淀川で採集した巻貝を使った「免疫学実習」(2020年05月16日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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淀川で採集した巻貝を使った「免疫学実習」(2020年05月16日)

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淀川で採集した巻貝を使った「免疫学実習」(2020年05月16日)

淀川で採集した巻貝を使った「免疫学実習」(2020年05月16日)

教育デザイン室長の竹内です。先日の大潮の干潮時に採集してきた淀川の野生のイシマキガイを使って身の回りの材料だけで免疫学の実験をトライしてみました。材料費も、野生個体の捕獲とスーパーや通販で買えるモノばかりなので基本*1、タダです(笑)! 高校の理科室の中でも工夫次第で、こんな活動だって実現デキちゃうんだ・・と知っておいて下さい。

*1 高校の理科室の設置基準を若干、逸脱するとしたら対物x100油浸レンズと染色液のフクシン(メチレンブルーでも代用可)くらいでしょうか(細菌サイズ=1μmの観察用に必須です)。

今、世の中、コロナ禍(covid-19)で大騒ぎの最中ですね。どうもcovid-19の持つスパイク(抗原タンパク)は肺胞だけでなく、人体の他の部位も親和性がある様子だと言われてきました。

今のところ公表されている部位は、男子の精巣、次いで血管内壁に血栓をができるリスクが指摘されました。無論、確定ではありませんが、新型コレラウイルスも気道へ入るメインルートだけでなく食道を経て、消化管に到達していくバイパスが解ってきました。キッカケはパリの下水道を経た河川水中からウイルスが検出されたことに由来します。それを受けて、東京都下水道局でも下水処理場で同ウイルスのモニタリング調査に着手したそうです(正真正銘、竹内の昔の職場です!)。

これまで気道からの侵入を対策してきましたが、消化器系のウイルス(ノロウイルス)とは異なり強烈な腹痛や脱水症状を引き起こすウイルスではありませんので、軟便か軽度の下痢をする程度で収まります。が、腸壁(柔毛突起)の防御バリヤーを突破されると毛細血管から侵入し、ウイルスが全身を巡る血流に乗ってしまう恐れがあります。免疫抗体(液性免疫の血清)が作られればウイルスをマスキングすることができますが、civid-19の抗体は当初、期待されたほど強力ではない疑いも出ています。そうすると、細胞性免疫であるマクロファージなどの食細胞に侵入したウイルスを貪食して貰う必要があります(定着・増殖する前が制圧の好機)。

マクロファージを活性化させるには、体温を若干、高めに維持し、抑圧的なストレスを軽減し、マクロファージの活動を支援するような食生活を心掛けることが大切だろうと思われます。先ず、腸管免疫を強靭化させるには食物繊維(水溶性・非水溶性とも)の多い食材*2を選ぶ(日本の家庭料理に元々、使われてきた)と意外と直ぐに効果が出るそうです。

*2 玄米(燕麦)の他、根菜類、海藻、キノコ、小魚・小エビなど、食卓でお馴染みであろう。加えて、調味料としての味噌・醤油や自家製のヌカ漬けなど、漬物も免疫力の維持に繋がる(過去の記事を参照)。

今回、細胞性免疫に対する効果を把握するため、手頃な実験材料であるイシマキガイを小さなプラ容器に移し、僅かな水に貝を浸し、各種物理・化学的な刺激*3を巻貝に与え、粘液などを分泌さえました(特に、唐辛子エキスを供与した個体は早期に脱糞したが、死滅はしない)。

*3 楊枝で繰り返し突く(物理的な刺激)、フィコシアニン(ガリガリ君ブルーの天然色素)、一味唐辛子の水出しエキス(カプサイシン)、緑茶(八女茶)の水出しエキス(カテキン)。

上記の4通りの物理・化学的処理を施し、放出された粘液をスライドガラス上に定着し、風乾後に常法に基づき火炎固定を行い、フクシン液で単染色後、油浸系x100で検鏡しました(染色性の向上にメタノール固定も推奨されている)。

