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令和二(2020)年度卒業証書授与式 in 大子 & 校長式辞

ルネサンス高等学校

令和二(2020)年度卒業証書授与式 in 大子 & 校長式辞


新校舎での初めての卒業式。当日です。

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卒業生と保護者様が、お見えになり始めました。

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卒業生が式典会場に入ってきました。いよいよ開式です。

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卒業証書授与

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本年度の卒業生は現時点で391名。

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そのうち、12名が大子校での授与式に参加です。(東京会場への参加は68名)

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皆さん、凛々しいです。

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校長式辞 ...一番最後に載せてあります。↓↓

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前校長告辞

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在校生による送辞

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答辞

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閉式です。

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卒業生の皆さん、保護者の皆様、ご卒業、誠におめでとうございました。

以上、photos by 某番場カメラマンでお届けしました。








※ 式 辞

 新校舎の校庭の白梅も、ふくよかな香りを放つ、今日の良き日。
 本日は、保護者の皆様のご臨席を賜り、ルネサンス高等学校、令和2年度卒業証書授与式が挙行できますことは、この上ない、喜びであり、教職員一同、深く感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与されました皆さん、卒業おめでとう。皆さんは、本校所定の課程を修了され、栄えある卒業生として、この日を迎えられました。心からお祝いを申し上げます。
 本来であれば、多くの方々をお招きし、皆さんへの餞の言葉を頂戴したいところですが、コロナ禍の中で叶わなかったことは、誠に残念です。
 また、皆さんの中には、今年度、スクーリングで、この地を訪れることができなかった方もいらっしゃるかと思います。皆さんに、より充実したスクーリングをということで、昨年の5月に校舎を移転して参りましたので、皆さん全員に来て頂き、大いに学んで頂きたかったのですが、それが叶わなかったことも心残りではあります。
 このようにこの一年、皆さんは様々に制限がかけられる中、しっかりと学習を進められました。ただでさえ、自ら教科書を開き、読み進めていかなければならない、通信教育課程の学習を、見事に修められました。その意志の強さと努力を、私は、心から称えたいと思います。

 さて、いまだに新型コロナウィルスの猛威に、翻弄され続けている日々ではありますが、このような中にあっても、世の中の、別な側面に目を転じれば、着々と発達・発展しているものもあります。
 そこで、卒業に際し、皆さんが生きるこれからの時代に、著しく際立っていくであろう社会の特徴を、私なりに3つほどを挙げさせて頂き、そのような中で、これから生きていくにあたって、是非とも、心に止め置いていただきたい「心のあり方・姿勢」といったものを、お伝えしてみたいと思います。

 まず、1つ目は、これからの時代はAI(人工知能)と共存する時代だということです。今や、AIや、モノをインターネットに繋げるなどの、様々なテクノロジーが急速に発展していますが、それらが、人間社会の隅々にまで浸透していくのです。そのような、AIとの共存による超効率化の先にあるのは、「共有・シェア」の社会。例えば、音楽は、一昔前までは、レコードやCDといったものを個人が「所有」するものでしたが、今では、皆さんは、聞きたい音楽があればスマホのアプリを使って、聞く権利を購入して、聴いたりしていますよね。将来は、皆さんは、「あらゆるもの」を「所有」ではなく、「共有・シェア」するようになるというのです。そして、そのような社会は、「共感」や「協力」を、より重視するようになるといわれています。

 2つ目は、医療の発達による人生100年時代の到来です。ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されています。
 1つ目に挙げましたの「AIと人間の共存」、2つ目の「人生100年時代」。この2つから、導かれるものは何でしょうか。
 これまで人間がやってきた仕事の中には、機械にとって代わられるものも、多くあるだろうと言われていますが、そのような社会に向き合っていくためには、皆さんは、生涯、学びつつけなければならないということです。
 台湾の、新型コロナウィルス抑え込みの立役者で、デジタル担当大臣の、オードリー・タンさん。彼女も、これからの時代を見据え、「学ぶことをやめてはいけない」、学ぶことは「生涯にわたる旅路だ。」と言い、生涯学び続けること、そして、その能力の重要性を、指摘しています。
 でも、皆さんは、大丈夫。意思をもってこのルネサンス高校の門を叩き、学び、卒業証書を手にできた人たちです。来たる時代への対応力は、すでに充分身につけていると思います。

