アート&サイエンスコース
2017.08.10.Thu
昨日(9日)と今日(10日)の両日、国立環境研究所(資源循環・廃棄物研究センター)から2名のゲストを迎え、我々がフィールドにしている淀川・十三干潟へご案内し、サンプリングに続き、研究のバックグラウンド解説など、ゼミを理科室で開催しました。
ゲストは上島雅人博士で、カンサス大学など北米で長く研究員をされてきた方と、同研究所でインターンシップをされている早稲田大学(理工学術院)3年生の豊山ジェイクさんのお二人です。彼はドイツと韓国の血筋をもち、千里にあるインターナショナル・スクールで英語媒体で教育を受けてきた、伴に押しも押されぬ国際派人材です。以前、私とは京都で、岩田くんとは大阪での超異分野学会(リバネス主催)で面識がありました。ゲストのお二人は、高等教育へ接続する高校教育(後期中等教育)に相応しい高度で知的な雰囲気を理科室の中に、余すところなく醸し出して下さいました。高校が「ここまで変われる」のだと言う近未来型スタンダートを見せて戴いた気がします。ありがとうございました(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。
❏岩田くんからのコメント:そう、とにかく印象的でした。初めて十三干潟の底泥の層の断面を見ましたが、綺麗に上層が茶色っぽく、下層が黒くなっていて、ホントにこんな風に層になっているんだと感動しました。いつもはこの場所でヘドロ採りをしているので、泥を掘るにつれて色が変わっていく実感はあったのですが、透明なアクリルパイプの中の泥のグラデーションはまるで違う世界でした。
理科室で上島さんに今回のプロジェクトの概要や狙いを説明していただきましたが、第一線の研究のお話はとても刺激的でした。そして、上島さんと竹内先生から飛び出す鋭い視点の数々に圧倒されました。正直何も言えないほどで、「これが研究者の視点か」と呆然としました。あの衝撃は忘れられません。また、上島さんに同伴されていたインターンの大学生の方も興味深いお話をしてくださいまして、上島さんとお二人で英語と日本語が入り混じる不思議な世界へと誘ってくださいました。その大学生さんは幼稚園から高校までをインターナショナルスクールで過ごされたそうで、普段は日本語で会話されますが、思考は英語なので難しい話になると自然と英語に切り替わるそうです(3年 岩田祐樹)。
----------
画像・上段/左:現地調査のメンバー(左から右へ、ジェイクさん、上島さん、岩田くん、河脇凌くん)、同・上段/中:試料採取中の上島さんと岩田くん(右は、コア試料の断面)、同・上段/右:酸化還元電位(ORP値)を測定中のジェイクさん、同・下段/左:トーク中のゲスト(左:トヨヤマ・ジェイクさん、右:上島雅人博士)、同・下段/右:ゼミ参加者(手前:高校生の岩田祐樹くん、奥手:大学生のジェイクさん)。
付記:今回のゲストのご専門は、地質学(地盤工学や土壌汚染も含む)です。サイエンスコースでも、まだ手薄な分野です。これを機に、カバーできる範囲を拡大して行こうと考えています。特に、ヘドロ電池や水環境中での元素循環で中心を担う硫酸塩の還元過程と密接に関係していることが分かりました。あのアンモナイトが、黄金色に輝く黄鉄鉱(パイライト)化した状態で産出する例もあるそうです。上島さんは土壌汚染の履歴を辿る一つの手段として河川の堆積物中に埋没した珪藻遺骸の内部に侵入した硫酸塩還元細菌がつくり出す硫化物の析出物(フランボイダルパイライト)*1が現世的形成される可能性を狙い、我々がヘドロ電池及び汽水産貝類の研究フィールドとしている淀川・感潮域の十三干潟まで筑波学園都市から駆けつけて下さいました(竹内記)。
*1 高校地学部の女子高生が有孔虫など、微化石中のフランボイダルパイライトの研究に着手しておりました。
アート&サイエンスコース
最新の記事
アート&サイエンスコース
2020.08.24.Mon
アート&サイエンスコース
アート&サイエンスコース
2020.06.28.Sun
アート&サイエンスコース
アート&サイエンスコース
2020.05.23.Sat
アート&サイエンスコース
アート&サイエンスコース
2020.05.18.Mon
アート&サイエンスコース
アート&サイエンスコース
2020.05.17.Sun
アート&サイエンスコース
アート&サイエンスコース
2020.05.16.Sat
アート&サイエンスコース
最新の記事
2021年1月| 2020年12月| 2020年11月| 2020年10月| 2020年9月| 2020年8月| 2020年7月| 2020年6月| 2020年5月| 2020年4月| 2020年3月| 2020年2月| 2020年1月| 2019年12月| 2019年11月| 2019年10月| 2019年9月| 2019年8月| 2019年7月| 2019年6月| 2019年5月| 2019年4月| 2019年3月| 2019年2月| 2019年1月| 2018年12月| 2018年11月| 2018年10月| 2018年9月| 2018年8月| 2018年7月| 2018年6月| 2018年5月| 2018年4月| 2018年3月| 2018年2月| 2018年1月| 2017年12月| 2017年11月| 2017年10月| 2017年9月| 2017年8月| 2017年7月| 2017年6月| 2017年5月| 2017年4月| 2017年3月| 2017年2月| 2017年1月| 2016年12月| 2016年11月| 2016年10月| 2016年9月| 2016年8月| 2016年7月| 2016年6月| 2016年5月| 2016年4月| 2016年3月| 2016年2月| 2016年1月| 2015年12月| 2015年11月| 2015年10月| 2015年9月| 2015年8月| 2015年7月| 2015年6月| 2015年5月| 2015年4月| 2015年3月| 2015年2月| 2015年1月| 2014年12月| 2014年11月| 2014年10月| 2014年9月| 2014年8月| 2014年7月| 2014年6月| 2014年5月|
ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.01.20.Wed
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス豊田高等学校
ルネ大阪広報
ルネ大阪広報
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
|