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「めすの木」と「おすの木」の話
ルネサンス大阪高等学校
「めすの木」と「おすの木」の話
2015-10-19
動物に「めす」と「おす」がいるように,植物にも「めすの木」と「おすの木」があります。
代表的な木は, イチョウです。イチョウの木の実は, 「ギンナン」といって煮たり炒ったりして食べることができます。
このギンナンは, 「めす」のイチョウの木にしかならないのです。
「めす」と「おす」の両方がいないと子どもが生まれないように, 「めすの木」だけでは実がなりません。
「おすの木」に咲く「お花」の花粉が, 「めすの木」の「めしべ」の先につかないと実がならないのです。
写真のアオキは冬でも葉が落ちず赤くてきれいな実をつけるので庭などにもよく植えられています。
昔(1783年), 日本に来た外国人が, この木をヨーロッパに移し植えました。
ところが, どうしたことでしょう。 日本ではたしかに赤い実をつけていたのに, ヨーロッパではまったく実がならないではありませんか。
ヨーロッパに植えかえたアオキの木に, なぜ実がならないのか。 そのなぞがとけたのは, アオキがヨーロッパに植えかえてから100年近くもたってからのことでした。
1864年, イギリスのロバート・フォーチュンさんが, はじめてヨーロッパにアオキの 「おすの木」 を移し植えてみたのです。
そうしたら, どうでしょう。 それからはヨーロッパでも, アオキは毎年きれいな実をつけるようになったのです。
それまでヨーロッパに移し植えられたアオキの木はみんな 「めすの木」 ばかりで, 「おすの木」が一本もなかったのです。
そこで, ヨーロッパにはアオキの花粉がまったくないので, せっかく「めすの木」にも実がまったくならなかったというわけです。
(以上,板倉聖宣「花と実」より)


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