 3つ目は、ますます「多様性」が認められ、そして、生かされる時代になっていくということです。それが世界の常識であることは、オリンピック憲章の理念にふれた最近のニュースなどで大きく話題にもなりました。
 この「多様性」については、「利他学」([利益の利・他人の他と書いて、利他。それを考える学問で、本当に人のために、他者のために行動するとはどうすることか。)を研究されている、伊藤亜紗先生の述べられていることを紹介したいと思います。
 先程、共感の時代になってきていると述べましたが、先生は、この1年については、次のように述べています。
 「多様性のある社会になって来たといわれる。しかし、このコロナ禍の、物理的な分断の中で、他者の「多様性」は、受け入れられているというより、他者を無視している、気にしなくなってきているだけではないだろうか。いま大切なことは、「いろんな人がいるね。」とバラバラな現状を肯定するのではなく、「ひとりひとりの中の、個人の中にある多様性」、これに着目し、それを認め、尊重することではないか。」そのように投げかけていらっしゃいます。

 確かに、皆さん一人一人は、自身の中に、様々な「多様性」を持っています。それは別の言い方をすると、様々な側面を持っているということです。皆さんは、ルネサンス高校の卒業生という一面を持っています。そのほかに、例えば、E-sportsの〇〇チームの一員という側面、あるいは〇〇でアルバイトしているという側面、書道が○段である...などと、多様な側面を持ちながら、全体として、他の人とは違う唯一無二の存在として生きています。しかし、他の人は、その多様な側面の一部しか知り得ません。人は、多様な側面を持っている。それぞれの人が、「この人は○○な人だ」と単純にラベリングのできない、こちらには見えていない、多くの側面を持っているのです。
 伊藤先生は、そのように、隠されたものがあることに敬意を感じながら、他者に向き合うことが大切だというのです。そして、先生がアメリカの大学で研究員をしていた時に眼にした、キャンパスに貼られていたチラシの言葉を紹介しています。 それは、

 Be your whole self

 「まるごとのあなたで」と、先生は訳されています。
「全体の」という意味のwholeを、「多様なあなたそのまま・まるごと」と上手く訳されています。
「あなたの中の、様々な側面・多様性をまるごと認め、尊重しますよ。」という意味です。素敵な言葉であり、姿勢だと思います。
 この言葉を、皆さんに贈ろうと思います。
 伊藤先生はまた、、見せかけや、フリではない「多様性の尊重」、そのためには、「心にスペースを持つことが大切」、ともおっしゃっています。自分の中にスペース・隙間みたいなものがあると、自分の前にいる人の、一見見えていない可能性というものを、うまく受け止めることもできるし、そのような優しさと、寛容さの中で、共感をするとき、同時に自分も学び、大きく変われるのだ。」こうおっしゃっているのです。

 テクノロジーの進化で目まぐるしく変化していくであろう、これからの時代。皆さんが学び続けるのは、新しい情報や知識だけではないと思います。皆さんの見方や考え方・価値観そのものの転換が求められることもあるでしょう。それらに柔軟に対応するためにも「心にスペース・余白」を持つことは、とても重要に思います。皆さんには、是非「まるごとのあなたのままで」とともに、この言葉も、心に留め置いてもらいたいと思います。
 「心にスペース・余白」を持って、自分の中にある多様性も大切にしながら、他者をリスペクトする(敬意を払う)ことをベースに、向き合っていく。そうすれば、他者から多くを学ぶことができると思います。

 そのようにして100歳まで、否それ以上になるまで、自然や世界や社会を広く見、学び・成長し続け、豊かな人生を切り開いていってほしいと思います。
 卒業生の、皆さん一人ひとりの前途に、幸多からんことを、心よりお祈りし、式辞といたします。

令和三年三月十一日(茨城大子会場)・十四日(東京会場)     ルネサンス高等学校 校長 菊池一仁

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