教科書も教員も介さずに「自然」から学べる(2020年04月19日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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教科書も教員も介さずに「自然」から学べる(2020年04月19日)

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教科書も教員も介さずに「自然」から学べる(2020年04月19日)

教科書も教員も介さずに「自然」から学べる(2020年04月19日)

新学期であるのに学校が開校しない。実は目下、世界的規模で起こっている大問題です。が、ここで考えてみて欲しい。自動車は便利であるが、自らの足で歩く脚力が弱まるものです。薬剤も便利だが、自然治癒力を弱める。スマホも便利だが、それとて使い方次第。学校や教員は、真に生徒の成長に貢献してきたのでしょうか?

所詮、教員が生徒の代わりに「お昼食べておいてあげる」、「トイレへ行っておいてあげる」、それは無理です。生徒自らが学びたい場合にだけ、身につくものです。無論、困った時や助けて欲しい場合、教員は力になれるはずの存在でした。しかし、生徒に教えるモノと決めておいて、押し売りされても、どうなのでしょうか?

だから、私は旧スーパーサイエンスコース、現アート&サイエンスコースでは、教員である私自身も答えを知らない問いを見つけ、一緒に取り組むようにして制度設計をして来たのです。しかし、生徒の皆さんは既に日本の学校教育のスタイルに慣らされてしまっていて、私の教育理念を受け留めて貰うコトができなかったのではないでしょうか? 無理もありません。同僚教員や経営幹部でも、ギャップを埋めるのに抵抗あったかと思えます。

私の教育方策は突拍子もなく見えたのかも知れませんが、実は世界標準のスタイルなのです。私自身は1970年まで日本に確かにあった偏差値導入以前の理科教育に触れるコトができました。それを復興させたくて、ルネサンスの名を持つ通信制高校へ国立高専の教授職を5年早く辞し新設校へ加わりました。大阪校の認可が下りる前から高専生には申し訳なかったけれど、中途退職する旨を伝え、新しい教育デザインをするために大阪へ来たのです。通信制高校でも、"平易"な内容を"高度"に扱う*1仕掛けをしてあります。

*1 「平易だが、高度・・」とは矛盾するとお考えでなのしょうか? いいえ、高度な扱い方をホントにしたいのならば、敢えて平易な内容を選ばないと無理なのです。

私が今回、ウイルスの専門家でもないのに、新型コロナウイルス(covid-19)について語るのは越権行為と感じられるかも知れませんが、私の中ではイシマキガイの中腸腺に巣食う腸炎ビブリオ(病原菌)とカワザンショウガイに寄生する二生吸虫(寄生虫)グッピーや金魚の外部寄生虫を扱った経験から、パラサイト(寄生生物)が持つ性質を自分なりに理解し、生物学ないし環境中における全体像を作ることがデキていたから、当然、理解が早い*2のです。ただ、日本では、学校教育を"白紙"に色に染めて行く作業(処女信仰)だとの誤解が根づよくあります。海外は真逆。多種多彩な経験があって嫌われることなど、あり得ません。

*2 別の例を出せば、直ぐ解って貰えそうです。例えば、相撲からレスリングに転じた力道山の例が、ありますし、何かの経験を積んだ人であれば、応用が効きやすいのです。

加えて、自分で考え出した説であれば正誤を問わず尊いのです。これが、海外の教育の基本です。学校教育が「答え合わせ」が勝る道理はありません。人は学べば自力で訂正して行けるからです。この基本が、日本の学校教育に欠落しているから、生徒たちを正誤の判定で、バッサバッサと切り捨てて行き、意気消沈させてしまうのです。所詮は自然科学の世界ですら、正誤が絶対的ではなく訂正されて行く宿命です。その肝心な点を教えていません。余程、新しい何かに気づいたり、発見したり、意見を形成することの方が遥かに評価に値する真価があるのですが、日本の学校教育で欠落している点です。

解法のパターンに当て嵌めて解く学びなど、世界で通用しません。世界はおろか、自国の社会の中でさえ通用しません。これは、実務の世界に行けば自明のコトです。私が生徒を指導する時、しばしば「私が今、説明したコトは以前から知っていたことを話していると思う?」と敢えて聞きます。生徒も心得たもので「今、即興で考えついた説明でしょ。」と答えるようになります。私の指導スタイルでは、正解を予め用意していません。そんなコトをしても面白くないし、お互いに賢くならないからです。それは教育ではない・・と言う教員もいるかも知れませんが、この力を身につけないと、学生時代は優等生で誤魔化し通せても、実務で貢献できるようにはならない*3と私はそう断言します。

*3 ここでイメージする仕事は、決まり決まったルーチンワークではなく、何らかの創意工夫が求められる業務に限ります。研究開発だけに限定したものではありません。接客でもそうです。外資系なら創意工夫は要求されるものですが、日本企業では「言われた通りにやればイイ。余計なコトはするな!」が通り相場なのは、学校教育仕込みです。皆、日本の学校教育が正しいとの大前提に立っているので、"魔法(呪い)"が解けないのです。

具体的な例を示します。最初の図(上段・左)の均質な粒々は何だと思いますか? これは淀川の干潟の底泥です。粒は巻貝の糞です。ヘドロが泥でなく巻貝の糞粒だったとは驚きでしょう。が、外国の海洋生物学のテキストでは(写真はなくても)記載があります。糞粒上に生えた細菌細胞を繰り返し食べて、タンパク質で窒素分を補うと記されています。代表的な糞食者は2番目の図(上段・中)のカワザンショウガイです。糞食することは、採集してきて室内で飼育いていたら糞粒を貯めて、それでも餌なしで生存し続けるので明らかです。泥なしで砂だけで飼育していると餌が枯渇し、餓死することからも明らかです。

