巻貝の「外部寄生虫」:秘められた謎に迫る!(2019年03月14日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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巻貝の「外部寄生虫」:秘められた謎に迫る!(2019年03月14日)

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巻貝の「外部寄生虫」:秘められた謎に迫る!(2019年03月14日)

巻貝の「外部寄生虫」:秘められた謎に迫る!(2019年03月14日)

先日、サイエンスコースの料治輝くんが淀川・十三干潟で見つけて、持ち帰ってきたヨーロッパフジツボ*1が固着したイシマキガイの欠損した殻頂部の中腸腺肥大部位に外部寄生していた謎の寄生虫の・・続報です。

*1 環境省(国立環境研究所)のサイトでは、"タテジマフジツボ群"として一括され、「要注意外来生物」としてランクづけられている(既に1937年には、日本各地へ侵入した記録があるそうです)。

理科室で常用している駆虫効果があるスピルリナ製剤(ジャパン・アルジェ販売)から滲出した藍藻の色素成分、フィコシアニンが拡散していくと、フジツボを触手を出しっぱなしの状態で、多毛類様の外部寄生虫も全く動かなく死滅しました。一方、宿主となったイシマキガイもフィコシアニンを忌避し、回避行動を採りますが、衰弱しても死に至ることはありません。駆虫薬として使える有力候補*2だと目されます。

*2 イシマキガイから腸炎ビブリオの細胞をフィコシアニンが効いて大量に放出する現象も確認されているが、真核生物である寄生虫に対する"虫下し"的な効果に匹敵する作用(元々、餌を与えようとして偶然に発見)が、原核生物である細菌を完全に駆逐するかどうかは甚だ疑問であり将来、定量的な精密試験が必要と思われる。

イシマキガイ自体、分布が日本から東アジアに限定されていますので、正解を見つけることは無理ですが、海外に巻貝の外部寄生虫の報告事例がないか否かを調べたところ、専門書及び総説*3の中に有力な記載が見つかりました。貧毛類の一種が巻貝の殻を穿孔し、巻貝に寄生するセルカリア幼生を捕食する活動が知られているそうです(画像参照)。直ちに同じ現象だと断定はできませんが、謎の外部寄生虫に対する有力な答えの候補です。

*3 米国コロラド州立大学の若き進化生物学の EBIO 教授、ピーター・ジョンソン博士(ウイスコンシン州立大・PhD)が率いるラボがこの新領域の研究を活発に牽引している様子です。

一昨年末の寄生虫との遭遇以来、侵入生物は現在進行形の進化プロセスと感じましたが、的中していた感があります。ホットな生物科学の分野であることは、彼の「寄生虫も捕食される」ことを指摘した総説論文が "Cell" という "Nature" 誌に劣らない一流誌に掲載されていたことからも伺えます。日本でゲテモノ趣味と誤解されかねない寄生虫学ですが、生命現象や生物進化の中枢として扱われるのが、欧米流の普遍性(汎用性)を求めていく学術研究の真骨頂なのです。大きな違いでしょ(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:「寄生虫を食べる動物がいる!」という論点を生態学や疫学の観点で見直した論説(2010)、同・上段中:フィコシアニンで駆除した後の外部寄生虫の死骸(ヨーロッパフジツボも死滅した)、同・上段右:藍藻スピルリナの光合成色素を構成する青い水溶性色素フィコシアニンが拡散する様子(右端に見えているのがスピルリナ製剤2粒、奥が水中に投じた錠剤1粒、手前がヨーロッパフジツボと環形動物に寄生されたイシマキガイ1個体)、同・下段左:スライドガラスに付着させた珪藻をイシマキガイに給餌している様子、同・下段右:スライドガラス上を這って摂食した後、イシマキガイが残した糞粒(フィーカル・ペレット;個体サイズに応じて、糞の粒径も異なる)※巻貝とはいえ動物を扱う以上、餌料を用意して実験・観察する必要がある。

追記:世界標準の学問の真髄に迫るキッカケを、サイエンスコースに在籍する生徒が見つけてくれたのは驚きです。実は高校生の持つポテンシャルってホントは恐るべし・・なのです。暗記勉強してたら、もったいない。私が淀川から世界の最先端までガイドしましょう。何ならピーター・ジョンソン教授へ「日本の、大阪の淀川で、けったいな生き物を見つけたよ~」と英文メールを一緒に書きませんか? 世界への扉へご案内しましょう。なんてたってイシマキガイって、彼らが拠点とする米国には生息していない巻貝なんです。「ウチのラボと一緒に共同研究しよ!」となるかもよ。私はそうやって英国で生きてきましたから、科学研究の楽しみを高校生諸君にガッチリと伝え残して行きたいもんです(竹内記)!

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