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令和５年度入学式式辞

令和５年度入学式式辞

ルネサンス高等学校

令和５年度入学式式辞

2023-04-14

式辞

　新入生の皆さん、本日は誠におめでとうございます。ルネサンス高校を代表して、皆さんのご入学を心より歓迎いたします。また、皆さんを長年にわたり温かく支えてこられたご家族や関係者の皆さま方に対し、心よりお祝いを申し上げます。

　本校は、2006年に、「ネットの高校」の先駆けとして茨城県大子町に創立されました。以来17年間に培われてきました教育システムとノウハウで、皆さんをこれからサポートして参ります。

　さて、皆さんの多くが生まれたのは、開校の翌年 2007年ですが、同年にはiPhoneが発表され、そこから、私たちが日々利用している様々なSNSなどが登場してきました。デジタル技術の進歩は目覚ましく、現在では皆さんが３年生を迎える2025年には、AI(人工知能)が人類の知能を超える転換点を迎えると予測されており、それは、これまでの技術とは桁違いのインパクトを私たちの社会にもたらすだろうと言われています。

　新入生の皆さんの中には、「マインクラフト」や「動物の森」や「フォートナイト」などメタバースとよばれる3Dの仮想空間を舞台としたゲームを楽しんでいたり、V-tuberとして活動している人もいることでしょう。ビットコインなどの暗号資産の普及も相俟って、近い将来には、現実世界で過ごす時間より、ヴァーチャル空間の中で、アバターになって生活したり、働いたりする時間が多くなるとも言われています。日本の政府(内閣府)も、アバターとロボットを組み合わせることによる「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会」を目指して、壮大な「ムーンショット計画」を推進させ始めています。

　皆さんは、2007年に日本で生まれた子供の半数は107歳より長く生きると推計されていることを、聞いたことがあるのではないでしょうか。
　まさに人生100年時代を生きる皆さんが、これからの社会に向き合って生きていくためには、学び続け、自らをアップデートし続けなければならないのも現実でありましょう。
　でも、心配は無用です。ルネ高で学ぶことの強みは、自分のライフスタイルに合わせて、好きな時間に・好きな場所で・自分のペースで、学習を進めていくことができるところですが、この３年間の過程で自ら計画を立てて学んでいく力、すなわち来たる時代への対応力が自然と身についていくからです。

　今日は、この機会に際して、皆さんにルネ高生活をさらにフル活用して頂くために、アドバイスになればと思うことを、２つお話ししてみたいと思います。

　ひとつ目は「まずは行動してみよう」ということです。
何か新しいことを始めるとき、或いは何かに取りかからなければならないとき、私たちはいつも前向きになれるとは限りません。上手くいくだろうかと不安になったり、気乗りしないこともあると思います。そのように戸惑ったり、考え込み過ぎたと感じたら、まず動き出してみることが得策です。行動にはトライアルアンドエラー(試行錯誤)はつきものですし、「やる気が出たからやるというより、やり始めるとやる気が出る」ということが最新の脳科学研究でも明らかになっているからです。

　２つ目は「好きやこだわりを大切に」ということです。
多様な私たちのあり方が認められ、社会に生かされる時代になってきました。そのような中で求められるのは皆さんの個性です。独自の「キャラ」と言ってもいいかもしれません。
　私たちは興味のあるもの、ワクワクするものには、つい時間を忘れてのめり込んでしまうものです。また、そうやって何かに夢中なっている皆さんに、周りの人は魅力を感じます。そして、そこから始まる交流は、皆さんの関心や意欲をさらに高めていってくれることでしょう。ですから、好き・こだわりを大切にしてください。それが自分らしさや個性という皆さんひとりひとりの価値を高めていってくれるはずです。

　多様性は、皆さん自身の中にも眠っています。この急激な世の中の変化に対する柔軟性にも繋がりますので、好奇心のアンテナを張り巡らして世界を見、才能の芽をたくさん育てていってください。
　但し、自分の周りにいる人たちも、皆さんと同じように、多様でかけがえのない存在であることを忘れないでください。周りに支えられ・認められてこその自分であり、そのようにして他者を尊重するところに皆さんの真の成長があるからです。

　まとめますと「好きやこだわりを大切に、まずは行動してみよう」ということです。
ますます予測のできなくなっていく世界。それは可能性に満ちているということでもあります。失敗を恐れず、やりたいことには積極的にチャレンジしていってください。メタバース時代を生きる皆さんには、好ききやこだわりを大切にしながら、「なりたい個性あふれるアバターにどんどんなっていってください。」という言葉がふさわしいかもしれません。