通信制高校ルネサンス高等学校

「教育の自由」をめざして今も / 犬塚名誉校長

ルネサンス高等学校

「教育の自由」をめざして今も / 犬塚名誉校長


今朝も雪がちらつく寒い日でした。レモン入りお湯割り焼酎を飲みながらテレビをつけていたら,「伝説の女優・原節子さんについて,映画評論家の佐藤忠男さんは...」とNHKニュースのアナウンサーの声。画面に白髪の老人,スカッとした感じの佐藤さんの姿が映り出ました。映画評論家というより,ぼくにとっては「教育評論家」の佐藤忠男さんです。
佐藤さんは,ぼくより12歳上の85歳。ぼくが名前を知ったのは,20代の最後の頃に読んだ『教育における自由』(国土社新書。絶版)でした。それは,中学教師を一度退職して教師としての生き方を模索していたときでした。

その頃に書いた「わたしの教師論」という論文の中で,この本で感動したところをいくつか引用しています。――「がまん強さということと,意志の強さということを混同してはならない。がまん強さというのは,単に不愉快なことに耐える力であるにすぎないが,意志の強さというのは自分で目標を設定して,それをなしとげる力だ」とか,前回のブログでたまたま紹介した「意志力は,(がまん強さのように苦労の関数ではなく)希望と意欲の関数なのである」もそうです。

 じつはこの1カ月ほど,茶色に変色した『教育における自由』を読み返しています。そして,若い先生たちに紹介しています。でも,佐藤さんの姿を見たことがありませんでした。それが40数年たって初めて,しかもこの時期に,ほんの数秒でも顔を拝見することができたのがうれしいです。

この偶然に,「♪不思議だね,こうして出会えたこと...」と口ずさんでしまいたい気分です。そして,教育における自由とは何か。それは,「たのしく学び,たのしく教え,たのしく生きることだ」と自分の生き方を再確認するぼくでした。
                                                   2016.1.25(夜)

             *

一昨日の土曜日には,「昔のことをうれしく思い起こす時間」をプレゼントしてもらいました。24年前に担任していた西尾市鶴城中学校1年8組の生徒さんたちが開いてくれたクラス会です。「いつかどこかで」のクラスメイトのやっている居酒屋さんで,集まった20数人ほどの人たちとのうれしいひとときでした。彼らが学年末に作ったクラス文集『いつかどこかで』に寄せた,ぼくの文章の一部を紹介しておきます。

――1年8組は何かと目立ったクラスでした。他の先生には一番よく注意を受けたんじゃないかと思います。「もっと静かに朝学をやってほしい」「チャイム席も気になるなー」とかいろいろ思ったけど,ま,いいか,元気に学校に来てればそれが一番。いいこと・悪いこと・うれしいこと・悲しいこと,それらをひっくるめて勉強できるのは今しかない。それを通して〈自分の判断力を高めていってほしい〉と思いながら,あなたたちの成長を信じ,見守ってきました。そして今,「みんなよく成長したよ!」って思えるのがうれしいです。これはあなたたち自身で学びとった貴重な財産です。
「変な先生でごめんなさい」とは言いません。「いい先生でよかったでしょ」とも言えません。「いつも笑顔で元気です」に似合ったクラスであったことがうれしいです。みなさんが「いいクラスだった」と言ってくれたのが一番うれしいです。ありがとう。4月,会えるかな? 廊下で会ったら,これまでのようににっこり挨拶してください。理科準備室にも遊びに来てください。(1992.3.20)

でも,ぼくは彼らと一緒に2年生には行けませんでした。こういうことは学校ではよくあることです。だから,こうしてうれしい時間をプレゼントしてもらえたのでしょう。どちらに転んでもシメタ!ですね。

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