その結果、物理的な刺激とカプサイシン(辛み成分)では粘出物中に通常の細菌細胞が認められたこと以外には、特記すべき事項は認められませんでしたが、フィコシアニンとカテキンは各々、想定外の結果が得られました。すなわち、フィコシアニンを投じるとマクロファージが大量に放出され(細菌細胞は見つからず)、カテキンの場合は何か結晶化した立方体様の構造物(これを"cubicles"と仮称*4)が作られていました(いずれも、画像・下段・右を参照)。

*4 新発見の現象や構造物には、発見の当事者がそれに相応しい命名を暫定的に行う習慣が望ましいと思う。不都合があれば、訂正するなり撤回するなりすれば良いので、議論を進めるために暫定命名は奨励したい(それを実践していた中学生に以前、会って対話したこともある)。彗星の発見者の命名権などはエレガントな慣例ですが、夢とロマンはあった方が楽しめます

今後、この方向で探究活動を継続して行きたい。コトの発端は、健康食品のスピルリナ製剤を餌としてイシマキガイに与えたら水溶性色素のフィコシアニンが拡散し、貝が忌避して水中から逃亡したので特異な生理活性があることに気づき、水中には細菌細胞(酵素基質培地による培養によって腸炎ビブリオ類縁菌であると判明)を排出する現象の方を先に確認していました。その時に同時に見たアメーバ状の存在が、謎でした。今回、フィコシアニンでマクロファージがで賦活化され、腸炎ビブリオを貪食した痕跡が見られました。コロナ禍が契機となり、免疫系に対する関心度が深まった事情が功を奏したものと言えます。

一方、カテキン成分を添加した実験系でも細菌細胞は見当たらず、上記のcubicleが多数、作られていたのが判明しました。恐らく細菌細胞の表面をカテキン成分がコーティングし、相互に凝集し合ってキレイな立方体構造を形成し、細菌細胞を固めてしまったのだと推測されます。この解釈が妥当だとしたら、緑茶成分でうがいをしてcovid-19のウイルス粒子を凝集させ、固めては結晶化させてしまう効果もあながち"気休め"効果ではないとの裏づけが取れたので、改めて問題意識の向上が必須なのだと実感します(コロナ禍が起こらなければ、ここまで踏み込むことはなかったと思います)。

高校の理科室規模であっても、ここに例示したような自由な探究活動を実践し、新たな発見を経験し、自信にして行く学びが実践できることを認識して欲しい。このような学び方に触れるコトで、高校生が今、自分たちが生きる社会で現実に起こっている出来事に肉迫して行くことを通じ、社会に参加して行く意欲が芽生え、自ずと未来への決意が固まるのではないだろうか(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:マクロファージ観察に使ったスピルリナ製剤と抽出精製されたフィコシアニン(ガリガリ君ブルーの天然色素)、同・上段中:刺激付与実験(左上:楊枝で反復突き、右上:フィコシアニン、右下:唐辛子エキス=カプサイシン、左下:水出し緑茶=緑茶カテキン)、同・上段右:楊枝を使った物理的・機械的刺激(上部のハメコミは、唐辛子エキスで脱糞した糸状の糞塊)、同・下段左:実体顕微鏡下での粘出物の観察、同・下段右:粘出物の塗布標本の染色像(左上がスタートラインで、後は時計回り)

付記:よく「高校で基礎知識を学び、大学で専門的に学べば研究ができる」ようになる・・という前提の主張を耳にする。ホントであろうか? 逆に現行の高校課程は総花的なカリキュラムこそ、生徒の学びへ向かう意欲を喪失させ、才能を潰してきたように私には映る。英国は、中等教育を16歳でGCSE(卒業試験)を受け、大学出願できる大学のクラスが確定する。それに続く17歳と18歳の2年間で大学進学後の専攻分野の概論を学び、A-level試験を受ける。これが、英国の大学入試である(British Councilの案内文)。

