淡水魚を蝕んだ「シト」の正体究明さる!(2019年08月23日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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淡水魚を蝕んだ「シト」の正体究明さる!(2019年08月23日)

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淡水魚を蝕んだ「シト」の正体究明さる!(2019年08月23日)

淡水魚を蝕んだ「シト」の正体究明さる!(2019年08月23日)

教育デザイン室長の竹内です。突然、グッピーの飼育水槽に異変が起こり、紆余曲折を経ながら遂に「シト」の正体を突き止めました。確かに昨日(22日)、既に報じたように原虫も一役買っていたのは確かですが、遥かに強烈な「シト」襲来が背後であったのです。いよいよ"真打ち"の登場です。それは、真正の寄生虫でした。

正体は、ギロダクチルス(Gyrodactylus)属の単生類(扁形動物門)の寄生虫(Monogenean parasites)でした。1950年代に北欧でサケの寄生虫として記載され、今日までに世界中の淡水魚(コイや金魚を含む)に感染し、重篤な被害を与えることで知られています。その原因は、吻からタンパク分解酵素*1を分泌するため体表の魚肉タンパクを消化分解して潰瘍を作ってしまうので、傷口から二次感染を引き起こし死に至らしめます。

*1 ミヤイリガイを宿主とする日本住血吸虫のセルカリアが経皮感染するのは、吻から強力なタンパク分解酵素を分泌するために皮膚から人体へ侵入してしまうから脅威だったのです(日本では撲滅宣言されています)。

この寄生虫は外部寄生であり、体表・エラ・ヒレに付着している。肉眼では見えないサイズなので、なかなか正体を捉えることができず、小型のグッピーが死滅した直後、死骸をマウントしたスライドガラス上に載せ、水を張った状態で魚体辺縁やヒレに注目して低倍率(x4~x10の対物レンズ)で検鏡すると、這い回ったり、付着している様子がリアルタイムで観察でき、見つけ出すことができました(末尾の動画リストを参照されたい)。

さらに、扁形動物門であればフィコシアニン(ガリガリ君ブルー)の駆虫効果が期待できると予測でき、実際に精製した標品(粉末食用色素)を添加すると、色素が拡散していくと活発に動いていた寄生虫の虫体は全く動かなくなった(麻痺したか、あるいは死滅したと思われるが、作用機作は不明である*2)。

*2 ヒトの"血管ー肝臓系"に深く侵入していく住血吸虫などの内部寄生と比較して駆虫薬の代謝まで追う必要はなく、本件は外部寄生なので、魚類の生息環境中に駆虫薬を投与し、浸潤された部位を除けば比較的表面だけの処理で済むので、環境中に共存する細菌などによって有効成分が分解され目減りする消長分を配慮すれば良い。一晩で、フィコシアニンの青色は分解されて褪色していく(光照射による自己分解に近い減耗分も考えられる)。

以上の実験観察に基づき、フィコシアニン水溶液に一晩(オーバーナイトで)、感染リスクに晒されたが、まだ生きている生存中のグッピーを"薬浴"させて観察している(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:これが、次なる「シト」か? モニターに映し出された恐ろしげな生き物、同・上段中:青い水溶性色素のフィコシアニンが拡散して、活動を停止したギロダクチルスの個体(右上が吻のある頭)、同・上段右:今回の検査用鏡基、レイマー・位相差顕微鏡USB接続CMOSカメラを装備、同・下段左:フィコシアニンの"薬浴"観察実験中、同・下段右:ガリガリ君ブルーで"薬浴"処理中の黄色系のグッピー2尾

付記:一昨年末、当理科室で初めて魚介類の寄生虫(セルカリア)に触れて以来、生物学的な寄生虫の存在意義を大所高所から眺めることができるようになりました。本来ならば、"招かざる客"であり、厄介者です。しかし、イザ研究対象にしようとすると、どうやって実験室へ招いたらイイのか?、どうやって寄生虫を実験室で維持すればイイのか? それはもう、果てしなき疑問の渦中に入ってしまいます。だから、この3日間、寄生虫を退治してグッピーを守りたい反面、たまたま遭遇した寄生虫を失う前に正体を捉えておきたいという欲求(その本質は、"昔とった杵柄"的な実務家教員としての闘争心)も芽生えた次第です。

寄生虫は本来、自然界の片隅で、ほそぼそと生きてきたのだと思います。しかし、ある特定の条件下、例えば過密な養殖環境など、自然界の許容範囲を越えた状態では、いろいろ不具合が生じてくるカラクリも理解することはできます。魚介類の扱いが、飼育であれ養殖であれ、一定の許容範囲を越えた時、エヴァンゲリオンの世界観でシトが襲来してくるのかも知れません。節度を持つべきことを、肝に銘じておきたいと思います。良い学びとなりました。未来を担う生徒ら、次世代の若者たちへ伝え残して生きたい"問題解決力"です(竹内記)。

動画:外部寄生虫、A:ウロコの隙間に付着(x4、暗視野)、B体表に付着した状態(x10、位相差)、C:薬浴処理中(背景が青いのは、フィコシアニン粉末が溶けた後、拡散して徐々に広がってきている様子)※Aの動画で画面が揺れているのは、宿主となっているグッピーが呼吸をしているからである(異様な雰囲気が漂う)。生きたまま寄生虫に取り憑かれている状態を忠実に映像化した。 BとCの動画は、宿主となったグッピーが活動を停止した後の映像である。幾多の犠牲を払いましたが、グッピーの全滅は回避できました。

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