アート&サイエンスコース
2017.11.03.Fri
スーパーサイエンスコース担当の竹内です。本日、城北公園(大阪市旭区)でダンゴムシを採集し、動物行動学の新ジャンルでの探究活動が本格的にダッシュしました。今年度、10月から当コースに加わった宮森芳弥くん(1年生)が担当する探究課題で、微小動物を昼夜監視できる研究手法を独自に開発していく方針でいます。
科学は「実証と経験」の学びであり(英国フランシス・ベーコンが提唱)、野外に出るなり実物を観察するなり、体験を通じて積み上げていく学びです。学校の授業では教科書とノートが中心の机上の学びで、「座学」とも呼ばれます。どちらがホンモノの学びになるかと言えば、火を見るよりも明らかでしょう。理想は、実物に触れて学ぶ方が良いのに決まってます。が、現実問題として"公教育"では、予算的なリソース(教員も時間も)が、どう逆立ちしても配分できないのです。
当サイエンスコースでは、一人ひとりにアレンジした学びが実現できます。そのための人員も設備も、用意してあります。あとは、ただただ学習者本位の果敢なチャレンジ行動が求められるのみです*1。
*1 前報した通りプレスクールでは、向こう半年間、無償でマンツーマン体制で入学予定者(中3生)に対しても、他の場所では体験できない実技指導を行っています(前回は、微小生物の純粋分離法)。
城北公園に隣接する淀川・城北ワンドでは午前中、大阪トヨタ主催のイベントが開催されていました。また、晴れた日の公園では、運動をしたり、楽器を演奏したり、散歩したり、思い思いの活動を楽しんでいる市民の姿がありました。その中に片隅に1人、うずくまって怪しげにダンゴムシを採取している男がいたわけです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。
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画像・左:城北公園(大阪市旭区)の淀川堤防上へ続く石段、同・中:石段の片隅に吹き寄せられた落ち葉の塊がダンゴムシの生息場所、同・右:容易に鑑別できるダンゴムシのオス(♂)とメス(♀)。
展望:現時点で想定される今後の探究学習の方向性を記述しておきます。3年生が学校の拠点、学園ビル周辺でダンゴムシを採集してきてくれました。タッパーで観察していた限りでは、彼らの行動に周期性が見られました(休止状態と活動状態)。その行動パターンの監視のため、タイムラプス動画(実際には静止画の連続撮影)を撮影する準備を進めています。問題点も、夜間行動の撮影記録の方法に絞られてきました。
哺乳動物では赤色光で夜行性動物が昼間でも活動することを確認した報告が見つかりました(暗所での撮影に成功しています)。しかし、ダンゴムシは無セキツイ動物門と神経系は持てども哺乳動物の比ではありません。現状、ダンゴムシの外骨格に塗料でマーキングし、ブラックライトを照射してマークの移動を記録できるか否かを検討したいと思います。
問題は、ブラックライト(長波長の紫外線)*2は人体には有害ではないとされていますが、ダンゴムシに対する影響はどうなのかは未知数です。彼らの感覚器官は、先端の触覚が担っていると思われ、察するにブラックライトが彼らの明暗識別にどれだけ影響を及ぼすかを、それこそ行動パターンをみて判断していくしか、当座の手段はないだろうと見ています(竹内記)。
*2 ブラックライトは、工学分野で試験材料の非破壊検査(浸透性の蛍光薬剤を使用した時)で常用されている機材である。一つの基幹技術は、多岐にわたる分野で用いられていることに留意されたい。
資料:ダンゴムシの観察と実験(京都教育大学生物学教室) 現在、ダンゴムシを扱っている研究者はいない様子です。理科領域専攻では、探究学習(村上忠幸教授)や生態学(今井健介准教授)らが新たな教育研究活動を展開している。
動画:教育研究用動画共有化サイト「動物行動の映像データベース」が見つかりました。商業利用でない限り、使用に制限ありません。近い将来、このようなサイトに貢献できる立場になりたいものです。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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