本流の影響のない安定した区画では、ただの泥に見えてもこのような糞粒に富んだ干潟(上段・右)が形成されているので驚きです(河川の流況によって撹乱されます)。底泥上の糞を繰り返し食べる性質があるので、水鳥(最終宿主)が落とした糞の中に寄生虫の卵があれば巻貝(中間宿主)の中で寄生虫が取り込みます。巻貝は硬い貝殻に守られているようですが、よく見ると破損していました(下段・左)。その原因は、判然としていません。今、答えを知らないことが「楽しみ」にこそなっても、「恥じる」ことにはなりません。この絶妙なセンス=まだ解けてない謎を持ち続ける感覚=を私は高校時代に身につけて欲しいし、私の試験では「あなたはどんな疑問を持ち続けていますか?」との問い掛けをしたいくらいです。無論、一つも「持ち続けている問い」を答えられなかったら、学びに向かう姿勢がないものと、私だったら判定する方針です。私のスタンスでは、教育上、不都合でもありましょうか? 

次の図(下段・右;白い矢印は寄生虫、黒い矢印は鎌状の鉤)は、魚類(グッピーや金魚)の外部寄生虫です。巻貝の内部寄生虫は生態系の中を通過するだけで宿主に対し致死的ではありません。ところが、外部寄生虫は最後、宿主を殺してしまうのです。私は、この寄生虫の生物学的な意義について、当惑しました。宿主を殺してしまっては自分も困ると思ったからです。しかし、弱った個体に憑りつき殺すので、生態系の中で弱者を間引く役目があるのだと気づきました。増え過ぎて若干、過密状態にあったグッピーの個体数を抑制する役割があったのだと納得しました(カイミジンコが共存している時には、寄生虫が捕食されていた様子*4)。

*4 これは、まだ仮説段階で実証できる機会を待っている状態です。この"待ち"のスタンス=待機状態=こそ、学びのスタンスを保った状態で、何か新しい発見が起こるのは、この「待機状態(=作業仮説と呼ぶ)」に入る感覚を身につけるコトからです。日本の学校教育では、この種の指導指針は皆無だろうと思います(英国にもありませんでしたので、今からでも十分ですので、日本独自に事例を集めて行きましょう。皆で探せばエンドレスに見つかるものです)。

さぁ、いかがでしょうか? それほど難しい内容ですか? 単純な内容だと思います。が、書物よりも現場で観察した内容が起点である方が、オリジナリティに富んだ発見が期待できます。何よりも大切なのは動機づけで、得点・成績・合否(外発的動機)でなく当の本人がワクワクできる(内発的動機)か否かによります

私がおススメしたい新時代の学び方は正直、泥臭いものですが、"一生の宝"になる持続性があると思います。試験や入試対策の学びって、及第点を取り、合格したら後はもう関係ないでしょ。一生、記憶に残る入試が皆無だとまでは言いません(私にも多少程度ならばありますので・・)。が、そう滅多にないのではないでしょうか(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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付記:昨年の夏、生徒と一緒のグッピーの水槽を洗浄し、無用な存在だと感じたカイミジンコを不用意に駆除してしまったことで、ギロダクチルスという外部寄生虫(北欧のアトランティック・サーモンを壊滅させた原因生物)が出現し、犯人捜しから駆除対策まで1週間の集中活動を経験した(8月22日から8月30日)。この時の経験は無論、人間の命を奪う病原ウイルスの比ではないのだが、高校課程のどの内容より重なる点があった。動物の血肉を喰らうコウモリが病原ウイルスを蓄積しやすい仕組み*5も巻貝が寄生虫を取り込みやすい性質のアナロジーとして、「あゝ、なるほど・・」と捉えることができた。

*5 期間限定(6月末まで)無料公開中『情熱大陸"新型コロナ"研究室の闘いを見た(河崗義裕博士)』

執筆時点(4月19日現在)、covid-19の猛威は拡大の一途で、感染ルートが終えるクラスター感染から、市中感染に展開し、院内感染*6から家庭内感染にまで至っている。学校教育関係者は、これまで迫真性と向き合う経験は乏しかったと思うが、実務現場とは大なり小なり「教習所内コース」ではなく「路上教習」と同様、死と隣り合わせなのである。私も下水処理場の現場に勤務してきて「自分はここで死ぬのだろうか?」と感じたことが幾度か、ある(労働安全意識の高まりから毎年、改善されて行った)。

*6 放送日(4月19日当日)『情熱大陸"新型コロナ"院内感染を防げ(感染管理専門家・坂本史衣女史)』

日本の学校教育(特に、高校教育)に欠けていた点は、学校での学びを実社会と関連づけて行く努力であったと、私は強く思う。真の教育を"受験対策"で代用してきたことの代償は大きいと感じる。それが今回、このような切迫したリアリティで紹介しなければならない事態が、慚愧に耐えません。番組に最後で坂本女史が述べていたように「(コロナ禍は)いつか終わる。」のは確かであろう。生物学的に唯一つの生物が無限に増殖し続けることはあり得ないからだ。人間だけが無節操に右肩上がりを目指してきたと言う事実を否定はできまい。人間自らが踏まないから今回、ブレーキが掛かったのだと言えまいか竹内記)。

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