英国の大学入試を統括する機関(UCAS)も国が設置したのではなく、大学生が後輩の便宜のために設置したという"民主主義のお手本"である何でも国家が決め、国民は黙って従えという文化と余りに段違いなのだ。その意味では、日本はまだ"野蛮な未開国"にも等しいと思える)。このような他国との相違こそ本来、民主主義を学ぶために日本の高校教育課程の中で教えるべき点なのであろう(さもなくば、自分で学び取るしかない)。真に社会の成熟と経済の発展を目指したいのなら、国民が真実を学び取って行く過程を不都合だから都合で隠したり操作を加えていたら、日本人が毛嫌いしている近隣国家(敢えて国名を表記しないが)と大差ないことが露呈してしまう。国民を学校教育でコントロールしていく旧式な時代を脱し、真の意味で国民が賢くなるべき歴史的な段階に来るキッカケになったと後世、コロナ禍が歴史に刻まれて行くものと考えている。高校生諸君には欲得に縛られず(そのため先般、トヨタイムズを紹介した、過去から未来へと連綿と続く歴史の真っ只中を生きて行って欲しいと、後の世を託す者*5として切に願うものである(竹内記)。

*5 日本の"偉いはず"の大人どもは欲得に塗れて、この持つべき気高い精神が欠如していたのだろう。心から大人の一人として恥入る他はない。日本の要人が無様に見えてならない。どうか世界へと着目して欲しい。そのためにこそ、学んで欲しい。日本人は世界から期待されているので、真摯な気持ちで臨めば外国の要人は無名の私を相手にしてくれた。世界銀行の環境顧問と私が知り合いだったのはホントのコトだ。まだ野蛮な日本に裏切られたとて、私は世界を相手にしてきて、心が熱くなる気持ちを幾度も味わってきた。だから、それは厳然とした日本の世界の差なのである。高校生の諸君にも、熱い体験をして欲しい。それを知らぬまま今を生きて、そしていずれ死ん行くのでは、余りにも授かった人生が惜しいからだよ。冒険をして欲しい。私は、こうして目の前で見せているじゃないか? 若さがあれば恐れるものはない。

追記:本稿の脱稿後(17日)、報道上、専門用語の用法が混線していた感がある抗体検査・抗原検査・PCR検査の正しい使い分けと意味が掲載された。私自身、免疫抗体の作成業務を委託発注・監督した経験があり、PCR検査に至ってはプライマーの設計から始めた。経験があれば正しい使い分けができる。だから私は正しく発信してきたつもりである。しかし、それだけでは実は不足で、聞き手の側も何か別のことで構わないが何かに参画してきた経験が必要とされる。それが学校の教科書とノート、授業と試験ではママゴト遊びと大差なく経験不足なのだ。だから往々にして社会で真剣に働いた人の方が学校で勉強三昧してきた人より理解力があるのは、自分の経験と照合して(内容以上に体験で)理解しようとする底力が身についているからである。海外の若者(稀には日本の若者も)は高校から大学にストレートに進学せず、バックパッカーとして世界各地を見て回ったり、働いてお金を貯めてから大学へ入る、そんな人生を選んで来たのも、相応の道理があるワケなのだ。

資料:NHK『高校講座』の中から「免疫」に関するコンテンツが2点ありましたので紹介します:1)細胞性免疫、2)体液性免疫、3)免疫とヒト(免疫療法)※京都大学再生医科学研究所(再生免疫学分野)河本宏教授が解説します(音楽やイラスト交えて・・)。※ルネ大阪のアート&サイエンスコースの売りは、免疫細胞を(巻貝のですが・・)お見せデキるコトです。あ、材料がない時は淀川に「巻貝、採って来るわ~」と採集に行かないとなりませんが・・。舞台裏までお見せできちゃいます! 問題生じたら、一緒に研究開発をしましょ!

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