学びの姿勢を変えると「気づき」が起こる!(2019年07月22日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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学びの姿勢を変えると「気づき」が起こる!(2019年07月22日)

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学びの姿勢を変えると「気づき」が起こる!(2019年07月22日)

学びの姿勢を変えると「気づき」が起こる!(2019年07月22日)

教育デザイン室長の竹内です。旧スーパーサイエンスコースを運営してきて得た蓄積した経験値に共通項があります。それは、何かに「気づく」力が強化されるのです。当然、科学の探究活動に不可欠な「発見する」力の源です。それを考察して行きましょう。これまでの学校教育の論議では、これらの視点に対し無頓着過ぎました。

学校教育のカリキュラムでは、既存の知識体系を順を追って学んで行きます。理路整然として効率的なようには映ります。しかし、これは教える教員から一方的に見た視点に過ぎません。学習者の目線に立ったらどうでしょうか? 私はここに疑義を感じました。これは"作業"と感じられたからです。教員目線で良いと思える学びが、イコール生徒目線で良いとは限らないのです。日本の学校教育は、この点を十分に検証してきたのでしょうか?

私はここで正反対のアプローチを考えました。つまり、ゴールの一点(a specific issue)から遡るようにして逆方向へ向かう学びスタイルです。北欧の"バックキャスティング(backcasting)"手法とも重なります。

実践して行くと、従来の発想の轍に嵌らないため、生徒の思考が柔軟化して行き、そのことで生徒が新しい発見や気づきを体験して行くことが分かってきました。教育は生徒の成長ためであって、教員の満足のためではありません。日本は学校教育のグランドデザインに狂いがあるなと、私はここ10年間*1ほど、痛感してきました。

*1 国立高専の教授として5年間(2009-2013年度)、ルネサンス大阪高校のスーパーサイエンスコースとして5年間(2014ー2018年度)、そして今年度から(2019ー)アート&サイエンスコースとして新しい模索が始まりました。ここで、アートを強調した趣旨は、実は"ゼロ・スタート"であることの持つ価値を最大限に意識したいがためです。同時に通信制高校に降りてくる自信を喪失してしまっている生徒たちへ対しては従来の学びスタイルから決別でき、ゼロから始める「学び直し」ケアにも極めて好都合だったのです。

今回、実学に適性ありと判断された三谷香央里さん(2年)にかれこれ半年以上、放置されたままであったグッピーの飼育水槽の清掃を手伝って貰いました。彼女は本を読むことに抵抗*2を示しますが、身体を動かす作業を嫌がりません。このことから農学系の実学が向くと判断し、夏は能勢農場での林間学校のリーダー研修を先日、1泊2日で受けてきました(当初こそ躊躇していましたが、翌日には「とても楽しかった」との感想を)。

*2 農場の片隅で黙々と本を片手に彼女が読書三昧でしたら、恐らく農場の人に「何をしに来たの?」と訝しく思われてしまうことでしょう。それほどまで、入念に生徒の特性を見極め、インターンシップ先とのマッチングを吟味していく必要性があります(最後は教員と生徒、相手側を巻き込んでの「賭け」*3なのですが・・)。

*3 実は「賭け」も「学び」の一種で、「挑戦」も経験を積んで成功体験を繰り返さない限りは、上達できません。従来の学校教育では、「賭け」をいい加減な要素だとして忌避し、排除してきた疑いが濃厚です。学校教育が人生を「生きる力」に結びつかず、どこかママゴトに見えてしまう原因と思われます(桜井章一語録参照)。

グッピー個体群が劣化していった原因を、①水環境悪化、②遺伝子劣化のいずれかを見極めたく当座、飼育水槽のリセットを行い、個体数及び表現型の復活を経過観察することにしました。

すると、水槽の敷砂をバケツの中で洗浄している途中で、三谷さんが「いったい何なのですか? この動く小さな生き物は?」と突然、声を上げたのです。肉眼でも見える微小動物が多数、泳ぎ回っていました。私は学生時代に旧農水省農業技術研究所(西ヶ原)の敷地に並んでいた稲作ポット試験の水面で泳ぐカイミジンコの様子と良く似ていたので見当はつきました(通常のポット試験は、カルシウム過多の"極限環境"ではありません)。

