を含む"植生"とほぼ同義に使われ、目視で識別可能なまとまった生態系の外観面を意味する。 降水量と気温(垂直的には標高)で、概ね区分される。

5名の演者が、1)日本の森林とその成り立ち(中静透教授)、2)地球の気候変動と日本の植生の変化(山田敏弘教授)、3)『植生』という概念を生んだ熱帯の多様な植生(伊藤明教授)、4)植物のオスとメスの話_多様で複雑な樹木の性(名波哲准教授)、5)乾燥大陸オーストラリアにおける針葉樹の適用と進化(坂口翔太助教)と、話題提供された。

中静教授は、植生を決める要素として日本の気候が森林を形成するに足る条件を満たしていることを暖かさの指数(吉良、1949)を用いて図示された。日本では台風による一斉風倒(ギャップ形成)が起こることで森林の更新が進む事情も紹介された。続く山田教授は「植物園に勤務しながらも、化石堀りをされている」ことをユニークさが偲ばれた。350万年前から植物化石からみて大阪平野の植生から寒冷化傾向にあると指摘された。新生代(6500万年前以降)に入ってからは温暖期があり、海水も暖かくオウムガイの化石も見つかっており、花粉分析から本州にも熱帯性のマングローブ林が広がっていた証拠が見られ、暖流の影響でその後の寒冷期にも暖温帯と冷温帯の両方が共存していたと推定される。

続く伊藤教授は、フンボルトによる中南米の探検が植物地理学を拓き、植生の考え方を形成する契機になったことを近著『フンボルトの冒険』(NHK出版、2017年)を紹介しながら説明された。標高6,000級の高山(チンボラソ山)に一向が登ったことで、植生の垂直分布のことも判明した。最後に植生研究の新しいトレンドとして生態学と系統地理学の融合(分化を生態と系統の両面で解析)が提案された。名波准教授は雌雄異株植物(アオキなど)を例に出し、植物の株には性転換が起こる事例を紹介する傍ら、まだ謎が解けてない性転換の例としてウリハダカエデの例を示された。

最後に、坂口助教(京大)はオーストラリア大陸の地理学的な特性から3つの主要なバイオーム(温帯、乾燥帯、熱帯モンスーン帯)に分け、同大陸で乾燥化が進んで行った様子を花粉分析の結果で解説された。また、乾燥耐性のある樹木としてユーカリが優占した事情も、森林火災(bushfire)に絡めて紹介された。植物には山火事に遭遇した場合のため種子にサバイバル機構を持っていることも紹介された。最後に同大陸全体に分布する豪州ヒノキの適応放散(生態的適応)が乾燥化が引き金となって系統進化が促進された背景を説明された。結局、"水を節約する方向で進化を遂げた"と推論されていた。

全体として、生息する環境変化に呼応する方向で植物は進化を遂げ、バイオームを形成しているという構図が窺えた。恐らくは"植物が移動できないという特性を持つ"*2ことからこのような生態と進化を絡めた明瞭な解析ができるのだろうと推測される(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*2 同じ文脈での議論は、「植物になぜビタミンC(アスコルビン酸)が多く含まれるか?」と言う論点にも一脈通じる。光合成による副産物の活性酸素で自家中毒して枯死しないためビタミンCを生合成し、貯蔵物質として蓄え(⇒解説動画)、植物が動けないことで外敵から攻撃を受けた際、活性酸素を放ち応酬するが、植物体自身も傷つかないように緩和させるため抗酸化作用のあるビタミンCなど還元剤を予め合成して解毒用に合成し、所持していると解釈することができる(文献の一例)。

----------

画像・上段左:日本の森林について中静教授(右端)のご講演、同・上段中:化石収集の話題から入った山田教授(右端)のご講演、同・上段右:毎回、活発に質問をした高校生(左);テーブル上には教科書の該当ページが開かれていた、同・下段左:「予想外のコトが判った時の方が驚くでしょ」と高校生に伝えたい気持ちを描いた名波准教授、同・下段右:高校生を"主役"にした記念講演会のチラシ(名波准教授がプレゼンで使用)

