実験の「失敗」から学ぶスーパーサイエンスコース(2016年02月03日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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実験の「失敗」から学ぶスーパーサイエンスコース(2016年02月03日)

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実験の「失敗」から学ぶスーパーサイエンスコース(2016年02月03日)

実験の「失敗」から学ぶスーパーサイエンスコース(2016年02月03日)

自然がささやく声を聞くことができたソロモン王の伝説に因み、科学上の発見をするセンスを持つ人を「ソロモンの指輪」の持ち主と呼びます。スーパーサイエンスコースの「探究学習」は、既存の知識を学ぶ場ではありません。新しい発見をする力、すなわち「ソロモンの指輪」を授けるのが、大阪校のスーパーサイエンスコースが掲げるミッションです。

多くの人々は、そんな大それた真似が高校生にできるのだろうかと訝しく思うことでしょう。それは実は、誰にでも可能です。実例を挙げて、隠されてきた「手の内」を披露しましょう。

コツがあります。第一、"唯一の正解"を求めない「勇気」。第二、あれかなこれかなと問い続ける「根気」。すると不思議とアンテナが立ってくるのです。皮肉ですが、答えが決まっている試験問題に取り組むのと真逆の方向です。効率面で劣りますが、一生の間、使えるだけの無尽蔵の力を生み出します。従来の試験勉強では「ソロモンの指輪」は永遠に授かりません。

日本が欧米に追いつく時代は、これまでの学習法が効率的でした。しかし、先頭に立った時点で、これまでの唯一の正解が決まっている問題に解答する「習作」的な試験勉強から、自分で問いを立ててリードしていく「創造」的な探究学習が必要不可欠になりました。高校課程から高等敎育へ橋渡しする学校敎育の「パラダイム転換」が既に進んでいたことを意味します。

*     *     *

理科室では、スクーリング授業で用いる観察用ゾウリムシを藁の煮汁で培養しています。しかし、ゾウリムシがいなくて小さなオカメゾウリムシ(コルポーダ)ばかりになっていました。私は確かに藁の煮汁を用意し、餌となるバクテリア(細菌)の繁殖を確認し、ゾウリムシの古い培養液を加えておきました。いつも通りならばゾウリムシが生えているはずだったのです。

藁の煮汁は加熱してありますから裸の状態にある微生物は皆、熱で死んでいます。そんな中で生き残れるのは"枯草菌"と呼ばれる納豆菌の仲間で、耐熱性の胞子と呼ばれるカプセルを形成し、中で休眠中です。それが加熱と煮汁の栄養が刺激となり胞子から一斉に発芽して翌日には細菌群集の巣窟になります。これが初期の餌となり、遅れて他の細菌群が増えてきます。しかも、私は細菌細胞を餌として食べるゾウリムシを加えたのですから当然、ゾウリムシが増えているのが常識でした。それが今回、オカメゾウリムシだらけになってしまい、しかも、加えたゾウリムシは跡形もなく消え去っていたので驚愕でした。

では、なぜオカメゾウリムシが先住者になってしまったのでしょうか? そのヒントはオカメゾウリムシがシスト(嚢胞)と呼ばれる休眠カプセルを形成し、枯草菌の胞子と同様、はじめから藁に付着していた可能性が考えられます。その結果、藁の煮汁をいつもより長く放置した結果、オカメゾウリムシが先住者となり、そこへ後から加えたゾウリムシはオカメゾウリムシの王国には定着できなかったのだと推測できます(両者は「食う-食われる」の関係にないのですから不思議です)。

このことは、いつもゾウリムシを飼育していた培養液の中で、大勢を占めるゾウリムシの陰でいつもオカメゾウリムシが背後に隠れていた可能性があっても一旦、ゾウリムシの王国が作られたら容易に揺るがないという可能性に気づきました。それほどまで、同一の培養容器の中に形成される生態系では、最初に生態的地位(ニッチ)を築いた生物種が圧倒的な強みを見せることが分かります。両者の混合比や途中で与える選択圧等、実験アイディアが考えられます。

今回は、藁の煮汁を通常より長く放置し、いわば「失敗」した結果、「発見」に至りました。これは科学実験の場合に共通する展開です。昔から「失敗は成功のもと」って言います。失敗しなかったら、発見できないものなのです。敎育学では、「試験で満点を採っても学んだことにならない。」と言われることがあるのも、この隠された真理が裏づけになっています。スーパーサイエンスコースで提供する学びのスタイルには違和感が感じられるかも知れませんが、ホントは「失敗」することが近道と理解してください。これが「知の生産」に至る学びです。

画像・左:ゾウリムシを培養するための藁の煮汁の調製中、中・右:耐乾シストを形成する原生動物Colpoda(コルポーダ)、サムネイル、Colpoda個体群(食酢を用いて水プレパラートは簡易固定した)。Colpoda属の群泳動画は当コース・リポジトリの「コルポーダ」ホルダーに収納されています。

付記:新しい現象を発見したり、別な解釈のヒントを得たりする思考プロセスには一定の定石があるように思えます。大阪校ではこの種の事例を集め、ガイドブック『探究学習リソース』として編纂していく方針でいます。発見に繋がる「探究の基礎」は内容の高度さが求められる大学より単純な内容が扱える高校で行うべき学びなのです。高校時代は探究力育成を養うべき時期で、それを暗記学習や問題練習で埋めてしまうのは禍根を残す元と、そう心得て下さい。

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