河川を流下する脱皮殻の潜在的効果(2017年08月14日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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河川を流下する脱皮殻の潜在的効果(2017年08月14日)

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河川を流下する脱皮殻の潜在的効果(2017年08月14日)

河川を流下する脱皮殻の潜在的効果(2017年08月14日)

スーパーサイエンスコースの新保雅史くん(3年生)は、河川を流下する水生昆虫の脱皮殻をナイロンネットで集め、その生態学的な役割を調べている。脱皮殻の成分は森林の落葉などセルロースに次いで、キチンは二番目に多いバイオマス(生物に由来する有機物資源)だとされている。ただし、両者に質的な差もありそうである。

キチンの大半は海洋環境のエビ・カニの甲羅の成分だとして知られているが、河川水を脱皮殻(シャック)として流下しているフラックス量は、釣り愛好家と水生昆虫の研究者以外には、ほとんど知られていないのが実態であろう。筆者は水生昆虫の専門家(井上栄壮博士滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)から、この有益な情報を戴いた。

脱皮殻が河川を流下する間に起こる初期の微生物過程は、キチン分解細菌によるキチン質への強固な固着(キチン結合タンパクが関与)*1と細菌が分泌する酵素・キチナーゼによるキチンの加水分解であると予測される。しかし、河川の流下時間が長かったり、感潮域で流下と遡上の反復運動や、どこか淀みで滞留時間が延長されることで、二次的な微生物過程が誘発されると考えられる。

*1)元米国科学長官を務めたリタ・コルウェル教授は、コレラ菌がミジンコなどキチン質の殻に固着する性質を利用し、開発途上国のコレラ禍はサリー(インドの民族衣装)の布地で水を濾し取ることで阻止できることを示唆した(国際生物学賞を受賞)。

前回、採取した脱皮殻を冷蔵庫に保管した後の試料を検鏡すると、思いがけず採取直後には全く見られなかった現象がいくつも観察されたので、その一部を報告しておきたい:

1)脱皮殻の内外に糸状微生物の菌糸が張り巡らされた、2)珍しい赤いシスト*2がクラスターを作って存在し、その中から鞭毛藻(動画A)が発生した、3)脱皮殻の内部に繊毛虫が入り込み(動画B)、内部で増えた細菌を捕食している様子であった、などである。

*2)ミドリムシの休眠シストは緑色でなく、赤い色の場合もあるようだ。同系の赤い色素・アスタキサンチン(ヘマトクローム)はヘマトコッカス鞭毛藻やミドリムシの一種(ユーグレナ・サングイネア)が産生するカロチノイド系色素で、健康食品の成分過酷な寒冷地でも出現する生命体として知られる。

脱皮殻は上流から下流方向へ流下するので、脱皮殻に付着している微生物は "乗り物(vehicle)"として移動する手段を手に入れたことになる。が、さらにキチン質は窒素成分を含むので相応の栄養源となるだけでなく、他の微生物の棲み場所として自然界で使われる可能性も示唆された(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・左:脱皮殻から糸状微生物が大量に発生した例、同・中赤い色調を帯びたシスト様物体のクラスターが発生した例、同・右:流下した脱皮殻が停滞した場合の静置モデル(横からLED照明*で懸濁物粒子を照らし、チンダル現象を起こした状態;*舞昆の鴻原社長から提供)

付記:水生昆虫の脱皮殻を素材としたマイクロコズム実験は、天然由来の高分子物質としてはキチン質が窒素分を含むためか、予想を越えて発生する生物相に多様性が見られた。筆者らは珪藻粘液細菌の培養に腐葉土の抽出エキスを用いて、良い成績を修めてきたが、同様にの脱皮殻の微生物分解残渣を用いると、天然由来の栄養源としてマイルドだが多様性を維持した増殖促進因子になり得る可能性を見い出した想いがある。本課題の当初の目的とは乖離するが、想定外の副次的効果として今後、注目して行きたい(竹内記)。

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