■教育ボドゲ8 セットリスト
ルネサンス高等学校
■教育ボドゲ8 セットリスト
2018-01-18
ボードゲームを遊ぶとき、例えば「カタン」を遊んで「~~力をつける」といったことを目標にするのはおかしいと思います。教師用の教科書には「ねらい」というものが明記されていて、いちいち細かく学習のねらいというものが書いてあったものですが、ボードゲームは何かを学ぶためのきっかけであって、何かを直接学ぶためのものではないのだろうと思います。
もっといってしまうと、教育とゲームが組み合わさるとき、教育目的となることによって教えたい側の下心のようなものがゲームの面白さを急に下げてしまうように感じます。
遊びながらゲームの中の仕組みを理解したり、勝つために何を考えなければいけないかを自然に考えるようになる、という点は、いわゆる教育がかかげるわかりやすいねらいではありません。その代り、仕組みを理解しようとする、相手の手の先を読むといった能力の開発につながっていると思います。
いかにワードバスケットが言語能力の向上に一役買っていたとして、ワードバスケットを延々と遊び続けるのがよいとは思いません。ワードバスケットを遊んで、頭をフル回転させて言葉を考え、次に遊ぶまでに少し新しい言葉を気にして覚えておこうとする、ということが子どもの能力を上げていくのです。
そして、脳の一定のところだけを使うゲームを続けるのは負担が大きいものです。ボードゲームで言語能力を上げたい、という教師側のねらいで、「ワードバスケット」を2回ぐらい遊び、「ワンスアポンアタイム」を2回遊び、最後に「たほいや」を5人が順に親になるまで続けたとします。よほど生徒がこれらのゲームが得意でないかぎり、こんなやり方では面白くないと思う生徒もでてきてしまうでしょう。
あるとき、同僚が「生徒が面白いというので」とレジスタンスアヴァロンをやりつづけたところ疲れてきて飽きぎみだったといっていたことがありました。
一つのゲームをするときには、それとは違った種類の別のゲームも提案できるようにするというのが楽しく過ごせるポイントです。
全員でできる簡単なルールのゲーム → 小グループでの中程度に難しいゲーム →同じグループでの簡単なゲーム → 時間があれば中程度に難しいゲーム
というようなその日のセットリストの中に、違った性質のゲームを考えてみると、満足度が高いと思います。
例えば(全員がルールを知っているとして)
狩歌(コミュニケーション系)→宝石のきらめき(戦略系) → → HANABI(協力系)
ディクシット(コミュニケーション系) → レジスタンス・アヴァロン(正体隠匿系) 2回 → 黄金体験(コミュニケーション系)3-4回
といった流れで遊んでいくと、求められているそれぞれのゲームの能力が違い、一人の生徒がただひたすら強いということなく遊んでいけます。
最初や最後は、実力のあまり関わらない、運要素の強いゲームを選んで「口直し」をしてもらうことで、楽しく終わることができます。
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