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■教育ボドゲ5:数値にならない「学習するための能力」
ルネサンス高等学校
■教育ボドゲ5:数値にならない「学習するための能力」
2018-01-11
今回は、ボードゲームとは少し違った話です。
教育ボドゲ2でも書いたのですが、ボードゲームにはいくつか国語・数学・理科・社会・英語のような5教科7科目とは違う能力を身につけることができると考えています。
私たちの学校には、「勉強が嫌い」「勉強が不得意」という生徒がたくさんいます。
その生徒たちにある程度共通していることが、一定時間以上同じ課題に取り組むことができないという特徴です。高校生になると、自分の進路にかかわることや卒業にかかわることには積極的に取り組むようになり、また時間をかけてくれるようになります。
通信制の高校のため、いつでも課題に取り組むことができるあまり、普段から継続的にやる人は例外的で、夏休みでいえば8/31に宿題を一気に終わらせようとする人もいます。これは誰でもそういった傾向はあります。
一方で、大学や専門学校への進学で必要となると、嫌いで不得意な勉強でも身につけなければいけないときがあります。こうしたとき、「楽しくない勉強を頑張る、我慢してやり遂げる力、継続して努力する力」のようなものが必要になってきます。
この「我慢する力」というのは、化学でいうところの化学反応の活性化エネルギーに近い、一時的に乗り越えなければいけない山のようなものではないかと思うのですが、それぞれの生徒がどのくらいこの力を持っているかを計測することはできません。
(画像はWikipediaより)
この「我慢する力」というのは、つまづきそうなところで先生が教えてくれる、お小遣いをもらえるといった外的な支援、絶対やってやる、あいつに勝ちたいなどと思う内的な動機などで山を越えやすくすることはできるのですが、一目見て「私にはできそうもない」という弱気な気持ちになってしまうと、なかなか越えにくい山になってしまうようです。
私たちの生徒だと、学校の課題が難しくなってくると投げ出してしまうというような生徒がいます。(先生が付き添ってみているという状況にすると、なんとか続けてくれるようになります)
こうした数値としては表現しにくい「我慢する力」というのは、「最初は難しそうだったけれども、やってみたら結構できた」「できたことを友達や先生が気が付いて認めてくれる」という小さな達成感の連続で解決していくことができるのではないかと考えています。
その背景には「我慢してみたら、楽しかった」「だから次も試してみたらできるんじゃないか、楽しいんじゃないか」というポジティブな心の内側の働きがあるのだろうと思います。
ボードゲームでしかそれができないわけではなく、実は様々な部活というのはこの要素を持っているのではないかと思いますが、得意なゲームではないゲームを他の生徒と一緒に遊ぶこと、新しいゲームのルールを理解すること、前回苦手だったゲームにもう一度挑戦すること、といったことを、生徒同士で行っていることで継続する力につながり、別の学習のときにも役に立っているのではないかと思います。
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