フィールドワーク「遠隔指導」を試みました(2020年03月22日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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フィールドワーク「遠隔指導」を試みました(2020年03月22日)

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フィールドワーク「遠隔指導」を試みました(2020年03月22日)

フィールドワーク「遠隔指導」を試みました(2020年03月22日)

昨日(21日)のことでした。先月から「遠隔指導」実験の開発に協力して貰っていた和歌山在住の藤原優月くん(高1)から突然、LINEで動画(要注意!ヤスデです)が送られて来たのです。そこで、フィールドワークも遠隔で指導できるものかどうかを即席で今回、挑戦してみることにしました。

具体的には、彼は地元の森林で"ミドリババヤスデ"の個体(本人の同定結果)を捕獲したそうです。早速、私は同個体の静止画、発見場所(生息環境)がわかる画像、特に周辺部の光景を移した画像を数点、加えて地図上の位置など、伝えて欲しいと彼に依頼をしました。情報を共有するためです。

そして、自分が体験した内容を文章化するのが最良の素材だと私は判断したので、文章化するための情報を彼から次々と、LINEで聴き出しました(インタビュー取材の要領です)。日本の高校教育課程で決定的に欠落してきたのは、「まとまった文章を論述する」能力の育成*1だからです。

*1 日本では、国語教育の一環として遠足など行事の感想文とか読書感想文は導入されてきました。が、世界標準の教育では教科の試験でも論述させるケースが大半です(国際バカロレア校では、卒業までに4000語の論説文を課す)。日本の教育界では"記述式"解答の導入に留まり、大人でも文章力には難があります。

・・とは言え、長文を書く指導方策は、日本ではコレと言った決定打はありません。否、海外にも決定打があるとは限りません(英国の大学院博士課程の最初の半年で8,000語ほどの博士論文の第1章を書く課題があり、これが博士課程を続けて良いか否かの関門でした)。いささか無茶な話ですが、私は論述指導も今回、並行して済ませてしまおうと着想したのです。

ここから先は、私がLINE越しに優月くんから取材した内容に基づき、私が書き上げます。が、あくまでも素材は生徒から提供を受けたコンテンツ素材です。彼は自分が伝えた内容の出来上がりを見ることで、取材内容がどのように料理されたのか照合することで何かヒントを得ることを私は期待しているのです。では、始めます。

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優月くんは、最近、暖かくなって来たので、どのような生き物が活動し出しているのか(=啓蟄、けいちつ)見たくなって、いつもの森林公園『雨の森』へ来たそうです。そして、側溝に溜った落ち葉の下に何かいるんじゃないかと思い、落ち葉をどけてみると案の定、ヤスデがいたそうです。

いつも行くと、ひっくり返す朽木にムカデやゴキブリがいるんじゃないかと思い、ひっくり返したら何もいなくて、朽木を割って中を見ると、アリの巣(女王アリらしきものも)も見つかったそうです。

私はここで、自然観察する時の優月くんが駆使した能力の正体を問い掛けました。すると彼は、こう応えてくれたのです:「知識とか経験に基づいた勘ですかね。」

その通りなのです。このスキルこそペーパー試験で獲得できない能力ですが、試験問題の作成も採点も厄介だから学校教育に組み込まれてないだけのコトで、実社会で必要不可欠なスキルと言えます。

学校教育カリキュラムに従えばスキルが自動的に身につくものだと「履修主義」ではとかく"錯覚"させられ"形骸化"してしまいがちです。その結果、英語力も実用にならず、文章力・企画力・交渉力等々、実務遂行に必要なスキルが身につく教育デザインになってはいませんので別途、補っていく必要性があります。

優月くんは2、3年前からフィールドワークに出る楽しみを知ったそうです。最初、鳥の写真を撮りに行くのがキッカケだったそうです。私は優月くんに「フィールドワーク」の体験を素材に、自分自身の学習歴*2を振り返るワーク(=人材育成に使われるリフレクション作業)を施しました。

*2 机上の学びだけが学習だと信じ込んでいる日本人には、理解しがたいと思いますが、国際バカロレアの精神では、逆に"校外学習"を必須だと捉えているものなのです。

フィールドワークに出ると、同じ場所でも新しい発見がデキるので、優月くんは充実感(自己効力感)があったそうなのです(岩田くんと私も以前、淀川河川敷で同じ想いを共有した)。現在のところ、3か所しか心当たりのポイントがないそうなので今後、新たに探索地点を増やしたいそうです。

優月くんが実践している学びは、探検活動(exploration)です。科学の発展に寄与した英国及び近隣諸国からは多くの探検家が輩出しました。すなわち探検≒科学だと言っても過言ではないのです。科学の真髄とは、探検*3に限りなく近かったワケです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一

*3 探検の要素を伴わない「学び」って、いったい何でしょう? それは「模倣(お手本なぞり)」にしか過ぎません。それでは探検するスリルも味わえませんし、ワクワクする感動を味わうことも無理でした。

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画像・上段左:優月くんが捕まえたミドリババヤスデ、同・上段中:朽木をひっくり返したところ、同・上段右:朽木の裏側や内部にはキノコが生えたり、アリの巣があったり(上:女王蟻らしき)、同・下段左:スマホのGPSが表示する地図上の現在位置(森林公園、海南町)、同・下段右:今回のフィールドワークを行った周辺の風景 ※画像は藤原優月くんが撮影し・送信した画像を竹内が加工。

付記:今回、私はLINEメッセージで5~6点の観点から「遠隔」インタビューを行いました。その時に優月くんが返答に困った問いが一つだけありました。それは、私からの問いの一つに「フィールドワークをしてみて、どうでした?」と言う問いに対し、優月くんは意外にも "困惑" してしまった様子でした。

これは重大なヒントですので、その原因を辿ってみます。日本のパターン化された試験問題に慣れてしまうと、個人が本来、持っていたはずの「裁量権(交渉権)」*4が消失してしまうのです。つまり「問われたコトにだけ答えればイイ」と言う大脳が示す機械化反応です。日本の学校教育で長く重視されてきた試験問題に解答する力の本質とは、解答へ導くパターンの「識別力」を鍛えてきただけに過ぎません。

*4 私は裁量権の一例として優月くんに、「比較してみる」というヒントを出しました。例えば、フィールドワーク活動を、類似の動物や自然を扱った本を読んだりTV番組を視聴したりした時の感覚と比べる・・等の工夫を凝らす権利は、海外の教育でなら当然、解答者の権利として認め(=求め)られています。「問答無用/切捨御免」の時代錯誤は、極めて非人道的な日本流の、古いシキタリでしかありません。

その結果、正解を誘導する(正確には、短絡する*5=電気がショートする意)力を磨くだけの思考を硬直化する訓練であり、本来のヒトの大脳が備えている創造性(気づき、発見、連想、閃きなど)とは無縁な世界だと私は憂慮します。この弊害は、海外の学校教育に触れてみないことには実感できないと思います(竹内記)。

*5 この短絡が、「分かった」ように錯覚させる落とし穴です。ほとんど、「山」と言えば「川」と言った符丁に過ぎません。その結果、正解主義の日本の学校教育を受けただけでは、なかなか議論が深まらなくても当然のことです。今回、コロナ禍で日本植物生理学会(JSPP)の高校生生物研究発表会(21日)のポスター発表もキャンセルとなり大会事務局(阪大)が"slack"会議室で交流の場を設けて下さいました。しかし、なかなか議論が盛り上がってきませんでした。これは結構、深刻な問題だと受け留めています。

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