枯死したヨシ茎から粘液細菌を分離(2017年08月12日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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枯死したヨシ茎から粘液細菌を分離(2017年08月12日)

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枯死したヨシ茎から粘液細菌を分離(2017年08月12日)

枯死したヨシ茎から粘液細菌を分離(2017年08月12日)

スーパーサイエンスコース担当の竹内です。珍しい真正粘菌を見つけたいと思いました。通常は森林の朽ちた樹皮や落葉に求めるものですが、敢えて潮を被る河口域干潟のヨシの枯死体から稀少な真正粘菌を見つけられないかと探索してみました。すると、忘れ掛けた頃、外見が粘菌と良く似た生活痕(網目状の這い跡)が見つかりました。しかし、実体鏡下では緑色を呈し、粘菌に見られる原形質流動も見られませんでした。

正体を見極めるには、生育している状態をありのまま高倍率で観察する必要がありました。そこでスライド培養を行い、位相差顕微鏡のステージで直接、生育状況を観察することにしました。培地は腐葉土の抽出エキスを寒天(1.5%)を添加し、溶けた状態のままスライドガラス上に寒天フィルムを固化し、そこに滅菌した楊枝でタッパーから集落の一部を塗抹しました。一晩の室温放置で、ターゲットの微生物が生育し出しました。

正体は以前、外来魚のブルーギル幼魚の体表(粘液層)から分離したことのある粘液細菌の一種で*、コロニーは白ないし薄い黄色で、子実体形成は不明確でした。恐らくヨシの枯死体の方が栄養が乏しく、乾燥しやすいため条件のため速やかに胞子として休眠状態へ移行してしまうのだろうと思われます。他の微生物を溶菌させる活性を持つので、魚のムコイド層にあっては外からの微生物の侵入に対して防御役を果たし、自然界では次の栄養源にありつけるまで休止状態になるのだろうと考えられます。

* 魚類の粘液層から分離された細菌が狭義の粘液細菌である可能性が疑わしくなりました。子実体を形成する兆候が見られないからです。界面を水平移動する細菌は、Flexibacter の仲間(The C-F-B group)と判断するのが妥当かも知れません。引き続き、魚類粘液層の細菌フローラ調査を続けたいと考えています。

真核生物である真正粘菌とは異なり、粘液細菌はより原始的な原核生物ですが、社会性を持つ微生物だと認識されています。餌があれば群れて襲いかかり、餌がなければ自己溶解して自分の分身(クローン)の一部を残し、胞子として次世代へつなぐ芸当を見せます。

そのような高度な生活環を持つことから、医薬品としても使える生理活性物質が見つかるのではないかとの期待を持たれています(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段/左:2ヶ月ほど放置した寒天上に形成されていた緑色をした子実体の群落(x10対物の位相差で検鏡)、同・上段/中:タッパーで保湿したまま室温で長期培養中、植種源は枯死したヨシの茎;淀川・十三干潟で採取)、同・上段/右:粘液細菌が示す高度な多形性(A、B、C:緑色の子実体、D:茶色の子実体)、同・下段/左:シャーレで保湿したままスライド・カルチャー、同・下段/右:スライド・カルチャーしたマイクロコロニーをそのまま顕微鏡のステージに載せ、位相差で検鏡(x20対物レンズまで対応可能)。

付記:理科室の顕微鏡ではタイムラプス(微速度撮影)ができませんので、Youtubeで一般公開されている滑り運動の動画James Berleman 博士)を引用します。粘液細菌の驚くべき性質が描かれています。画面の左側が粘液細菌のコロニーで、右隣にあるのが大腸菌のコロニーです。粘液細菌のコロニーが拡大し、大腸菌のコロニーに接触するやいなや相手側の陣地に入り込み、大腸菌の細胞を溶菌させて自分の細胞に変えていきます。食べ尽くすと、子実体を作って休眠状態に入ります。どうです、凄いでしょ? 魚の粘液層に共生していたら微生物感染に対して強そうですし、医学領域での利用(飯塚俊、2016)に期待がかかる理由もむべなるかなです。

日本では、香川大学農学部の木村義雄教授の微生物生理学研究室が一つの研究拠点です。高校生諸君もこの不思議な生命に興味が持てたら、一緒に探究活動に取り組みましょう(竹内記)。

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