通信制高校とは
公開日:2021.10.14
最終更新日:2023.07.03
通信制高校とは
通信制高校とは、通信による教育を行う高等学校で、自宅などから学習課題を提出することで単位を修得していく学校です。そのため、学習するために特定の場所に通う必要はありません。文部科学省の調査発表によると、高校生13人に1人が通信制高校を選んでいることになり、2023年現在まで、通信制高校の生徒は増加し続けています。
今回は、初めて知った方に向けて、通信制高校の基本知識を分かりやすくお伝えします。
目次 - Contents
通信制高校とは
通信制高校ってどんな仕組み?
通信制高校では、全日制高校や定時制高校卒業と同じ「高等学校卒業資格」を取得することができます。
高校卒業には、高等学校に通算3年以上在籍すること、必修科目を含めて74単位以上を取得することなどが必要です。この卒業条件はどの高校でも変わりませんが、通信制高校では、毎日の通学の代わりに通信で授業を行い「レポート(課題提出)」、「スクーリングへ(面接指導)」、「テスト(単位認定試験)」を通して単位を取得します。
学習システムや施設などの環境により、レポートの頻度やスクーリングの日数、テストの回数は、同じ通信制高校でも学校ごとに異なる場合があります。
どんな人・生徒が通信制高校を
選んでいるの?
通信制高校の学習内容
通信制高校の学習は、レポート(課題提出)、スクーリング(面接指導)、テスト(単位認定試験)によって進められます。
-
レポート(課題提出)
教科書をもとに学校が定めた課題を提出し添削指導を受けます。学習方法は学校によって様々であり、「紙のレポートを郵送」 「スマートフォンやタブレット、パソコンで学習してネットで提出」といった方法で自宅学習が中心となります。
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スクーリング(面接指導)
一般的な通信制高校では年20 日程度登校して、直接先生からの指導を受けることをスクーリングといいます。スクーリングは学校所在地で実施されます。履修している科目の面接指導で受けられる他、自学自習でわからないところを、登校した時に 先生に質問することができます。
※ ルネサンス高校は文部科学省に認められたメディア学習を用いることで登校日数が減免され、登校日数は最短で年4日です。
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テスト(単位認定試験)
学校が定めた課題を提出し、スクーリングに参加した後、学習の総仕上げであるテストを受けることで単位が認定されます。
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通信制高校のメリット・デメリット
入学する前に把握しておきたい通信制高校のメリット・デメリットと、その解消法を合わせて紹介します。
通信制高校と全日制高校・定時制高校の比較
通信制高校の歴史は、1948年に学校教育法が制定された際に「全日制・定時制の高校に通学することができない青少年に対して、通信の方法により高校教育を受ける機会を与える」ために設立されたのが始まりです。近年では、専門分野を取り入れたカリキュラムや生徒一人ひとりに応じた柔軟なサポートを行うといった魅力から、通信制高校を選ぶ中高生が増加傾向にあります。
通信制高校に対するイメージはなんとなく理解しているけれど、具体的な制度についてはわからないという方向けに、全日制高校や定時制高校と比較しながら解説していきます
通信制高校・全日制高校・定時制高校とは
通信制高校、全日制高校、定時制高校、どの学校に通っても、取得できる高校卒業資格は全く同じです。大きく違いがあるのは、「学習制度」「学習方法」や「登校頻度」、そして「通学区域」になります。
通信制高校 | 全日制高校 | 定時制高校 | |
---|---|---|---|
学歴 | 高校卒業 |
高校卒業 |
高校卒業 |
学習制度 | 単位制 |
学年制 |
学年制/単位制 |
就学支援金 | ◯ |
◯ |
◯ |
卒業年数 | 3年 |
3年 |
3~4年 |
学習方法 | 課題提出(ネットor紙) |
対面授業 |
対面授業 |
登校 |
年間20日程度 |
週5日 |
週5日(夕方/夜) |
通学区域 | 狭域制または広域制 |
学校により指定あり |
学校により指定あり |
学習制度「単位制」「学年制」とは
-
学年制
各学年での教育課程の修了を繰り返すことによって学習していく方式のことです。全日制高校の大半は「学年制」を採用しています。その学年での成績や出席日数が基準に満たなかった場合は留年となり、翌年も同じ学年を繰り返すことになります。
-
単位制
単位制(たんいせい)は、履修科目を単位と呼ばれる学習時間数に区分して修得していく方式です。3年以上高等学校に在籍し、定められた卒業単位以上を修得すれば卒業できます。「1 年次の単位を落としたから2 年次に進級できない、留年になる」ということはなく、通信制高校や定時制高校の大半はこの「単位制」を採用しています。
学費(授業料)と就学支援金について
ご家庭の教育費負担軽減を目的とするもので、授業料の一部を国が負担する制度です。正式名称を「高等学校等就学支援金」と言います。
国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす場合に支給され、全日制高校だけでなく通信制・定時制も対象となります。
通信制高校をもっと詳しく!
通信制高校の生徒数の推移-13人に1人が通信制高校へ!
生徒数

