アート&サイエンスコース
2016.03.28.Mon
昨日、日本変形菌研究会が今年、一般へ公開されると聞き、大会(会場:大阪市立自然史博物館・講堂)に参加してきました。昨年の秋、同じ会場でモジホコリを生徒が他校(大阪教育大学附属高校平野校舎)から分譲して貰ってきました。それが順調に生育していたのですが、分譲元も含め、年明け早々に絶えてしまっていたのです。自前でも何とか落ち葉や枯れ枝から粘菌を分離する努力をしてきました。が、これまで成功できませんでした。そこで私は、岡山理科大学附属高校でスーパーサイエンスハイスクール推進部長をされている高橋和成さん(学術博士)に事前にご相談しておき、研究会の席上でお会いしてアドバイスして戴けるよう、お願いしてありました。
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自然史博物館・講堂は、大阪府高等学校生物教育研究会主催の生徒研究発表会でホームグラウンドに使わせて戴いている会場です。そこに、日本一の理科少年が東京から来ていました。一昨年(2014年)、日本学生科学賞・中学生部門で内閣総理大臣賞に輝いた増井真那君です。彼は何と、5歳の頃に粘菌に興味を惹かれ以来、オリジナル研究に取り組んでいます。昨日の彼は大人たちに囲まれながら、立派に質疑応答していました。もう粘菌を研究して10年近くなるので、一端の研究者です。増井君の武勇伝は、テレビや新聞等で随分、報道されてきたそうです(私はTVも新聞も見ないので、全く知りませんでした。それと知らず懇親会場までの車中、私は増井君と話しながら移動できました)。
Intel ISEF(アイセフ)へのエントリーは年齢規定で果たせませんでしたが昨年、将来性(来るべき本番)を見込まれ、米国派遣に至ったそうです。フィギュア・スケートの浅田真央選手の若き日のエピソードと重なります。これまで、若手の才能発掘はスポーツや音楽が先行してきましたが、ようやく今、科学・技術の領域で若い才能の芽を育てる国の土壌が熟成してきた感があります。 ゴルフ、サッカー、バレエ、ピアノだけでありません。科学・技術も立派な国家の基盤であり、威信です。
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画像・左:会場となった自然史博物館と看板、同・中:展示されていた粘菌の培養基(左上)と私が実験した培養基(右下、左下は、生えてきた粘菌)、同・右:大人に囲まれて発表する増井真那君
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謝辞:粘菌を研究して間もなく10年になる増井君(東京都立小石川中等教育学校在学)に私は、粘菌の眠らせ方や飼育のコツを教わりました。それは、経験した者でなければ語れない口調でした。私が彼の言葉を受け止められたのも、私が違う材料でも同じく生き物を扱ってきた経験があるからです。岡山の中高一貫校で中高生に研究指導されてきた高橋先生には、同研究会内で私が貢献できる可能性があることをご助言戴きました。それは、粘菌の生活史の中で細菌を捕食する際、どのような細菌を好んで捕食するのか、また余り調べられていないことを確認できたことです。大阪校では、餌になり得る細菌(バクテリア)を調べていく方向から粘菌の世界へ参入しようと思っています。
付記:増井真那君からメールのお返事を戴いたので、その一部のみ抜粋してご紹介します。文面から中学2年生の彼が私が着手したいと伝えた粘菌と細菌との関係に対する研究計画を意図を完全に理解し、同じ狙いを山里一英先生(元東大・応用微生物研究所)とも議論したことがあることが伝わります。紛うことなく中2の理科少年が教授や博士クラスと意思疎通が可能であることを証明していることになります。これが人間の持てるポテンシャルであり、学校とは本来、「奇跡」を起こす場です:
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帰り道の間、たくさんお話しできて楽しかったです。(中略)変形菌が食べるバクテリアについての研究は興味深いです。前に、バクテリアがご専門の山里一英先生とお話ししたとき、変形体の種ごとに食べているバクテリアを培養して同定できるのではないかとうかがって、それができたらいいなあと思っていました。(中略)またお会いできる機会を楽しみにしています! _増井真那
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ルネサンス高等学校 (大子校)
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ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス豊田高等学校
ルネ大阪広報
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ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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