アート&サイエンスコース
2017.12.15.Fri
今日、淀川の十三干潟へ行き、シジミを研究対象とした「ミニ・プロジェクト」をスタートアップしました。淀川のシジミは、ヤマトシジミと呼ばれる汽水域に生息する二枚貝です。漁業権は放棄されている土地柄であり、商業的な漁獲を免れた個体が成長を続けているため市場に流通している宍道湖産シジミと較べて「え? これがシジミなの?」と思わず声が漏れるほど大型の個体が目立ちます。
これらの自然群集を利用して、短期間で成果があがる探究学習の入門的な位置づけです。来春の入学候補者のための「プレスクール」のサイエンスコース版として立案した課題の一つでもあります。これまで幾度となく十三干潟を訪れたことはありますが、シジミをサンプリングの対象に来たのは初めてのことです。が、不思議なことに、併せて次のテーマとなり得る巻貝、イシマキガイにも出会いました。
今後の計画では、シジミに対して泥吐きをさせ、吐き出した吐出物を平板培養して細菌フローラを調べていく算段です。以前、砂泥のような無機的な鉱物粒子でなく、むしろ白い粘出物(細菌塊)を吐き出している兆候が観察されました。また、シジミがろ過捕食している対象物にも関心があります。
このようなミニ・プロジェクト*1 を幾つか想定し、初学者がサイエンスコースに加わって幸先良いスタートを切れるよう支援して行きます。来春、卒業していくベテランの3年生から新1年生への「引き継ぎ」という位置づけも考えています。「後継者の育成」が、学びの仕上げです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。
*1 学校教育の分野だけでなく、ミニ・プロジェクトは業務研修でも導入されています。内容的に、1)ユニークな取り組みであること、2)ゴール(成果)設定が明確であること、3)それが次なる本格的な取り組みへの布石になること、などの諸条件を満たしていることが肝要です。
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画像・左:すっかり水が冷たくなった十三干潟、同・中:採集したシジミ(夏ほど捕獲できない)、同・右:水没していた瓦礫などに付着していたイシマキガイも捕獲
付記:フィールド調査へ出掛けると毎度、新しい発見ができます。必ず新しい"気づき"があるのです。今回は、水没していた瓦礫に着目し、そこに固着している二枚貝が見つかりました。カワヒバリガイ(特定外来生物)に混じって、シジミの稚貝が足糸で固着している様子も観察できました。また、漂流物に付着している小さな生き物に目が向きました。潮汐によって起こる潮の流れを利用して移動している実感があります。
イシマキガイは幼生時代を沿岸海域へ川下りして沿岸プランクトンとして生活し、再び河川を遡上してくる回遊型の生活史を持ちます。つまり淡水の中だけでは繁殖が完結しない性質を持ちます。水槽の水垢(バイオフィルム)を好んで食し、掃除屋さんの異名を持つタンクメイト生物として市販されていますが、全て野生の個体が流通している模様です。将来、高校生の探究課題としてイシマキガイを人工養殖する実験的な試み*2 も、敢えて商業目的に拘らず挑戦してみたいと考えています(竹内記)。
*2 淡水の水槽内で産卵(時に、孵化まで)は成功しているとの報告がある。幼生は海産プランクトンを摂食して成長し、沿岸海域から汽水域を遡上し淡水域まで回帰するまでのプロセスがこれまで未解明となっている。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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