アート&サイエンスコース
2017.05.12.Fri
教育デザイン室長の竹内です。今日は緑地公園へ遠足(BBQパーティ)でした。そこで失敗やらかしました。会場へ向かう途中、広場の噴水が何気なく目に留まりました。そこで閃きがあったのです。お尋ね者のメロシラかと思いきや、人違いならぬ、生き物違いでした。
赤潮や水の華など、自然界で生き物が大発生することがあります。これは、意外と人工的に再現することは難しい。似て非なる現象で、人が生んだ人工環境で「水を得た魚」のように大発生する生き物がいます。これは当然ですが、人工的に再現することも容易なのです。
下水処理場でかつて(1980年代から1990年代)大発生したノカルジア型放線菌による汚泥浮上現象(スカミングと命名)、それと浄水場の緩速ろ過池で恒常的に発生する糸状性珪藻メロシラが該当します。今回、そのメロシラを培養しようと理科室にガーデニング用循環装置(カスケード式2段水盤)を用意したのも、誤認する遠因だったのかも知れません。
思わず寄り道して、サンプリングしてしまいました。見た目は、光合成の気泡を抱いて水面に浮かんだスカム、水面から糸状の塊を作って垂れ下がる様子、水生昆虫が集ってくる餌料適性など、メロシラの特徴を備えていました。唯一、「ちょっと褐色さが足りないな・・」と感じつつ、強い日差しで「ま、いっか・・」と妥協したのも不味かったデス。
理科室へ戻り、顕微鏡へ載せる(直前、室内光で見た色や糸状性構造の喪失に違和感)と、「何じゃ、こりゃ~?」の異次元界でした。数年間のブランクがあったとて、「あゝ、私としたことが・・」と絶句でした。
ここから先は、反省デス。なぜ、バラバラな単細胞の浮遊性藻類が、擬似的に現場で糸状に見えていたのか? 色だって(恐らく)緑藻にしては白っぽく色調が退めていたのか?
これらの謎を解く鍵は、恐らく噴水の原水には末端の給水栓で残留塩素が検出される程度に給水時の塩素消毒が行われていたこと(日本の水道法の規定)です。その結果、塩素による害が回避できるよう微生物の中には粘液層を作り出し、塩素による殺菌効果から免れるタイプの生き物(藻類や菌類を問わず)がサバイバルすることがあります。すると細胞表面の保護粘液層が細胞の塊を作り、さらに水流によって糸状の構造物になることはあり得るのです。これが、事実誤認の原因でした(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。
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画像・左:服部緑地公園の広場の噴水前でサンプリング後の生徒(3年・岩田祐樹君)、同・中:メロシラに似た外観を示す藻類の浮上スカム、同・右:(上段)容器を移した直後は細胞は分散しているが、ビーカー内で再凝集した状態を示す。(下段)微細藻類の個々の細胞の周囲には粘液層があった痕跡が見られた(墨汁染色した結果;対物x40倍・位相差)。
付記:次回、和泉市にある緩速ろ過式の浄水場へサンプリングへ行く予約をしてあります。今度こそは正真正銘のメロシラをゲットしてくるぞ・・と意気込んでいます。
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ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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