ガリガリ君・ブルーの「駆虫」効果を実証!(2019年08月30日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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ガリガリ君・ブルーの「駆虫」効果を実証!(2019年08月30日)

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ガリガリ君・ブルーの「駆虫」効果を実証!(2019年08月30日)

ガリガリ君・ブルーの「駆虫」効果を実証!(2019年08月30日)

当初、健康食品のスピルリナ製剤(ジャパン・アルジェ)を巻貝の餌にしようとしたのです。が、食べるどころか、イシマキガイは嫌がって水から出ようとするほど忌避行動に出ました。それが、ラン藻が*1持つ青色の光合成補助色素フィコシアニンの生理活性機能に着目した出発点でした。

*1 当初、青みがかった藻類(blue-green alage)として分類・記載されましたが、現在ではシアノバクテリア(cyanobacteria)として原核生物として位置づけられています。細菌(bacteria)なのです。

どう見ても、巻貝は"身を捩っている"ように見えました。以前から巻貝が持つ寄生虫(内部寄生虫)に注目していたので、ここを起点として、2つの探検ルートへと派生して行きました:

1)イシマキガイから腸炎ビブリオを排出される効果 恐らく、腸炎ビブリオが定着している中腸線を収縮させる効果と見られます(今後、解剖学的研究も必要ですが、殺傷は気乗りしません)。

2)イシマキガイの殻頂部に寄生したゴカイ幼体の駆虫 ゴカイの幼体であったのは、イシマキガイの飼育水槽の中で知らないうちにゴカイが大きく育っていたことから間接的に確認できました。

後者の視点からは、種苗生産用のワムシとミジンコの分別(ワムシの駆除)へと展開しました:

3)ミジンコに襲いかかるワムシだけを駆除する効果 フィコシアニン成分が甲殻類のミジンコを温存したまま、ワムシだけに作用することを確認できた(ミジンコは平気で遊泳していた)。

そして今回、グッピー(コリドラスも)を襲った原虫キロドネラ、中でも全身に喰らいつく獰猛な吸虫ギロダクチルスは、市販の魚病治療薬(例として、トロピカルーN)が推奨されていますが、主たる標的は節足動物(甲殻類を含む)であり、基本的に農薬成分トリクロルホンを含みます。

そこで、当実験室で注目している氷菓子『ガリガリ君』にも利用されているスピルリナから抽出した天然色素のフィコシアニンのギロダクチルスに対する駆虫効果を実験してみたものです。吸虫をを特異的に萎縮させ、死滅させる効果があることを動画で撮影することに今回、成功しました:

ヒレに付着したギロダクチルス2個体が、投与直前(01)の平常状態から、投与直後(02)に大きく伸び縮みを繰り返し苦しむ様子、一方の個体(下側)が萎縮し出す変化(03)から、両者の動きが鈍化した状態(04)を経て、残ったもう一方の個体(上側)が激しく萎縮し出し(05)、最後には完全に活動停止してしまう(06)経時変化が、1時間程度の経過で記録することができました。

フィコシアニンはラン藻の光合成色素の補完的成分として天然着色料に使われるほか、医薬分野でも効能が見つかるなど、応用面で期待されています。現在、フィコシアニンで魚病(特に、ギロダクチルス症)の治療に用いられたという報告は見当たりません。しかし、上記の動画に示されたように吸虫の駆除に効果があり、宿主となるグッピーに何ら悪影響を及ぼす心配がないことがわかりました。こうして高校の理科室レベルでも、色素タンパク、フィコシアニンの新しい利用法を開拓する手掛かりを得ました文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:フィコシアニンを投与した時の寄生虫ギロダクチルスの形態変化(左上から時計回りに1時間の経時変化)、同・上段中:感染したグッピー*2を個体ごとに隔離して薬浴中*3同・上段右:コップの水の中にスピルリナ製剤を2粒添加した後に生じる水溶性色素(フィコシアニン)の拡散、同・下段左:グッピーの体表から駆虫処理で剥離脱落していく虫体、同・下段右:ヒレに付着した揚げ玉状の休眠細胞(?)※宿主を死に至らしめた後の寄生虫はそのままでは自らも生き残れなくなってしまうので"休眠体"を形成し環境中で生存していくと推測される(未確認)。

*2 グッピーに感染する寄生虫ギロダクチルスを専門に研究している大学院生のカトリーナさんが、カナダにいて、生態進化を解明するための"モデル生物"として捉える視点を掲げています。

*3 オープンキャンパスで理科室へ見学に来られた中3生から「1匹ずつ隔離した方が、より確実ではないでしょうか?」という柔軟かつ的確なアイディアをご提案、戴きました。ここに記して、感謝いたします。

付記:長期使用してきた水槽を丸ごと洗い清めた後で、グッピーの大量死が始まったことで首を捻っていました。そこで時間経過を遡って行くと、思いがけない可能性が浮上してきました。

前回の洗浄時に水槽の底に大量のカイミジンコが発生していたことを思い出したのです。殻は一際、固く魚の餌料となる見込みなど皆無で、何の役に立って存在していたのだろうと思いを巡らせたところ、思い掛けない接点が浮かび上がりました。これらのカイミジンコがデッドスペースに住み着き、家庭用床掃除ロボットのルンバよろしく、余分な固形物のろ過捕食をしてきた可能性です。その条件下では、ユスリカ幼虫、キロドネラ原虫、ギロダクチルス吸虫のような不穏な生物*4も蔓延する前に捕食されてしまい、グッピーやコリドラスに危害を及ぼすほど猛威を振るえなかったのではないかと、後になってから気づいた次第です。

食う-食われるの被食者ー捕食者(prey-predator)関係は、直接的な実証実験が必要になるだろうと思いますが、現状では状況証拠から推測される一つの仮説に過ぎません。これらの実験系が確立をできたら、アトランティック・サーモンを危機に追い込んだ寄生虫に対する生物学的な制御法(ファクトシートには、"unknown"とだけ記載、つまり現時点で知見なし)としての可能性を実証し、自然界における"寄生虫の生態的地位"*5を解明して行きたいものです(竹内記)。

*4 今回のグッピーの寄生虫を巡る筆者の経過観察を生物多様性センター(大阪府立環境農林水産総合研究所)の小田優花さん経由で魚病担当の石塚研究員に照会して戴いたところ、キロドネラ(原虫)、ギロダクチルス(吸虫)が原因となったとしてほぼ間違いないでしょう(付随して、細菌感染症を併発した可能性も)とのご確認をして戴けました。ここに記して感謝の意を表します。

*5 このような寄生虫を進化生態学的な観点から研究しているグループには、米国コロラド州立大学ボルダー校のPieter Johnson 教授率いるThe Johnson Laboratoryが知られています。

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