しかし、実体顕微鏡で眺めると一段と、中身の本体が透けて見えにくいほど殻が厚い*4ことが分かりました。これではミジンコの仲間とは言え到底、グッピーの餌にはならないで水槽の底に敷いた細砂の中に潜り込み、二枚貝のように底生生活していた様子が覗えてきました。三谷さんのお陰で、「グッピーの水槽に蒸発した分、汲み置き水道水を注ぎ続けていったら、カルシウムが蓄積し、二枚貝のような5億年前の生物ーカイミジンコが大量発生した」という新しい知見と遭遇しました。私たちは一見、グッピーを飼育していただけに過ぎない行為のようですが、見方を変えると、理科室で5億年前の地球環境を再現していたとも言えるのです。その気になれば、この発見を機にして新しい探究のデザインも構築して行けます文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*4 どうやら通常のキチン質に加え、カルシウムを蓄積することで殻が厚く、丈夫になる模様です。そう言えば、水槽の水が蒸発するごとに適宜、汲み置き水道水を加えてきたため、スタートアップ時と比べたら塩類は累積的に濃くなっていたので、カルシウムを沈積(バイオミネラリゼーション)するカイミジンコが定着できたのだろうと、今ならば「なるほど」と納得ができます(カイミジンコが増えるよう水道水を補充して、自分がせっせとカルシウム分を増やしていたのが滑稽に思えます;砂は珪藻が増えるようシリカ分の多い石英砂を敷いていました)。ここまで厚い殻を持つカイミジンコは始めて見ました。過剰なカルシウム分を水中から取り除いてくれていたとも考えられます。改めて、水槽内のカルシウム濃度の動的平衡状態を(恐らくは)保とうとしている生態系の妙味に驚かされました。水産餌料に向かない代わり、死して殻を残す微化石として価値がある模様です(5億年前のカンブリア紀に存在)。

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画像・上段左:カイミジンコ生体(茶色)と遺骸(白色)脱皮を繰り返して大きくなるので、様々なサイズが混在、同・上段中:水槽の砂を洗浄中に白い浮遊物が浮かび上がり、それが脱皮殻、同・上段右:水槽の砂をバケツ内で洗浄中の三谷さん(この状態で発見)、同・下段左:実体顕微鏡のステージ上に載せて観察(シャーレの中央に浮かぶのがカイミジンコの脱皮殻)、同・下段右:三谷さんと一緒にリセットした直後のグッピーの飼育水槽(作業途中)※大小様々なカイミジンコの脱皮殻が漂う様子と生体が泳ぐ様子を撮影した動画はコチラ

付記:今回と似たような発見例では、岩田祐樹くん(現・大学2回生)がヘドロ電池の実験をしていて底泥から底生性のソコミジンコが湧いて、泳ぎ出すことを発見しました。また、岩田くんとフィールドに出ると、必ず何か新しい発見ができることが常態化した感がありました。岩田くん自身が道端に転がっていた緑色した塊を目ざとく見つけたので見てみると、それはイシクラゲ(土壌藍藻)でした。探究学習は、従来型の「記憶ー再生型」の学習活動と比べたら、明らかに新たな「気づき」を想起させる効能がある*5事実に疑いの余地などありません。このようにして一旦、生徒の頭がこの方向で回り出すと、次から次へ自分で新たな課題を見つけ出せるように変わっていく点では、ちょうど"自転(自らの力で転がり出す働き)"する挙動を見せてくれます(竹内記)。

*5 学校の授業で仕込んだ知識や技能(あるいは、解法のテクニックを含む)は、既にあることを"一時"記憶し、試験はそれは"再生"するだけに過ぎません。このような単純な学習サイクルをもって、"学習"だと置き換えてしまった過ちが定着してしまったのか、その経緯の詳細は不明です。が、恐らく"教える側"の事情が優先し、"学ぶ側"の成長がないがしろにされ続けてきた点に、学校教育が抱えてきた脆弱性の本質が隠れているのではないかと睨んでいます。だから世界中で今、"学習者を中心に置く(leaner-centered)"という考え方が叫ばれてきているのです。当コースでは、通信制高校に置かれた生徒の成長を願って、基本に忠実に対応してあげようとしてきただけに過ぎませんが、たまたま世界の教育デザインの潮流と一致して行ったことが伺い知れます。

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