付記:今回、大阪市立大学が、旧制府立北野中学*3から京大農学部で学び、同大が誇る故吉良竜夫教授(1919-2011)記念して高校生と高校教員を対象とした記念講演会を企画した狙いに興味を抱き、アート&サイエンスコースの通学生1名(藤原優月くん、1年)を誘って講演会へ参加してみた。講演には随所に高校生に配慮した姿勢が感じられ、それに応えるよう1人の若者が毎回、鋭い質問を繰り出していたのが印象的だった。

*3 移転する前の旧制北野中学校は、今の済生会中津病院の敷地(北野芝田町)にあった。ルネサンス大阪高校のある学園ビル(阪神学園)と目と鼻の先であった。今から80余年前、そこにあった学び舎にありし日の吉良少年が在学していたのかと想うと、感慨もひとしおである。

私の2列前に座っていたこともあり、堂々とした発言だったので「大学生ですか?」と休憩時間に彼に声を掛けてみた。すると、「いいえ。高2です。」と言うのでビックリし、思わず「植物に関して何か自由研究でもしているのでしょうか?」と尋ねると、本人曰く「文系で、法学部が志望で刑法の運用に関心があります*4」との返答だったので、重ねてビックリです。植生はたまたま学校の授業で教わり、個人的に興味を抱いた内容だったので今回、講演会に参加したそうなのだ。

*4 現行の学校教育の下では試験に出る/出ない、あるいは入試に役立つ/役立たない・・などの安易な判定で一律に篩ってしまいがちである。その風習による弊害によって、どれだけ本来ならば伸びたハズの好奇心や将来の無限の可能性の芽を摘み取ってきてしまったのか計り知れない。罪を犯すに等しいかと思う。

実は、問いを発する力である「質問力」は正解を答える力より遥かに価値を秘めている。この事実に以前、気づき卒業生の岩田くんをエコツーリズムの視察コースのバス旅行に参加した際、質問力を鍛える訓練を実践して貰ったコトがあった。"正解主義"が覇権を握ってしまっている日本の教育界では顧みられることは稀であるが、あれから2年余りの間に「人生が変わるぞ!」と質問力を磨くことの真価が認められるように一変してきた。学校教育だけが、世の中の流れに取り残されてきた感が拭えない(竹内記)。

アート&サイエンスコース

最新の記事

月別でブログを見る

通信制高校のルネサンス高校グループ > 学校 / 連携キャンパス等 > ルネサンス大阪高等学校 > ルネサンス大阪高等学校ブログ > 教員 > アート&サイエンスコース > 大学が高校生&高校教員向け記念講演主催

最新お知らせ・ブログ4件

ルネ大阪広報

ルネ大阪広報

ルネサンス豊田高等学校

ルネ大阪広報

 

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」
「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制から大学や専門学校の受験って大丈夫?」

資料請求はこちら
ネット出願はこちら
プライバシーマーク

ルネサンス高等学校グループは通信制高等学校です。
全国に3校(茨城・豊田・大阪)、キャンパスは7拠点(札幌・仙台・東京・新宿代々木・豊田駅前・広島・福岡)展開しており、全国各地から生徒を受け入れております。

Copyright © Broadmedia Corporation. All Rights Reserved.

もっと知りたい方はコチラから
「学費ってどのくらいかかるの?」「どんな勉強ができるの?」
「本当に年4日程度のスクーリングで卒業できるの?」
「通信制高校から大学や専門学校の受験って本当に大丈夫?」

資料請求
いますぐ出願したい方はコチラ
パソコン・スマートフォン・タブレットから簡単出願!!
検定料は、クレジットカード・コンビニ決済で!! 24時間受付中
ネット出願

通信制高校への入学・編入転校をお考えの皆様へ

ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城愛知大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木愛知・豊田名古屋大阪・梅田広島福岡) を置く広域通信制高校です。 どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。 一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。 ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。