通信制高校ルネサンス高等学校

【通学】幸せの経済学を見直しながら

ルネサンス高等学校

【通学】幸せの経済学を見直しながら


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通学スタンダードコースの授業では、SDGsを題材にとりあげています。

SDGsは、日本語では持続可能な開発目標という訳になっていますが、「持続可能」という言葉には経済的に自立しているという意味だと捉えています。

経済的に自立しているということは、国の予算が尽きたら活動をやめるとか、寄付がなくなったらイベントを中止するという一過性のものではなく、その活動をすることによって自分たちが生活することができる、お金を稼いで利益を出しながら、活動することができるという意味です。

その上で、地球や地域にとってよいことを持続的に行なっていくには、経済の観点が欠かせません。

そんなときに出会ったのが、この「幸せの経済学」でした。
作られた年代は2011年と古いものの、多くの点は今でも重要な観点を示し続けています。これを授業の題材にしたいと思いながらも、映画そのものは「幸せ」と「経済学」にあまり触れていないところが気になり、取り上げてきませんでした。

映画本編は後半にいくにしたがって、北インドの辺境ラダックのグローバル化の問題から、より広い問題を扱っていくようになり、ポイントはぼやけてしまうように思いました。特に、ただ大企業が悪だと感じるような主張は成り立ちません。なぜなら資本主義経済は、欲求を作り出し、その消費を通じて発展してきたものだからです。
映画では、「ラダックはあまりに急に近代化の波に曝露されすぎた」といった表現が使われており、本来であればグローバル化は外部の製品が手に入れられるだけでなく、自分たちの品物が外部で販売できたり、保護されるべき部分に政策が追いつかなかったことを示唆しています。

そこで、特にラダックの今昔と幸せとグローバル化の功罪に焦点を当てて授業を行うことにしました。

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生徒たちには、ラダックの牧歌的な風景と、近代化した写真を見比べてもらいながら、グローバル化がもたらした影響を考えてもらいました。

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また、この映画や、他のいくつかの映画でも取り扱われている「外部から不当に安い品物がやってきて、地元の産業を破壊する」というテーマについては、日本での牛肉の扱いを紹介して授業を進めました。

また、幸せの指標として、幸福度ランキングや、生活満足度とGDPの推移の資料を配布して、意見を出してもらうようにしました。

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特に、2枚目の一人当たり実質GDPの伸びと、生活満足度(1981年〜2005年当時の尺度)をみてもらうなかで、「GDPが上がるほど生活満足度が下がっている」とグラフを読んでくれた生徒もいるのですが(割といい点をついていますが)、このグラフはそう簡単なものではありません。
人が貧困から抜け出すまでは生活満足度は改善されていくが、一定の基準を満たすと、GDPが上がっても生活満足度が下がるということを考えていく必要があります。
そんな議論をしながら授業を終えることができました。


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