少子化で高校生数自体が減少する中、通信制高校に在籍している生徒は238,267名
と年々増加しています。高校生の
13人に1人が通信制高校生となります。
(文部科学省「学校基本調査」調べ/令和4年12月21日)
通学区域「広域」と「狭域」について
通信制高校には「広域通信制高校」「狭域通信制高校」の2種類があります。
広域と狭域の違いを知ることで、住んでいる都道府県を基準に、志望する通信制高校への入学が可能かどうかを判断できます。

広域通信制高校
「本校所在地(学校所在地)の都道府県+2都道府県以上」の地域に在住している方が入学できる学校です。
狭域通信制高校
「本校所在地(学校所在地)の都道府県+隣接する1都道府県」の地域に在住している方が入学できる学校です。
広域制通信制高校の場合でも全ての都道府県からの入学が可能という訳ではなく、学校ごとに入学可能な都道府県は異なっているためよく確認するようにしましょう。
サポート校ってどんな仕組み?

通信制高校は、各地域の「サポート校」と提携をしていることがあります。通信制高校によっては、学習指導を受けるには学校が遠すぎることも多く、各地域にある通信制高校と提携したサポート校に通うことで集団や個別での学習指導を受ける仕組みになっています。
サポート校によって基礎学習、生活指導や受験対策まで様々行われますが、学習をサポートする塾のような位置づけになっています。通信での高校生活を手助けしてくれますが、サポート校だけでは高校卒業資格が取れません。また、通信制高校と提携していてもサポート校の費用は別でかかります。
通信制高校選びのポイント

普段の学習スタイル
通信制高校は名前の通り、通信教材を使用して卒業に必要な学習を進める仕組みの高等学校です。学校によって以下のような学習形態があります。
- ネットで学習・提出(オンライン)
- プリントやテキストで学習・提出(郵送)
- サポート校で学習・提出
学校ごとに様々なので、自分の希望する学習スタイルに合った学校を選択しましょう。
ルネサンス高校はこのうち「ネットで学習・提出」に該当します。 さらに、先生だけでなく保護者様もネットから生徒の学習状況を確認できるので安心です。
スクーリングの日程や内容

通信制高校を卒業するには必ずスクーリングに参加しなければなりません。学校によって登校日数や登校先が異なるため、どのようなスクーリングに参加するのか入学前に把握しておく必要があります。
自宅から遠く離れた都道府県でスクーリングが実施される場合、現地までかかる交通費等の費用面や、万が一体調を崩してしまった際のキャンセル料や早退対応の有無といった心配があります。社会人や主婦の方であれば仕事や家事育児との日程調整が可能かどうかを確認しておく必要もあるでしょう。
学費

通信制高校の学費は年間約数万円~100万円超と学校によって差があります。 この差の大半は「サポート校」や「オプションコース」に在籍するか否かが関わっています。通信制高校は、授業料の一部を国が補助する高等学校等就学支援金の対象となりますが、サポート校やオプションコースの費用は対象外のため、合計の学費は高校3年間にどんなことを学びたいかによって違いが出ます。高校卒業をすることを基本に、他にも学びたいこと、身につけたい資格や学びがあるかどうかで比較をすることが必要になります。
学校や先輩・先生の雰囲気

通信制高校のサイトを見ると「学校見学」や「オープンキャンパス」、「個別相談」といった入学前相談の案内が掲載されています。パンフレットや学校サイト、SNSの口コミなどを見てみて気になった学校は、入学前相談に来校することをおすすめします。実際に校舎を訪れたり、入学前相談の職員と話をすると、その学校の雰囲気や登校している在校生の雰囲気がわかるからです。先生と生徒の距離感や、校内の掲示物、清潔感など、実際に来てみないとわからないポイントを見つけてみましょう。
オプションコースをご希望の場合
通信制高校でも「週に数日は登校したい」といったニーズが多いため、通学があるコースを用意している通信制高校が多いです。週に何日、どの時間帯に通えるかを選択できるところもあれば、曜日や時間が決められているところなど、学校によって通学スタイルは様々です。 週5日毎日通学したいのか、週2日で十分なのか、どの程度の通学を考えているのかをご家庭で相談しておくと良いでしょう。

通学スタンダードコース
基礎学習だけでなく、プロジェクト学習などを取り入れた体験の多い講義やイベントを展開。きちんと通うことで進学にも有利です。

Y-STYLE
横浜キャンパス限定の「Y-STYLE」カリキュラム。学習のサポートをはじめ他の生徒との交流、様々なフィールドワークに参加することができます。
また、専門分野のコースを開講する学校も増えています。最近ではeスポーツコースが注目されていますが、同じようなコースでも、学校によって学習内容や環境、コース費用が異なります。 通信制高校と専門スクールが提携して開講されているコースの場合、セットでの申し込みを案内される場合が大半ですが、個人的に別のスクールに申し込む方法もあります。

eスポーツコース
一流講師陣を揃えeスポーツスキルだけでなく「実用レベルの英会話能力」「コミュニケーション能力」「強いメンタル」を育てます。

アコピアK-POPコース
自宅にいながら韓国人トレーナーからK-POPを学び、大手韓国芸能事務所の練習生をめざします。韓国メイクや健康的なスタイル、メンタル維持を目的としたカリキュラムも展開します。

代アニコース
声優界のレジェンドを多数輩出し、43年の歴史と卒業生12万人以上の実績を持つ「代アニ」で基礎から学べます。

ダブルスクールコース
大学進学や留学、各種資格の取得、夢の実現等、ルネ高に在籍しながら自分のステップアップに最適な提携校に通うことができます。
よくあるご質問
- 最短年4日の登校で高校卒業資格を取得できるのですか?
-
普段はネット学習によるレポート提出が必要です。必須登校日は最短で年4日となり、あとは自分のやりたいことに時間を使えます。 時間を有効活用しながら、全日制高校と同じ『高校卒業資格』を効率よく取得できます。
※高校卒業の為には上記の登校の他、ネットによるレポート提出、学校での定期テストを受けていただくことが必要です。 - 転入と編入の違いは何ですか?
- 現在、通学・休学に関わらず別の高校に在籍している方は、「転入」扱いとなります。 在籍している高校からの転入手続きが必要です。年間を通じていつでも転入が可能です。 以前に高校に在籍していても、中退などで現在は高校に通っていない方は「編入」扱いとなります。最後に通っていた高校から書類を発行してもらうことが必要です。学校によって決められたタイミングでの入学となります。
- 在籍している高校(または以前在籍していた高校)で修得した単位を引き継ぐことはできますか?
- 転入学でも編入学でも修得済み単位を引き継ぐことができます。また、在籍期間も引き継ぎが可能です。
- 留年することはありますか?
- 留年という考え方はありません。但し、必修科目をすべて単位修得、または履修認定をされていなければ卒業することはできません。
- 学力に不安があります。入学試験は難しいですか?
- 入学審査・選考は、願書・学校書類等の必要書類の提出によって行われます。学力試験(入学試験)はありません。
- 健康に不安がありますが入学できますか?
- ルネサンス高校は自学自習が基本のため自宅で学習できるようであれば入学することが可能です。ただし、スクーリングへの参加は必須です。
- 中学時代、不登校になってしまいあまり学校に通っていません。入学は可能ですか?
- 可能です。ルネサンス高校は毎日登校する必要がありませんので、登校に関する心身の負担は少ないです。学習は「戻り学習」が可能な映像教材を多数用意しており、自分のペースで理解しながら進めていくことができます。不登校経験があっても、国内外の大学に多数進学をしています。まずは安心してお気軽にご相談下さい。
- 勉強に自信が無いのですが、先生はサポートしてくれますか?
- 担任の先生が、基礎学力をつける為のサポートも行っております。 オプションのスタディサプリを活用することもあります。
- 年齢制限はありますか?
- 年齢制限はございません。60歳以上の生徒も在籍しています。